- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062758215
作品紹介・あらすじ
闇に浮かぶ、源三代にまつわる謎の解!
「神は三種類に分類される。まず第一が、大自然。次は祖霊(それい)。最後は、時の朝廷に対して戦い、恨みを呑んで亡くなっていった人々」。銭洗弁天、鶴岡八幡宮、御霊神社……鎌倉をそぞろ歩く奈々、沙織の棚旗姉妹に、桑原崇が説く、源三代にまつわる謎の答えが、そのとき密室で起こった社長失踪事件をも解き明かす!
感想・レビュー・書評
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鎌倉は「神坐(かみくら)」から来ているという説があるが、実は「かまば」(野原で死体を焼く場所)からだって!?7つの切通しの側には葬送の場が設けてあった。宇賀神は弁財天で水辺に関係があり、タタラと結びついている。だから「鋳成り=稲荷」で稲荷神でもある!?しかも五頭龍、牛頭天王、素戔嗚尊と繋がっていく。鎌倉では砂鉄が取れて、そのタタラを行っていたのが鎌倉党であった。鎌倉党を虐げた北条氏は初めから奥州藤原氏を狙っていて、源頼朝はずっと北条氏の傀儡であり、源三代将軍たちやその一派は、用がなくなれば消される運命だった。願いを叶えてくれる神様とは、その願いが叶えられなかった神、人物だった。とまあ、鎌倉のイメージが昏ーくなってしまうようなことを、崇と棚旗姉妹が鎌倉を歩き回りながら、崇がのたまうのだ。殺人事件は出てくるが、崇たちには関係してこないし、鎌倉で起こったということだけだし、トリックもしけーだねえ。
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久々に再読。
埋もれた歴史を知ることができて好きなシリーズ。北条氏は闇が深い。。。
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登場人物は少ない。
棚旗奈々・沙織姉妹、タタルこと桑原崇、そして小松崎。
殺人事件も起きることは起きるが、その謎解きもこの物語においては副次的なものにすぎない。
物語のほとんどは、桑原や奈々たちの会話で成り立っている。
彼らが語るのは、鎌倉という地域の歴史とその背景である。
内容にどこまで信憑性があるかはわからない。
専門的な知識があって読んでいるわけではないし、その真偽は判断のしようもない。
ただ、読んでいてすこぶる面白かった。
鎌倉には何度も足を運んだことがあり、物語に登場する場所にも何ヶ所か実際に行ったことがあった。
物語を読みながら何度も鎌倉の地図を覗き込み、確認し、また続きを読む。
実際の事件の謎解きがあっけないものだっただけに、鎌倉の謎に迫る桑原の解説のためだけに最後まで読んだような感じになってしまった。
知っているようで、実は誰かが意図的に後世に残そうとした歴史しか知らないのでは?
そんな気分にさせてくれる物語だった。 -
今回は鎌倉。
北条氏や源頼朝何かについて話をしながら、鎌倉の街を回っている。
殺人事件とかはどうでもいい。って感じで、ホントおまけ程度。
このQEDで回ったお寺とかのガイドブック作ってくれないかなー。地図付き、ウンチク付きで。
それを片手にお寺周りとかしてみたい。 -
推理小説というよりは、歴史小説といった方がいいかも。殺人はちょろっとついで感がつよかったかな。でも歴史については、新たに知ったこと、思い出したこと、勉強になりました。
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鎌倉、というより、源頼朝の存在がそんな立場だったのか、と切なくなりました。
でも、言われてみればそうも見える。。。というかんじ。
現実事件は今回は不要だったな。
歴史との絡みもあるのか?レベルでした。
あとは、これで妹ちゃんが出てきて2冊目だけど、妹ちゃんはいらないなぁ。雰囲気が壊れるんだよねぇ。 -
『「きみは、この『銭洗弁天』の本質を、全く理解していないね」
「え?」
「『お金を洗う』ということが、一体どういうことなのか?そして『洗うとお金が増える』ということは、何を表しているのか ー ということだ。そしてこれは、鎌倉を理解する上で、とても重要なことになる。」』
「銭を洗う」のではなく「洗うと銭になる」砂鉄が採れたことが、銭洗弁天の起源とか知らないよな〜。
相変わらず面白いな。
京都旅行の道中に『鎌倉の闇』って…。