新装版 天璋院篤姫(下) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062756853

作品紹介・あらすじ

2008年大河ドラマ「篤姫」原作
大奥3000人を率い、皇妹和宮を迎えた篤姫の矜持。

将軍家定の急死、継嗣をめぐる幕府内の対立、養父斉彬の死。篤姫は、家定との結婚が斉彬の遠大な野望であったことを知り慄然とする。天璋院となったのちも総帥として大奥を統(す)べ、皇妹和宮の降嫁、大政奉還等、激動の幕末を徳川家の人間として徳川宗家のために生き抜いた篤姫の偉大な生涯を描いた歴史長編。

感想・レビュー・書評

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  • 本作の内容は、次のとおり。(コピペです)

    2008年大河ドラマ「篤姫」原作
    大奥3000人を率い、皇妹和宮を迎えた篤姫の矜持。

    将軍家定の急死、継嗣をめぐる幕府内の対立、養父斉彬の死。篤姫は、家定との結婚が斉彬の遠大な野望であったことを知り慄然とする。天璋院となったのちも総帥として大奥を統(す)べ、皇妹和宮の降嫁、大政奉還等、激動の幕末を徳川家の人間として徳川宗家のために生き抜いた篤姫の偉大な生涯を描いた歴史長編。


    本作は、2008年の『NHK大河ドラマ』だったとのことですが、私は見ていません。
    『NHK大河ドラマ』、見る年は最初から最後まで見ますが、見ない年は見ませんね。
    ここ数年は、見ていません。

    そういうわけで、篤姫という人物については、全く知らなかったので、興味深く読み進めました。

  • 宮尾篤姫、とてもカッコよかった。
    生き方に、古いも新しいもないと思った。

    林真理子の宮尾登美子評を載せておく。
    「宮尾さんの本の魅力を一言で表現すると、『元をとれる!』ということであろう。下品な表現であるが、最近の本にいちばん欠けているのはこの充実感だと私は思う。活字スカスカの、つまらぬ純文学の本を読んだ後、『金を返せ』という気分になったことはないだろうか。宮尾さんの本は濃く、熱く、中身がぎっしりと詰まっている。日本の女の遺伝子を心地よく刺激するのだ」

  • 面白かった
    激動の幕末を生き抜いた十三代将軍家定の妻篤姫の生涯を描いた作品

    下巻では、

    将軍家定の急死。しかし、直接見舞うこともその死亡も確認することができないもどかしさ。
    これが、大奥、将軍家ということでしょうか..

    そして、天璋院として大奥を仕切っていくことに。
    十四代将軍は家茂となり、その正室には天皇の妹の和宮。
    しかし、この結婚にはさまざまな条件が..

    公家方式で暮らそうとする和宮、徳川家としてふるまってほしいと願う天璋院。
    身分の違いも絡んでどろどろに(笑)
    この嫁姑の確執がとてもリアルに伝わってきます。
    さらには大奥の中も公家派と徳川派
    そんな中、徳川に尽くすという篤姫の幾多の苦悩が描かれます。

    そしていよいよ戊辰戦争、明治維新へ

    大奥を追われながらも、徳川宗家を守ります。
    さらに、あれほど確執のあった和宮とも最後は関係を修復。
    最後まで、もののふとしての矜持をもって篤姫は48歳まで生き抜きます。

    ほんと、すごい人だったのね。

    とってもお勧め!

  • 篤姫が島津家から将軍家に嫁いで1年7カ月後、家定の急死によって天璋院となり、継嗣問題で幕府内の権勢争いに呑み込まれていく。養父斉彬の死、皇妹和宮の第十四代将軍・家茂への降嫁、安政の大獄と桜田門外の変、家茂の急逝、德川最後の将軍・慶喜の大政奉還、江戸城明け渡し・・・激動の幕末を徳川家の人間として、男社会生き抜いた篤姫の不屈の生涯が語られた圧巻の歴史小説。

  • 篤姫の生涯がずっしりとくる。
    女の世界で生きる強さ、徳川の存続を男さながら闘う。
    篤姫の生き様は今でも手本となる。

  • 幕末という激動の時代を徳川家の人間として生き抜いた篤姫の話。
    終始、自分は徳川家の人間だから、嫁ぎ先の家が終焉の地だから、と誰よりも徳川家を想い守ろうとする姿勢は武士よりも武士であると感じた。
    (京都に戻りたい和宮との対比でもあると思うけど)
    家を思うが故の和宮との確執にハラハラしたが、倒幕後は打ち解けたようでホッとしました。
    自分の意思を曲げず女だからと臆せず主張し、また周りへ気遣いもできるところから、いろんな人に慕われるのは確かに頷ける。
    篤姫の人生を篤姫の気持ちは状況含めて読んでいたので、波乱の人生だったなと感じるとともに倒幕後は篤姫と同じようにゆったりとした気持ちになれたし情景がよく浮かんだ。

    とてもよかったです。

  • 「幕末」という時勢をここ数年シバさんの色眼鏡でみ過ぎた自分にとって、その行為を否定する気にもなれないが危うさも感じ始めてはいた。そんな中出会えた本書、全く違った視点を与えてくれたことに感謝の念は自然と厚くなる。

    国が転覆しかねないその時期に何を小さなことを言っている!と叫びたくなる場面も多々あれば、その国政を任せる人々の人格や品性といったものを抜いて話をするわけにもいかないではないかという側の言い分も伝わってくる。昨今の政治家が自らの短慮によって自らの身を滅ぼしている姿を見聞きするのに同期してそうした部分も響いてくる。

