チルドレン (講談社文庫)

  • 23504人登録
  • 3.85評価
    • (2471)
    • (3475)
    • (3327)
    • (257)
    • (34)
  • 2233レビュー
著者 : 伊坂幸太郎
  • 講談社 (2007年5月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757249

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
宮部 みゆき
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

チルドレン (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 再読です。

    日常系のミステリー。登場人物がみんな魅力的です。

    陣内の根拠のあるようなないようなわからない自信がおもしろいようなかっこいいような…(笑)
    盲目の永瀬が通りすがりのおばさんにお金をもらった時に、ずるいと激怒し、お前はラッキーだなと本気で羨ましがっている姿が清々しくてよかった。

    家裁の調査官の仕事は奇跡を起こすこと、大人がかっこよければ子どもはグレない…など、シンプルだけど妙に言い得ている台詞にはっとさせられます。

    最後の「イン」の陣内の行動ですべてのお話が繋がり、からっとした笑い声をあげたくなります。永瀬の独白、日向ぼっこをしているようなあたたかい気持ちで読み終えました。

  • この言葉には大変申し訳ないのですが…
    『絶対』という言葉が『陣内』に見えてしまう。

    なんと厚かましくて、インチキくさくて、高慢で
    鼻持ちならない言葉なんだろうと
    気を付けて扱わないといけないと気を引き締めても
    その裏にある思いもよらない鋭さや真っ直ぐさや広さに
    口をあけたまま引き寄せられてしまうんです。

    『絶対』も『陣内』も魅力ありすぎです。

    伊坂さんの『サブマリン』が読みたくて
    こちらの続編ということで手に取りました。

    陣内の放つひとこと。
    「世の中のことには全部興味があるからな」は
    伊坂さん自身のことではないかと思っちゃいます。
    そしてずっとずっと、そうあってほしいとも。

    続けて続編が読める私の今の状況。
    永瀬のように、私も感じます。
    すごい特別な時間なんだと!!
    この特別ができる限り長く続くことを切望します。

  • 伊坂幸太郎には珍しい短編集。
    それぞれの物語の進んでいた時は異なるが、一貫して「陣内」という男が登場する。
    その男は、絶対という言葉を使う奴は信じられないと言いながら、簡単に絶対と言い切り、即座にその言葉を撤回する。こんな自分勝手な変わった人はいないと思う。しかし、彼は彼なりの正義を貫き、他人に流されることなく、常に何かに向き合い、闘っている。その姿は、つまらないことにかっこをつけているよりも、とてもすがすがしくて、見ていて勇気をもらえる。
    目の見えない永瀬という友達に陣内が言い放った言葉が忘れられない。ふとした時に、永瀬は全盲であることから人に哀れみを受けて特別視させることがあった。そのときには、陣内は必ず、「ふざけんじゃねえ。お前だけが特別だと思うなよ!」と怒るのだ。当然周りは、一瞬当惑するが、陣内はお構いないしだ。一見、陣内の性格からすると、後先を考えず配慮に欠けた言葉を言っているようにも感じるし、否定できないだろう。しかし、この陣内の一言から、永瀬は全盲である自分を一人の人として対等に扱っていることに、他の人との違いを感じて、安堵の気持ちを覚える。
    陣内は、一般常識を身にまとわずに、自身の感性に素直に、人と向き合う。
    その姿は、どこか冷めた、都会に暮らす現代人にはない、一つの勇敢な生き方があると感じた。

  • 痛快な男。陣内。

  • 自分なりのルールを曲げない男はかっこいい。
    けどそれって周囲の人間からすればかなり厄介な事であったりもする。

    自由すぎて周りを困らせる陣内。
    けれどその行動にはきちんと理由がある。
    誰に何と言われようと、彼は自分のルールに従って生きる。
    都合によっては時々それさえも捻じ曲げる場合があるようだけど。
    その不器用さには大いに母性本能をくすぐられる。
    でもたぶん本人はそんなこと望んでないんだろうな。

    大人がカッコよけりゃ子供はグレないんだよ。

    確かにそうです。
    身近な大人に失望した時、子供は進むべき方向を見失ってしまうんです。

    一癖も二癖もある伊坂作品の登場人物中でもかなりアクが強くてひねくれた人だと思う。
    現実ではあまりお近づきになりたくないタイプの、愛すべきキャラクター。
    決して恋愛対象ではない、かな…。

