あやめ横丁の人々 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062753333

作品紹介・あらすじ

婿入りの祝言(じゅうげん)の席上、妻に思い人のあることを知った大身旗本の三男坊、紀藤慎之介。逆上して間夫(まぶ)を斬り捨て、妻女を自害に至らしめた彼は、婚家のつけ狙うところとなり本所「あやめ横丁」に匿(かくま)われる。だが堀に囲まれたこの町ときたら、場所も住人もみな何やら訳ありで……。練達の筆がさえる長編時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 祝言当日に花嫁を他の男に連れて行かれ、思わず間男を斬り捨てたために命を狙われる羽目になり、あやめ横丁で町人暮らしをすることになった慎之介。
    袋小路の横丁に暮らす人々はどうもみんな訳ありのようで、胡散くさい。
    日々を過ごしていくうちにそれぞれの事情を知り、短慮だった慎之介も少しずつ大人になる。
    普段手に取らない作家の時代小説だったので、なんだか新鮮だった。

  •  原田康子「海霧」に続く新聞小説とのこと。宇江佐真理「あやめ横丁の人々」、2006.3発行、文庫。連作10話、455頁。旗本三男紀藤慎之介25歳とあやめ横丁の町娘伊呂波17歳のラブストーリーと言っていいと思います。読み応えがありました。ハッピーエンドで終わらないのは辛いですが、小説とはそういうものかもしれません。記憶に残る作品になりそうです!

  • 慎之介が命からがら逃げこんだ本所あやめ横丁は
    堀に囲まれた町。住民たちは訳あり者ばかり。
    髪結い床も一膳めし屋も謎を抱えているようだった…。

  • 時代小説というよりファンタジー捉えて欲しいとあとがきで作者がいうように、江戸時代の人情物語を少しふんわりとした感じか。元々新聞の連載小説ということで少しずつ楽しめて、それでも最後は少々ドキドキするような仇討ちもあり。

  • 面白かったです。あやめ横丁のあやめは菖蒲ではなく殺め(る)。訳ありの住民の一人一人その訳をさらし、それでも一日一日生き延びる、切ない一抹の寂しさを含む読了感。宇江佐さんがあとがきで、一編のおとぎ話を書いたのだ、と。そうかー現実にはないのか、というのも、一抹の寂しさ。

  • 著者自身、あとがきで「時代小説というよりファンタジー」と言っているように、そんな馬鹿な、といったストーリーです。でも、そうはっきり割り切っているからでしょう、なかなか面白く読めます。そこいらは著者の力量でしょうね。
    もう一つ、なんか読んでいていつもと雰囲気が違うと思ったのは、この作品が新聞小説として書かれたものだからのようです。連作短編のように、小さな盛り上がりが多数有って、その代わりに大きな盛り上がりは少ないのです。
    余りしっとりした感じは無いですが、まずまず良く出来た時代小説でしょう。

  • 筆者の作品のなかでは多分異色。時代物の形を借りたファンタジー。『オーデュポンの祈り』に通じる読後感は僕だけ?

  • どんどん読み進める作品ではないが、
    終わってしまうのが、名残惜しかった。
    慎公の今を、短編であと1つくらいは読みたい。

  • やっぱりこの人のファンなので満足な一冊でした。

  • 宇江佐真理は物事を周りのせいにする人が嫌いか、周りにそんな人が多いのだろうか。ここ2冊ほど幼稚な主人公が成長する話でウンザリ。それが伊三次みたいな大人が這うように成長するんでなくて、まるで子供向けの小説のようだ。だいたい三千石の生粋の若様が、たかだか半年町人に混じって暮らしただけで、なんでその後10年経っても激昂すると町人言葉になるのよ。痛々しいだけだよ、そんな大人・・・

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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