スイス時計の謎 (講談社文庫)

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著者 : 有栖川有栖
  • 講談社 (2006年5月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062753876

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スイス時計の謎 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 作家アリスと火村の国名シリーズ。
    短中編4編収録。

    この短編集の中では、やはり表題の「スイス時計の謎」が一番好き。
    推理物としてよくできているのはもちろん、アリスの高校時代が垣間見えて楽しい。美少女ネタは他でも読んだけれど、なんだったっけ。
    時間の流れ・人生のいろいろが切なさを感じさせるけれど、近頃すっかり火村センセイからアリスファンにシフトしたわたしにはアリスの失恋の思い出のほうが切なかったり。

    「あるYの悲劇」のYは何かというのは割とすぐにわかる。
    ただ、なぜその人物を指すのかは全くわからなかった。
    こういう雑学(というのも違う?ネタバレにならない表現が難しい…)は面白い!

    「女彫刻家の首」と「シャイロックの密室」。
    こちらの2編はあまり好みではないが、倒叙ものはたまに読むと新鮮。

  • 表題作だけで星5つにする価値あり。シンプルで非常に美しいロジックに脱帽でした。

  • 有栖川有栖による国名シリーズの一作。
    表題作「スイス時計の謎」はほかに比較してボリュームがあり、中編くらいのイメージだが、基本的に短編でまとめられており、おおむねテンポよく読めるのが魅力。
    有栖川有栖は長編になると若干冗長感が出てくるのだが、表題作もややその傾向がある。夢に出てきた女性の話なども、ストーリーとしては幅を持たせたかったのかもしれないが、ほとんどなくても本筋に影響のないエピソードで、結果的に何だったんだろうと思ってしまう。謎の部分は論理で構築されており、隙がないだけに、ちょっともったいない。
    そのほかの作品もいわゆる正統派の本格ミステリといえる作品が収録されている。短編だけに、長編ほどのパズル構成とはいえないが、そのぶん4作とはいえ趣向を変えてあり、バラエティに富んでいる。

  • 作家アリス&火村先生シリーズ第13弾、国名シリーズ第7弾。4篇の短・中編集。いずれも毛色の違った、著者らしいトリックだけでないミステリー。表題作の最後の2行が本当に好きだ。著者の心からのことばにもきこえてしまう。

  • マニア投票で12位だった2003年の本格ミステリ短編。直球の犯人当てだが、今読むと設定の古めかしさが否めない。高校時代の優等生クラブ同窓会中の殺人。メンバが揃いで買った高級スイス腕時計だけが、現場から持ち去られた。誰にもアリバイはない。探偵は論理だけで犯人を指摘する。矛盾はないけど、動機もお金絡みだし、ワクワク感が全然ないなぁ。

  • 短編作品でしたがYの悲劇のきっかけが名前の読みから始まりそんな事があるんだと、ちょっと新鮮でした。

  • 短編集。
    ▼「スイス時計の謎」
    確固たる証拠があるわけではない。
    現場の状況、犯行の隠蔽工作がなされた痕跡、事件前後の関係者たちの行動。
    そして、彼らがかかえるそれぞれの個人的事情。
    すべてを論理的に組み立てていく火村。
    消去法によって容疑者候補がひとり、またひとりと消えていく。
    残された人物しか犯人でありえなくなるのだ。
    彼ら仲間にしかわからない誇りと矜持。
    哀しい結末だったが、思いがけない動機とともに仲間であるからこそ負けたくないという思いもわからないではなかった。
    何となく切ない気持ちになったのは有栖川の初恋の人に関する描写だった。
    空港での偶然の再会。
    交わされた会話とも言えないような短いやりとり。
    そして友人から聞かされた彼女の近況。
    有栖川の推理小説を読んでくれていたという事実。
    感想まで聞くことができた。
    幸せでいてくれれば…と願う有栖川の気持ちが切なく伝わってくるエピソードだった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    二年に一度開かれていた“同窓会”の当日、メンバーの一人が殺され、被害者のはめていた腕時計が消失!いったいなぜか…。火村の示した間然するところのない推理に「犯人」が最後に明かした「動機」とは。表題作ほか謎解きの醍醐味が堪能できる超絶の全4篇。ご存じ国名シリーズ第7弾。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    ・あるYの悲劇
    ・女彫刻家の首
    ・シャイロックの密室
    ・スイス時計の謎

    4作品が収録された短編集でっす。

    なんか今回、あまり火村先生の動きが冴えなかった気が...
    私が読むのに時間かかりすぎてたせいかな...?

