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- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062756464
感想・レビュー・書評
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司馬遼太郎の短編七作品集。
全部忍者モノの話かと思いきや、この中の3つだけで他は違う題材。
総じて面白い。
そもそも、忍者話を読もうと思って読み始めたけど
なんやかんやでそこではない話(天明の絵師、けろりの道頓)が個人的にはとても良かった
道頓堀って道頓が作ってた堀だから道頓堀とな…と
また新たなことを学んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
京都画壇四条派の呉春を題材にした短編(『天明の絵師』)が目当てで読みましたが、それよりも、長沢蘆雪が主人公の作品(『蘆雪を殺す』)が入ってたことにびっくりしました。
何より、両作とも軽く四、五十年前の作品のはずなのに、つい最近「発見」されたはずの「奇想画の系譜」のイメージにぴったりの人物造形っていうのが凄いです。
道頓堀の由来が「道頓さん」というのも初めて知って面白かった(『けろりの道頓』)。しかも、構想は太閤だけど、実現は完全に民間有志って、いかにも古き良き「大坂」って感じで素敵。
前半三作の忍術活劇、夢枕獏かと思わる『外法仏』とバラエティ豊かで一粒で何度もおいしい一冊です。