文庫版 今昔続百鬼 雲 〈多々良先生行状記〉 (講談社文庫)

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著者 : 京極夏彦
  • 講談社 (2006年6月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (770ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062754200

文庫版 今昔続百鬼 雲 〈多々良先生行状記〉 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ★3.5
    再読。京極堂シリーズ本編に登場した多々良先生はそれなりに常識人だと思っていたけれど、沼上さんといる時の傍若無人っぷりがとんでもなかった…!沼上さんが常に怒っているのも至極納得。が、そんな多々良先生に振り回されながらも、結局は沼上さんも多々良先生を受け入れていて、傍から見ていると凸凹コンビな二人がこの上なく楽しい。そして、多々良先生の妖怪思考による偶然の事件解決にも笑ってしまう。全4篇の内、京極堂の登場は最後の「古庫裏婆」のみで、多々良先生との出会いが綴られる。ついでに、解剖大好き里村も登場。

  • ひっさしぶりに、面白かった!京極夏彦の百鬼夜行シリーズは第一作「姑獲鳥の夏」に始まって、「女郎蜘蛛の理」までの五大長編で実質的に終わりなのかと思っていたけど。まさかあの地味なサブキャラ、多々良勝五郎先生をフィーチャーして、これほど密度のある妖怪風土ミステリーの作品集を編み上げることができるとは。
    シリーズの第6長編「塗仏の宴」を読んで失望した人にこそ、この短編集は躊躇なくお薦めできます。いやむしろここにこそ、本来の京極夏彦の筆致があるといっていいと思う。いたずらに怖くない、しかし怖い。あらゆる局面に地域性や風土性の裏打ちがあって、じっとりと纏わり付き、迫ってくる。地に足の付いた、本物のミステリーホラー小説、なのです。

  • 多々良よりも沼上にイライラさせられた。
    自分と同レベルの妖怪バカがいてくれるからこそ旅ができるんだから多々良の性格が酷いくらい多めに見なさいよ、と。彼だって富美さんからの扱われ方から考えるに多々良さえいなきゃラクに旅ができるというほどのしっかり者ではないみたいだし。
    そもそも妖怪関連の本を貪り読んで妖怪欲?を発散させるという選択肢だってあるのに、多々良の旅を選んでいるのは彼自身だよね?
    多々良の性格が常人離れしてるから沼上が苦労人に見えるだけ。彼の苦労は突き詰めれば自己責任。雪絵みたいなもん。

    それにしてもレギュラー女性登場人物がまた美少女でガッカリ。1人くらい醜女のメインキャラがいてもいいと思うんだけどなー。男キャラは美形なんてほとんどいないのに。

  • やだ。こんな我が儘にして偏屈なお調子者で、デブで器量も悪いセンセイと付き合いたくないし、ましてや一緒に旅行なんてゴメンだ。でもおもしろい。元来建築が専門で理工系に造詣深いのに、妖怪狂いの民族学者である多々良センセイ。そんな彼を疎ましいとぼやきながら、フィールドワークと称する行き当たりばったりの貧困旅行に付き添う沼上君。二人はセンセイのお宝本・鳥山石燕の『畫圖百鬼夜行』に登場する妖怪が現出したかと思わせる事件に重ねて遭遇する。そして、センセイの博学なれどピント外れでトンチンカンな推理が始まる。推理というより無責任な思いつきを口にしているんだけなんだけど、あたかも道理が通ったかのような偶然的解決を見てしまう。これが愉快。もっとも、京極堂との出会いとなった事件の妖怪「古庫裏婆」は本物だった。京極堂にしては淡白な救済劇だったけど、ここじゃ彼でさえワキ役だからね。

  •  頑固+頑固で読むのが少ししんどかった。主観によってキャラクターの見え方が違うのは楽しいんだけど、この調子で続刊出たら読めるかなぁ……という感じ。もうすこし静かな目線からふたりを見てみたいなあと思った。

  • (2015/05/30読了)

    自称妖怪研究家の多々良勝五郎とその助手?との名コンビ二人による冒険譚、というか珍道中物語。センセイのぶっ飛び具合は榎木津に負けず劣らずいい勝負。語り手の沼上のツッコミや指摘がイチイチ面白い。本書の内容がミステリーとして面白いのは勿論、マイナーな妖怪をしっかり研究し、かつ本書ストーリーと合わせて解読しているところは本当に凄い。

  • ひさしぶりにこのシリーズを読んだ。とはいっても、主人公は副題にもあるとおり「センセイ」こと多々良勝五郎と、「俺」こと沼上蓮次であり、おなじみのあのキャラクターたちは登場しない……と思いきや、最後の最後であの人が登場。うれしかったことはいうまでもない。ただ、いつものキャラクターに頼らなくても、今回の主人公2人も負けず劣らず個性的で、今後のシリーズ本篇にも登場してほしいと思う。もちろん、本作はキャラクター小説ではなくいちおう推理小説なので、筋書もハッキリしている。やたら衒学的な部分などもすこしも変わっていないが、妖怪智識と事件がうまくリンクさせてあるあたりはさすがにおもしろく読ませる。最初はこのシリーズの短篇集は省こうかと思っていたが、読んでよかった。さて、シリーズの次作はいよいよ『陰摩羅鬼の瑕』である。そうはいっても、やはり長篇を読めるのはうれしい。すぐに次作を読むことはないだろうが、本作の主人公たちがふたたび登場するのかどうかも含めて、次作を楽しみにしたいと思う。

  • 京極堂メインとも、榎木津メインともまた違った雰囲気。語り口が軽快で読みやすい。

  • やはり最後の古庫裏婆が一番読み応えありましたね。
    なんといってもあの人が出てきますし(*´艸`*)

    他のお話も面白かったんですが、やっぱりあの人には敵わない。

  • このシリーズで「俺は~。俺が~」は初じゃないでしょうか?初対面の何か知らん人に「俺」って言われるのは嫌いです。なので沼上は嫌い。それに愚痴ばっかり言うし。 多々良先生のイメージは『塗仏の宴』の時と比べて何か違う気がしました。目的地まで直線距離で行くって男塾出身者か!? どこにでも駆けつけてくれる富美ちゃんはカワイイので好き。 京極堂が登場する『古庫裏婆』が好き。その他の事件は同じ様な解決の仕方なので飽きます。でも、そこがこの作品の売りやと思うので否定はしません。

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