    正直に言うと、あまり一気に読めなかったんですよね。
    なんと言うか、後から分かることだけど、まず「トリックありき」で
    そこに向かって話を繕っていくので何と言うかこう...
    理屈をこねくり回してる感が...

    すみません、私だけの感想だと思います><

    そんな中でも、有栖と火村先生の関係性が楽しくて
    やっぱり毎回あーだこーだ言いながらもつい手にとってしまうのですが。

    今回はなんとなく火村先生が冴えなかったような...(二度目)

    スイス時計の謎なんて、証拠はひとつもないもんね。
    理論上はこうなる、だからこいつが犯人だ!って、
    現実ではあまり通用しないような...

    理論上は分かるよ?
    でもそこを抑えて物的証拠を掴まないとね?

    みんながみんな、「ばれたか...」って自白してくれる犯人ばかりじゃない気がするよ?

    トリックを成立させるための設定が多すぎて、
    途中よくわかんなくなったりもしてしまって...

    きっと私がアホだからだな!
    きっとそうだな!

    ...次はがんばろう。
    一気に読めばまた違う感想が出てくると思うし。



    ...結局、アリスの見た夢ってなんだったんだろう...

  • シリーズを追って読んでいる本。

    スイス時計のお話が1番のお気に入り。
    犯人が理論的に導き出されるかんじがなんかすんなり納得いかなくて面白い。

  • 作家アリスシリーズ#13(国名シリーズ#7)

  • 火村英生と作家アリスシリーズの短編で、国名シリーズの一作。
    <あるYの悲劇>
    ロックバンドのギタリストが殺された。彼は死ぬ間際に「やまもと」そして指に自身の血を掬って"Y"のようなものを書いた。"やまもと"とは誰の事で、"Y"は何を意味しているのか。バンドのメンバーに話を聞きながら意外な犯人を火村は暴き出す。
    <女彫刻家の首>
    アトリエの中で首を持ち去られ、代わりに彼女の作りかけのオブジェから切り落とされた女神の首が据えられていた。さて犯人はなぜ首を持ち去り、女神の首をあてがったのか。あっさりとしながらも、頷かずにはいられない答えを導き出す。
    <シャイロックの密室>
    金貸しの男が拳銃で頭を撃ち抜いて死んでいた。そこは男の書斎で、中から木製の閂がされていた。窓には鉄格子。自殺のように見せかけられた現場はしかし奇妙なズレが生じていた。曲がった廊下の額縁。左利きの男の右手から出た硝煙反応。持ち去られたコンビニでの買い物の品。そして滑稽なほどのトリックが結び目を見せる。
    <スイス時計の謎>
    小さな会社の社長が殺された。いつものように呼び出されたアリスは殺されたのが高校の同窓生だと気付く。男は高校のころ結成した"社会思想研究会"のメンバーとの二年に一度の再会を前に殺されたことがわかる。同窓の友に話を聞いているうちにアリスは朝に見た夢にからめとられていく。書きおろしの長編がうまくいっていなかったアリスは自分の才能が枯渇したような気に陥る。それを救ったのは、ただの旧友との食事会だった短い時間の中でだった。そしてそこは火村の登場によって犯人の仮面を剥ぎ取る狩場に変貌する。
    アリスの"偽美少女事件"が披露された面白回でもある。眉を寄せて聞き流した火村が後々突っ込んだのか、想像してしまう。

  • 4つのお話。

    最初の『あるYの悲劇』に、あれ? と。
    しかしあれとこれとは別の話。
    Yが出てくるだけ、でした。
    犯人にしても、ふたを開けてびっくり、な状態。
    ひねりもなく、ストレート。
    ただし、そこに気が付けば、ですが…。
    これ、ネタにしていると言う事は
    本当にいる、のですよね??

