冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

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著者 : 辻村深月
  • 講談社 (2007年8月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758239

冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ヒロインに自分の名を冠している点、そのヒロインが周りから絶えず気遣われ庇護されている点、ヒロインがすべての原因を引き起こしている点、、、

    色々総括して「気持ち悪い」印象。自己陶酔というかナルシシズムがだだ漏れすぎて、、、胸焼けしそう。おかげで著者お得意の名前遊びや伏線の回収にまで難を付けたくなるような。。

    自分で自分の名を連呼するしゃべり方(梨香)や、男性のようなしゃべり方(景子)にも馴染みがないせいか、登場人物らに好感を持ちにくい。。

    名刺代わりに、、、と書かれているが、名刺にされるのなら「メジャースプーン」や「スロウハイツ」「名前探しの放課後」の方がいいんじゃないかな。本作はデビュー作なのでまだまだ青臭い印象。

  • 辻村深月のデビュー作。すごい!のひと言です。読み始めてすぐに引き込まれ、あっと言う間に読み終えてしまいました。

    登場人物は高校生で、学園ものでもありミステリーでもあり少々のホラー要素を含み(ホラーはあくまでも怖がりな私の主観ですが)、犯人は誰なんだ⁉って、ずーっとドキドキしっぱなしでした。
    途中途中で挟まれる、個々の人物像の掘り下げ方も良くてけっこう泣けますよ。しかも後半になってくると、いろんな所に伏線が散りばめられていた事に気付きさらに泣く事に…。

    辻村さんの作品はダークな中にも愛を感じられてすごく良いです。
    彼女の作品を読むのは三つめですが、すっかりファンになりました。

    せっかくなので、これから読むのは作品発表順に追って行きたいです。

  • 構成が二重三重に凝っていて、それが話の運びに生かされています。
    よく練り上げられていますね。
    前半でやや謎に思った点は、すべてヒントに。
    重い内容ですが、救いがあり、読後感がよくなるように考えてあるのがいいですね。

    このヒロインの名前をペンネームと同じにするとは、痛々しいけれど。
    真摯な気持ちでそうしたのだと思います。

    ネタばれしないで、これ以上書くのは難しいかな‥
    心に食い入るような作品でした。

  • 止まらない、止まらない、止まらない。一気に読んだ。
    わたしは全然推理ができない。だからただあやつられるがままに読んだのだけれど、ラストを読んで、きっちり伏線が引いてあった事が分かって、「くぅー!推理すれば良かった!」と悔しかった。
    ふたつ、みっつと仕掛けがあって、小説ならではのトリックだと思った。
    辻村さんは全ての登場人物をとても魅力的に書く。こんなの、好きにならない方が難しい。

  • またやられた。やられました。
    いつも違和感は感じていて、疑ってかかるのですが、最後はいつもしてやれらます。

    考えてみれば、ヒントはかなり散りばめられているんですよね。
    そして、そのヒントにも何となく気付いて、チェックをしている自分がいる。
    でも、そんな自分の考えをはるかに上回る展開が、いつも待ち受けています。

    辻村深月さんは、しれっと密かに文章に盛り込んでくるので、すごいです。
    本当にさり気ない。


    この物語のメイン人物は、8人の高校生たち。
    物語の軸となるメインストーリーの要所要所に、一人一人にスポットを当てたストーリーが挟まれています。
    その中で、各生徒の過去や、内に秘められたものがどんどん分かっていきます。

    どの子のストーリーも好きです。
    沢山言いたいこともあるし、いろいろと思うところもあります。
    でも、やっぱり・・・うん。
    この物語の中で一番重要なポイントは、「友情」と「個性」だと思っています。

    友達ってなんだろう。
    友達に何をしてあげられるだろう。
    友達だから―。

    自分ってなんなんだろう。
    自分は何がしたいんだろう。
    自分は誰かにとって―。

    きっと誰もが、こんなことを考えてしまうのでしょう。

    こういうことを、校舎の時を止めてしまったあの子は、随分と重く、深く、考えてしまったようです。
    その結果、あの子は勝負に負けることになりましたが、でも大丈夫。
    心強い友達がついていました。

    あの子のまわりは、本当にやさしい人ばかりだなと思います。
    そして、あの子もやさしい。

    ここでいう「やさしさ」が、誰かにとっては「甘さ」になることもあるのでしょう。
    もしかしたら、自己満足なのかもしれない。
    そういった「怖さ」が、「やさしさ」には付き回るものだと思います。