  • 短編集のふりをした長編小説。
    時代が前後し、語り手も変わるのだけれど、物語はちゃんと繋がっていて、最後には気持ち良いほどスカッと結ばれる。
    清々しい程の疾走感に、読み終わったあとはしばらく放心状態。心が火照ったまま。
    陣内のぶれない態度とうざったいほどの自信に満ち溢れた言動は、ちょっと一歩引いたところから眺めていたいだけの(実はあんまり関わり合いたくない‥‥笑)周囲の友だちや、私をも無理矢理巻き込んでいく。
    ちょちょっと待って!と声をあげても後の祭り。
    でも、なぜか、私たちはいつのまにか、めちゃくちゃにも思える陣内の魅力にはまり惹かれていた。

    そう。こういう男がきっと奇跡を起こすのだ。

  • 伊坂作品の中では物足りないと感じる人もいるかもしれないけど
    わたしはこの作品が一番好きだ。
    正しいことを「正しい」と言わずに正しいと思わせるこの作品は
    本当にステキだ。

    盲目の永瀬が「かわいそうにねぇ」と通りすがりの婦人にお金をもらった時、
    陣内が怒り狂って「俺もお金が欲しいのにお前だけずるい」と反射的に言い切る。
    話の中では小さな扱いのエピソードだけどここが一番好きだ。

  • この本、伊坂幸太郎さん自身が「短編集のふりをした長編小説です。帯のどこかに“短編集”とあっても信じないでください。」って書かれてるように、語り手が異なる5編の話しで構成されていますが、うまくつながっています。
    陣内を主役として捉えると、スゴく絶妙につながっているし、陣内の魅力(?)がこの物語の中心になるのでしょう。
    で、この本のタイトルにもあるように「チルドレン」=子ども達=少年について語られてるのだと思います。
    子ども達、少年と言っても、高校生くらいの年代ですが…。

    最近読んだ伊坂幸太郎さんの本にあわてみると、「陽気なギャング」シリーズの響野とか、「アヒルと鴨のコインロッカー」の河崎とかとキャラクターが近い陣内を中心に、「アヒルと鴨のコインロッカー」のように、複数の時間を行きつ戻りつする長編小説って感じになります。

    ほんと、上手な作家さんだと思います。

  • おそらく誰から見ても魅力的な陣内。
    そういうキャラクターを作れる作者もスゴいと思う。
    短篇集だが登場人物が全編で絡んでいてある意味長編となっているが、この辺が上手い。
    時系列が逆転し主人公目線が変わる構成なので、何回か前ページに戻って読み直してしまった。

  • テンポ良く進み、読みやすい。

    短編集だが、各話の間で繋がりがある。

    個人的には陣内が非常に好きなので、続編が出てくれないかと期待している。

  • 〜陣内語録〜
    子供は一人きりでいる時は問題なくとも、集団になると歪むやつもいる。子供のことを英語でチャイルドと言うけれど、複数になるとチャイルズじゃなくて、チルドレンだろ。別物になるんだよ。そういう性質なんだ。

    陣内のキャラが最高だった。家庭裁判所ではあらゆる問題を抱えた人に遭遇する。そこの職員となった陣内は驚きの解決策で少年たちを救っていく。意表をつく結末がなんともおもしろい短編集。子どもは親のかっこいい姿を見て生きていく。逆にかっこ悪いところをみると非行に走る。更生という奇跡を起こす拳銃を持った牧師(法律を操った家裁調査官)として陣内は今日も非行少年を救う。

  • 2004年の伊坂幸太郎さんの本。再読。

    僕にとって実は、新刊当時のこの本を読んだのが、初伊坂幸太郎さんだったなあ、という思い出があります。

    そのときに、奇妙な舌触りだったけど、もっとこの人の小説読んでも良いなあ、と思ったのを覚えています。2017年現在から振り返ると13年前。

    連作短編。「陣内」という若い男が全編に登場。
    この「陣内」がむちゃくちゃなことばかり言動する、型破りでロックンロールな、実に小説らしい愉しい人物。
    そして決して、「善玉」でもなければ「人格者」でもない。むしろ傍迷惑な非常識人。そして、特段な特技がある訳でも無い。

    ただ、この「陣内」さんの、非常識な情熱の方向自体は、間違っていない。

    と、いう物語の仕掛け。これがうまく作られています。

    そして、伊坂さんらしい、「現実世界の暴力的な不条理、非道」というベースがあります。
    これだけはどこまで行ってもこの人はブレない。イーストウッドの映画「グラン・トリノ」の世界観。