    女彫刻家の首、ですが、機転を利かせたな、と
    犯人に驚きです。
    しかもあの最後。
    物語としては、あの台詞は頷くものがありますが
    現実ならば、彼の台詞に納得です。
    裁くなら『納得のいく自分』の現実を。

    シャイロックの密室、はあだ名の時点でなるほど、と。
    あの商人の話は知っていますが、名前までは。
    犯人視点だったので、いつどうばれるのか、と
    びくびくでした。

    表題『スイス時計の謎』のロジックに驚きです。
    読んでいて混乱しましたが、確かにこうなります。
    条件を付けて解いていくミステリーですが
    こうも分かりやすくなると、理解が早いです。

  • 本格ミステリ4編。

    「あるYの悲劇」
    「スイス時計の謎」
    が好きだったかな。

  • まさに「ロジックが世界を支配する本格ミステリ」で、短編ながら読み応えがあった。特に表題作の「スイス時計の謎」がすき。短編はこのくらいの長さがある方が良いかな。論理的に、淡々とじわじわと犯人を追いつめていくっていうのが大好物です。推理だけじゃなく、高校時代のアリスの話(美少女の有栖川には笑ったw)も出てきて面白かった。

  • 登録以前に。ドラマ化を機に。表題作はかなり好き。国名シリーズはクイーンの方もしかり、題名とは全く関係のないもののことも多い気もしますが、今回はスイス時計が絡んだ見事なミステリです。なぜ腕時計は事件現場から持ち去られたのか、そこから導かれる火村先生の推理がたまりません。また、他作品でも触れられるアリスの過去話が語られます。暗く、辛い話が明かされるものの、事件の解決の後に述べられるセリフになんと救われることか…。今回のお気に入りは表題作。あとは「女彫刻家の首」です。

  • 「あるYの悲劇」「女彫刻家の首」「シャイロックの密室」「スイス時計の謎」の4編からなる短編集です。

    「スイス時計の謎」と「シャイロックの密室」が気に入りました。

    「スイス時計の謎」は、被害者と5人の友人がお揃いで持っている腕時計が謎を解くカギです。
    はたして被害者は、誰に殺されたのか?
    まったく証拠もないにもかかわらず、火村准教授がロジックを組み立てて犯人を導くその手法はあざやか!

    「シャイロックの密室」は、倒叙ものです。
    物語のはじめから犯人による一人称で物語が語られ、最後は火村准教授によって追いつめられるまでを描いています。

  • ロジックがとても美しい、好き。

  • 作家アリスシリーズを読むのはこれが初めてでした。評価の高い表題作目当てで買ったのですが、1編目の「あるYの悲劇」のとあるロジックが思いもよらぬ収穫。事件の核自体はしょうもないのですが、ダイイングメッセージの書かれた位置に関する手がかりは目からウロコでした。
    2編目、3編目は特筆すべきところはなく、収まりの良い小粒な短編。
    本書の目玉は何と言っても表題作での、犯人特定に関するロジックでしょう。正直、事件に対しての文量が多すぎるきらいはありますが、読者が勘繰ってしまうような符号を、転倒させたようなロジックで、一分の狂いもなく犯人を特定する様は、理論を標榜とする氏のスタイルの一つの到達点ではないでしょうか。
    短編集として評価するなら☆3が妥当でしょう。

  • 150721読了。
    表題作のロジックは、さすが。
    ただ、校正ミスなのか、そぐわない一文が入ってる。
    他のも楽しめた。

  • スイス時計の純度100%ロジックに完敗

  • 現在出版されてる国名シリーズはこれで全て読んでしまった。
    寂しい。

  • やったね!こうでなくっちゃ ^^¥
    「新本格」の面目躍如。

    ダイイングメッセージ。首なし死体。密室もの。
    最後の1編は雪の足跡か嵐の山荘か・・・と思ったら、
    なんと直球ストレート、

    名探偵 みんな集めて さてと言い

    理詰めのフーダニットだよ。
    大変よくできました。

  • 再読した。やはり初読のときと同じく、名著の印象は揺るがない。
    これほどまでに論理的な、そして論理の快楽を味わえる小説って、なかなかない。極めて稀だと思う。
    直球ど真ん中、超剛速球の本格推理小説。推理小説好きならすべからく読むべし。

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二年に一度開かれていた"同窓会"の当日、メンバーの一人が殺され、被害者のはめていた腕時計が消失!いったいなぜか…。火村の示した間然するところのない推理に「犯人」が最後に明かした「動機」とは。表題作ほか謎解きの醍醐味が堪能できる超絶の全4篇。ご存じ国名シリーズ第7弾。

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