黄昏の百合の骨 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062756945

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  • 71冊目『黄昏の百合の骨』(恩田陸 著、2007年4月、講談社)
    謎の女子高生・水野理瀬の活躍を描く、通称「理瀬シリーズ」に連なる一冊。『麦の海に沈む果実』のその後が描かれており、16歳になった理瀬が「魔女の家」と呼ばれる屋敷の謎に迫る。
    どことなく『三月は深き紅の淵を』の第三章に似た手触りを持った作品。
    全編を通して醸し出される不穏な空気感は素晴らしいのだが、キャラクターの設定が少々幼稚。終盤の展開は突飛すぎて、正直肩透かしを喰らった。

    「夜の底に百合の香りが漂っている。」

  • 祖母の死の謎、遺言の謎、梨南子・梨耶子姉妹の謎、そして級友の失踪の謎。

    理瀬は意外と隙がある。

  • 百合の花言葉は、純粋無垢。
    その由来は、キリスト教にまつわる話がいくつか挙げられている。
    祖母が理瀬を白百合荘へ来させたのは、純粋無垢だった昔の理瀬との訣別を意味していたのではないだろか。
    白百合荘を潰すことにより、理瀬を「こちら側」の世界へ誘った。
    そして、雅雪と二十六聖人へ行くのは、理瀬の願望のようにも見える。
    色々なメタファーがボディーブローのように効いてきて、無駄なところがなく色々なところに秘密が張り巡らされた物語だった。
    ただ、一つ気になったのは稔の用意のよさ。
    勤務医がわざわざ鎮静剤や注射器を持参するだろうか。激務のなか、あそこまで休みを取り続けられるものなのか。

  • 少し大人になった理瀬。
    ミステリー要素もより強く、最後まで展開が読めなかったなぁ。
    理瀬もそうだけど朋子もここに出てくる女性たちも。
    女というのは怖くもあり…

  • 序盤の、古い小説のような描写に戸惑った。
    霧が晴れるように、現代っぽい書き方に変わったが、勿体ぶった感じが好きになれない。

  • 理瀬が大人になった、いやこれが本来の性格なのか。
    包丁持ってくるところは凄くゾクッとした

  • シリーズ?ものだったみたい。
    三月は〜は読んだけど不思議系だった気がする。

  • 人間のドロドロした闇の部分が書かれてる。
    ちょっとしたきっかけで、信じられなくなるし、信じてたら裏切られる。
    まさにそんな感じがした。

  • 祖母が残した遺言に従い、長崎にある祖母の家で血の繋がらない叔母たちと同居することになった理瀬。叔母たちに監視されながらも、従兄弟たちと共に祖母が隠した「ジュピター」の謎を探る。そんななか、とある嵐の夜に友人の朋子に想いを寄せる男子生徒が行方不明になってしまう。


    再読。〈理瀬シリーズ〉の新作長篇が17年ぶりにでるというので、前作に当たる本書を読み直した。
    「おばあちゃんちから物騒なものが見つかる」ことしか覚えてなかったが、それも然もありなんというこじんまりとした作品。年始に恩田作品をまとめ読みしたので共通アイデアを流用した作品が思い浮かぶようになっちゃったけど、本作はちゃんと回収されているほう。梨南子のオチはなんだかな〜と思うけど。
    新作では理瀬が成人しているらしい。だんだん憂理が亡くなる年齢に近づいているのだなと思ったが、必ずしも『黒と茶〜』の未来に続いているとも限らないのかな。

  • 「百合」のタイトルに惑わされ
    「百合」なん?って思ってたら、思った以上にミステリでした
    恩田陸はどんな球で来るかわからんので要注意な一冊でした

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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