BT’63(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062754132

作品紹介・あらすじ

「物語」のすべてが Back To
現代から過去へ 父から息子へ
記憶の鍵 喪失と再生 崩壊する家庭

父が遺した謎の鍵を手にすると、大間木琢磨の視界に広がるのは、40年前の風景だった。若き日の父・史郎が体験した運送会社での新事業開発、秘められた恋……。だが、凶暴な深い闇が史郎に迫っていた。心を病み妻に去られた琢磨は自らの再生をかけ、現代に残る父の足跡を調べる――。父と息子の感動長編。

感想・レビュー・書評

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  • 上下読み終わりました。
    ドラマ「ハヤブサ消防団」の原作が読みたいけど、ドラマがまだ終わっていないから読めない‼️そのフラストレーションを解消すべく、池井戸作品の中から同じくミステリー要素の強い本作品に手を出しました。

    自分は本当に自分なのだろうか?
    主人公の不安を体感させるように、読者は詳しい説明もなく、物語の中に突き落とされます。あまりの先の見えなさに、少しページをめくるのが辛くなっていたのが、いつの間にか先が気になってどんどん読み進めていました。
    池井戸さんらしい銀行とのやり取り、会社の経営など、現実味がある部分と、まるで漫画のような部分がうまく混ざり合わず、陳腐になってしまっている箇所もありましたが、最後まで面白く読みました

  • 40年前への旅の一冊。

    心を病んだ主人公の琢磨。
    ある日、亡き父の遺品に触れた途端、40年前の過去への扉が開いた!
    掴みはオッケー、面白い!

    果たして彼は若き日のどんな父の姿を見るのか。ごく自然にいざなわれる父の視線を通して広がる光景は仕事への情熱、日常と、ごく当たり前の姿と心情に心を持っていかれる展開だ。

    特に父が傾きかけた運送会社で新事業開発に携わる過程からぐんぐん面白くなり、その傍らでドライバー達を取り巻く闇の仕事も浮上する。

    この処理場、かなりヤバい。闇はどう絡むのか、ドキドキを携え下巻へ。

  • 面白かった
    ファンタジックなタイムトラベルもの
    池井戸さんのビジネスミステリーとは一線を画す物語

    上巻では、
    心を病んで仕事をやめ、妻とも別れ、失意の状態で過ごす琢磨。ある日、父が残した謎のカギを手にすると、40年前の時代にタイムスリップ。
    そこでは、若き父親の史郎が相馬運送で働く姿。史郎を通して、体験する父親の奮闘ぶり。
    経理の仕事の傍ら、新規事業の開発、さらに、DVの男から匿った鏡子とその娘可奈子と暮らす父親。

    現在から史郎の生きていた時代に何が起きていたいのかを探る琢磨と当時を生きる史郎。その二つの視点で物語が語られていきます。

    史郎の時代には、様々な闇が語られています。
    BT(ボンネットトラック)21号に関連して、事件が..
    当時ならとてもありそうな感じ

    どうなるどうなる?
    っと下巻に続きます。

  • 待ちに待ってAudible登場
    宅配便黎明期のお話。
    ではあるが、亡き父の時代にタイムスリップ、メンタル療養三年目の焦り、元妻との離婚、呪われたトラック。なんだか不穏な空気ばかりが漂う。あれっ、池井戸潤を読んでたんだよな?と何度も確認したくなった。

    私も父が早逝し、育児や仕事上の悩みについて交流する間もなく、家族に対する想いを知ることも叶わなかった。なんならニートしてる間に旅立ってしまった。後悔、ずっとそう思ってきたが、今はすこし違う。父の享年に近づくにつれ、ようやく成長した(ほんとか?)その姿を見せたい。その一点においてのみ、しかし深く共感しながら読んでいる。

    ぶ厚いハンカチをしっかり用意して下巻に臨む。

  • 半沢直樹シリーズなど一連の池井戸潤作品とは全くことなった雰囲気を持つ作品だ。まだ前半を読み終えたところだか、ミステリー小説としての面白さがある。後半が楽しみ。

  • 父が残した謎の鍵、
    その鍵を手にした途端、大間木琢磨は、40年前の時代にタイムスリップしていた。
    そこにいたのは、若き父・史郎の姿であった。

    小さな運送会社で、社運をかけて父が進める新しい事業。しかし、凶暴な闇が、ヒタヒタと父に迫っていた。

    現代で、心の病いから、妻に去られて意気消沈していた琢磨は、父の足跡を調べる。
    そこには、驚愕の過去が秘められていた。

    父と息子の歴史はどうなるのか?
    下巻へ続く。

  • 面白い。池井戸作品はあまり読んだことがなく、空飛ぶタイヤに続いて2作目。タイムトラベラー的なお話で面白かった。後半は一気よみ。過去戦後の時代のお話だから、車の古い車種やタバコの銘柄なんかもでてきて、調べながら想像膨らまして読むのが楽しかった。

  • なんなのー!今までの池井戸作品と違う。
    池井戸さんにどっぷり浸かっている友人より回ってきた本。
    怖くてついつい皆さんのレビューをチラチラ見てしまう。
    BTってボンネット・トラックの略なのか!
    ちょっと「1Q84」と重ねてしまったのは私だけか。

    仕事のストレスから精神を病んだ琢磨。治ったと言われたものの、仕事も妻も失いぼんやりとした日々を過ごす。
    ある日、亡くなった父が仕舞いこんだ荷物を見つけた琢磨。その中には母も知らない父の過去の遺物が入っていた。
    それを手にしたとき、現代の琢磨と過去の父が交差する。

    琢磨の不安定さ、BTの不穏な空気、鏡子に忍び寄る暴力夫、暗い組織の暗躍、下田の隠し金300万の行方、相馬運送に迫る危機。
    琢磨の時代に結果が出ている出来事もあり、どうしてそんなことに?っていうドキドキ。
    なにもかも不安。描写も気持ちが悪い。
    なんなのー。

  • 勧善懲悪でもないし、スカッともしないし、時代背景も暗いし、荒唐無稽だし、兎に角 池井戸潤らしくない小説。うーん、人に過去の出来事を鮮明に見せる事ができる「トラック」っていうのがちょっと設定上に無理ある。

  • 池井戸潤のSF?って、あまり馴染まない感じがするけども、面白い。上巻ではなぜ、BT21?題名はBT63。なぞのまま、上巻が終わってしまった。下巻もすぐ読んじゃうだろうね。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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