    でも、確かにあの子たちはやさしかった。
    同時に、俺にとっては格好良かった。


    あの子たちが、いつまでも元気でいられますように。
    そして願わくば、みんなの進む道が、明るいものでありますように。

  • 辻村深月のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』を読了。

    辻村深月の作品はこれまでに何作か読了しているが、ようやく今回読むことが出来た。

    辻村作品の登場人物は、他の作品とリンクしていることはファンの間では有名。本作の登場人物も以降の作品に出演したりしている。

    『冷たい校舎の時は止まる』は、高校生8人が校舎から出られなくなり、それには2ヶ月前の学園祭で自殺した名前と顔が思い出せない人物に何か関係があるのでは……という少し不思議な話。青春ミステリの要素もあるが、ちょっとしたホラー表現もあり面白い。ちなみに文庫は上下巻と少々長め。

    必要以上に冗長過ぎる、という意見もちらほら。これは一理あるかもしれない。主な登場人物が高校生8人なのだが、そのひとりひとりのエピソードが描かれている。結果、自然と長くなってしまったのが主な原因だろう。しかし逆に考えれば、しっかり作りこまれた作品だとも言える。これは人によって意見が分かれるだろう。

    ミステリでは滅多に感動する作品にはなかなか出会わないものだ。しかし作風からか、辻村作品にはいつも感動させられる。本作も例に漏れずだった。特にある人物のエピソードはかなり泣けるものがあった。

    読後感も非常に良かった。まだまだ未読の作品も多数あるが、少しずつ読んでいきたいと思っている。

  • それぞれの登場人物について丁寧に掘り下げられていてやや冗長に感じたけれど、それでもとてもおもしろかったです。

    自殺したのが誰かは大体予想がついてしまっていたけれど、どうして榊がいないのか、「ホスト」はどうしてあのメンバーを集めたのか、などは最後まで予想がつかなかったので「こうかな」「ああかな」と思いを巡らせながら読んでいました。

    まさか菅原=榊だったとは……。
    後から考えると確かに、榊の机からタバコのありかを探り当てたり、景子も知らなかったリカの進路希望を知っていたり、菅原=榊をほのめかすエピソードはちらほら見受けられるんですよね。

    ところで菅原=榊だとわかった時に「あれ? てっきり小学校の先生を目指していたのかと……」と思ったけれど、もしかすると自分が救えなかったヒロへの償いもあるのかなあと思いました。

    ヒロのことは助けれられなかったから、せめて相方のヒロ(=博嗣)だけでも自分で見届けたい、みたいなね。

    それで、それを果たすことができるから青南を辞めて本当の希望である小学校教諭を目指した、と。

    そう考えると、榊の話は単品で読んでみたかった気もします。

    榊に限らず、他のキャラクターたちも他の作品で会いたいなあと思いました。

    清水は『光待つ場所へ』に出てきて、それに鷹野もチラッと出てきていたけれど、他の人たちはどうなったんだろうなあ。

  • 解決編となる後半。
    結構、びっくりする。叙述トリックの妙ですね。

    映画化にものすごく向いているストーリーですけど、たぶんむりです(笑) 映像化は相当難しそう。

    たぶん青春時代だからこそ感じることのできる想いとどうやって向き合ってきたか、それを考えさせずにはいられないストーリーでした。

    明るい余韻を保った、ハッピーエンドです。

  • いやー、長かった。上下巻、なかなかのボリュームでしたね。でもその分読み終わった後の達成感は大きい。
    ひとりひとりの自殺への関わりや過去が明らかになり、冷たい校舎の中から消えていく。その代わりにあらわれる、人形や絵。それは一体何を意味するのか。そして、ここを支配している"ホスト"は誰なのか。読めば読むほど先が気になるお話でした。
    私はロードムービーを読んでからこの本を読んだので、この中で本当は誰がいないのか、なんとなく思う人はいたのですが。見事に裏切られましたね笑。
    本当にどの部分も結末にきちんと繋がっている。よく考えられている。たくさんの仕掛けがあきこちにちりばめられ、頑張って"ホスト"を見抜こうとするんですが、ダメです。なかなか当たりませんね。当てられる人がいたなら、本当にすごいと思います笑。

  • 上巻で懸念に思っていたことが、
    まさかまさかと思って読んでたが、そのまさかが当たってしまった。

    誰が苦しみ、誰がそれを救うのか。
    菅原の話はなぜあんなにも長いのか。
    榊はなぜ現れないのか。
    2人のヒロの重要性。

    全ての伏線を回収し、
    全てのキャラクターに命を吹き込む作者の志が伝わってくる。

    自己嫌悪や、自己犠牲という自分の一番嫌いなジャンルにスポットがあたっており、深月には終始イライラした。
    みんなの優しさをフル無視する彼女は一番みんなのことを観れていない。空気の読めない奴。
    甘えに甘え、弱いことを嫌悪する。
    でも、それも作者の作戦。

    でも、その作者自身が辻村深月のため、読んでいての違和感が凄い。
    一気読みできて没頭してしまう良作。

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