    それに対して、物語が、小説が、一撃をくらわすための、痛快装置としての型破りな主人公。

    割とその後の(その前も)伊坂さんの娯楽的物語の背骨を作る構造なんですが、押しつけがましくなく、上質なものだと僕は思います。

    その代り連作短編なので、全体に設定とカタルシスのぶん回し方が、ささやかと言えばささやかではありますが。

    「陣内」さんはやがて、家庭裁判所の調査官になります。そして問題のある少年たちと接触していきます。

    問題のある少年たちに対して、金八先生的な取り組みと感動がある訳ではない。そんな簡単な救いを拒絶した向こうに、それでもなんとか物語としての救いと力を感じたいなあ、という風情。
    その力技を作るためには、常識のタガを外せる何か、非情で暴力なシステムを混乱させられる何かが必要だ、ということなのだと思います。

    分析は易し、それを創作するのは才能です。

    「死神シリーズ」など、この傾向のものは、伊坂さんの仕事の中では「定番の印籠、桜吹雪の金さん」のような安定度を誇る娯楽シリーズだと思います。
    その安定とパターンを、好むか好まざるかは読み手によるのでしょう。
    僕は割と、好きです。

  • 短編集だが、家裁調査官の陣内の話でつながっている。WOWWOWドラマWでドラマ化されているようだ。見たいものだ。

  • 「オーデュボンの祈り」「ゴールデンスランバー」に続く伊坂幸太郎作品3作目。

    15年近く前の作品とは思えない。表紙も好み。
    キャラクターが好きで、すぐに続編が読めることが幸せ。

  • 登場人物たちにそれぞれ良さがあって、すぐに入り込める。とても読みやすくて面白かったので好き

  • スカッとする。
    陣内はもちろんのこと永瀬がすごく好き。
    こんなふうになりたいし、こんな人の近くにいたい。
    正直惚れてしまった。
    他のみんなの永瀬との関わり方もすごくいい。

    バンクが1番いいかな。

  • 続編を読むために読み返し。
    陣内というキャラクターをこの世に生んでくれてありがとうという気持ちになりました。
    友達になりたい。

    「『絶対』と言い切れることがひとつもないなんて、生きてる意味がないだろ?」

    生まれつき目が見えない人が少しずつ周りの状況を把握して行く過程を、映像や絵のない小説というフォーマットを通じて読者に追体験させるっていう手法があざやか。

  • 一見、破天荒に見える主人公と取り巻く人々の短編集。家裁の調査員は、奇跡を起こせる。
    サブキャラの盲目の青年とその彼女もいい味を出している。

  • 陣内は最高だよ

  • 「サブマリン」を読む前に再読。
    陣内さん、最高!
    鴨居さんも永瀬さんも武藤さんも優子さんもみんないい!

  • おもしろい!大人が格好良かったら、子どもは…忘れてしまった

  • 「サブマリン」を読み始めたものの、伊坂さんらしくリンクが登場している気がするのに、さっぱり詳細を覚えていないので、復習のために再読。陣内の破壊力は最高だね。自分の身の回りにいると困ると思うけど。構成も素晴らしくて、本当に名作だと思う。

  • 陣内さん最高♪ すぐにサブマリン読みたくなりました。

  • テキトーな理屈で相手を言いくるめている
    陣内さんだけど、時々鋭いことを
    言っている。
    他の人が言ったらちょっと痛いなーという
    言葉も、陣内さんが言うと心に響く。
    陣内さん、かっこいい。

    題名のチルドレン、可愛らしい表紙、短編集と
    いうことで簡単そうにみえるけど、
    考えさせられる話。
    考えさせられるけど、陣内さんの言葉に笑い、
    周りの人の陣内さんに対する言葉に笑い、
    陣内さんの人間性に憧れた。

  • 奇跡です。
    本のテーマも、そしてその出来映えも、『奇跡』としか言い表せません。
    このレビューをご覧になられた方、とにかく買ってください。

    私は伊坂幸太郎作品にはいつも''はっとする瞬間''を求めてきました。目の覚めるような瞬間を求めてきました。伊坂幸太郎作品の大きな特徴である、あの爽快感です。この短編集には全部で五編が掲載されていますが、読めば必ず、少なくとも5回、はっとする瞬間が訪れます。『絶対』です。
    読み終えて感じたのは、「この本に出会う喜びをこれから味わう人が羨ましい!」の一言です。
    2016年3月末には続編の単行本が発売されます。今度は長編書き下ろしとのことです。

全2233件中 1 - 25件を表示

チルドレン (講談社文庫)に関連する談話室の質問

チルドレン (講談社文庫)に関連するまとめ

チルドレン (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

チルドレン (講談社文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

チルドレン (講談社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

チルドレン (講談社文庫)の作品紹介

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々-。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。

チルドレン (講談社文庫)のKindle版

チルドレン (講談社文庫)の単行本

ツイートする