    国には様々な国民がいてそれぞれの理想や幸せをすべて叶えることはなかなかもって難しい、ただそうした制約のもとで最大公約数を達成するのがその運営主の腕のみせどころなのだというようなことを改めて考えさせられたりした。

    生身の歴史はやはりハッピーエンドばかりではないけれど、そこから学び取れることはいろんな形で転がっている。

    継続したい、力となるまで。

  • 上巻も同様で、途中説明文みたいになってて読み進めるのに手間取りはした…

    しかし終盤の怒涛の変化で一気に盛り上がり余韻を残しながらラストに向かう描写は素晴らしい。

  • 下巻。

    いきなり家定さま薨去…
    家茂と、その嫁をめぐる葛藤。
    自分より身分の高い嫁との軋轢などなかなか大変なことがたくさん。
    天璋院を見ていると、我慢とか耐え忍ぶという言葉が浮かんでくる。
    京方江戸方に分かれての戦いを、大奥の総帥として纏め上げる苦悩…。
    大変だったろうなあ。この作品は全編通して天璋院がかっこいい。
    この作品について宮尾さんは「天璋院礼讃」と言っているけど、まさにそう。
    女の悲しみとか女の強さとか、政治の駒になりつつも自分らしく生きていくすばらしさを天璋院が教えてくれるような気がします。

    あ、そういえば大河では最後に忠敬とお幸に会えるシーンがありますが、それはここではないですね。現実的にも難しかったのではと思います。
    だから大河は、ご都合主義的でもあるけど、「救い」として、二人に再び会えたのかな。ほんと現実的じゃないけど、でもいい「フィクション」だったかな、と。
    だって史実では会えない。亡くなる前、天璋院は初めての旅行を計画しており、それがたしか薩摩だったはず。江戸城という牢から出て、(牢という言い方が正しいのか分からないけど)ようやく自分の好きなことを出来るかと思っていたところに突然、死が訪れた。かなしい。だからせめて「会えた」とすることが救いになったんじゃないかと思うんですよねー。
    あと「慶喜擁立」についても大河は御台所にするために養子にして、その後斉昭をうまく操縦するために(?)慶喜擁立を唱える…みたいな流れに大河ではなってた(様な気がする)んですが、それはたぶん最近の定説に沿ってますね。斉彬が慶喜擁立を唱える以前に、天璋院は斉彬の養子になってますから、「慶喜擁立のための養子縁組」では順序が逆ですからね。原作は昭和59年とかなので今と定説が違っていたのでしょう。

    • mkt99さん
      返信いただきありがとうございます!
      えー!?家定はあんまり出てこないのですかー。それは意外でした・・・。そうならラブラブシーンなんかもないで...
      返信いただきありがとうございます!
      えー!?家定はあんまり出てこないのですかー。それは意外でした・・・。そうならラブラブシーンなんかもないですよね。(笑)アヒルも無しですか。(笑)家定のアヒルおっかけと家斉のカニつぶしは、徳川将軍家では割と有名な話だと思っていたんですけど・・・。(^_^;
      お幸とは本当はこっそり会っていれば良いですね。(^o^)
      やっぱり和宮との嫁姑争いはあったのでしょうね?ドラマではどっちが立場が上か?みたいな争いをしていましたが、本当のところは天璋院の方が上なんでしょうかね。
      あと、ドラマでは稲森いずみさんの滝山が良かったです。(^o^)
      2012/09/15
    • ブリジットさん
      アヒルおっかける殿様は直接的なシーンとしてはなかったと…思います!こんな噂が、みたいな話はありましたが(たぶん!)

      原作の天璋院は大河ほど...
      アヒルおっかける殿様は直接的なシーンとしてはなかったと…思います!こんな噂が、みたいな話はありましたが(たぶん!)

      原作の天璋院は大河ほど好き勝手に動き回るタイプではないので(むしろ考え込む口数の少ないタイプ)あんなに表面的に言い合ったりという描写はなかったです。周りが、江戸方京方できいきい言ってるのを諌めて、冷静に対応してます。忍耐!という感じ。リーダーですね。いや、ボスかな。絶対的な信頼を得ている女性です。大河では…うーん、なぜみんながそこまで彼女を信頼できるのかわからないですが、こちらではそれも然りと思えます。

      滝川さま良かったですよね~~
      私はドラマの本寿院さま好きです(笑)かわいい
      2012/09/16
    • mkt99さん
      現在に伝わっている天璋院の写真をみたことがありますが、まさに口数は少なそうですが意思が強そうなボスタイプにみえました。(笑)
      逆に、ぽんぽん...
      現在に伝わっている天璋院の写真をみたことがありますが、まさに口数は少なそうですが意思が強そうなボスタイプにみえました。(笑)
      逆に、ぽんぽん飛び回る宮崎あおいのキャラとはギャップがあって・・・。(>_<)確かにドラマではなぜ滝山をはじめ大奥の信頼を得たのだっけかな?という疑問はありましたね~。
      そういえば、小松帯刀との関係も描かれていましたが、あれもフィクションなんでしょうね?ドラマでは囲碁シーンをお約束にしていましたが、少々やり過ぎ感も・・・。(笑)
      2012/09/16
  • ‪天璋院篤姫の物語。大河ドラマ原作。地の文がやや説明的な感じがしましたが、考えてみれば篤姫は基本的に江戸城から出ていない人なのでそうなりますよね。‬
    ‪移動のほぼ無い人物についてここまで書ききるというのは、すごいことだなと思いました。‬

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著者プロフィール

1926年高知県生まれ。『櫂』で太宰治賞、『寒椿』で女流文学賞、『一絃の琴』で直木賞、『序の舞』で吉川英治文学賞受賞。おもな著作に『陽暉楼』『錦』など。2014年没。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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