夜の小紋 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758307

感想・レビュー・書評

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  • 二年ぶりの再読です。自由に生きることが難しかった江戸時代の女たちが鮮やかに懸命に生きる姿が描かれている優三郎氏お得意の作品。

  • 乙川優三郎は女性を書くのがうまいと評価されている。この短編集にも自分の生き方を貫く女性たちが出てきて、現代を生きる私たちも、迷った時再び手にとってみたい一冊。

  • 「芥火」の文庫版。「夜の小紋」よりも「芥火」のほうが人物が輝いていて好みですが、「夜の小紋」の主人公に顕れる葛藤には同情してしまう。

  • 「屋鳥」の次に好きな短篇集かもしれない。
    女性の生き様がメイン。
    問題そのものは現代とおそらく同じで、それを江戸時代でパッケージすることで本質を描くことができるようになっていると思う。
    文体も優しい。

    現代劇を描く作家が江戸時代に流れていく(宮部みゆきのように)理由が最近わかってきた。
    江戸ものでないと使えない美しいレトリックがあるし、ひとの心そのものを描こうとすると、ひとつむこうがわの世界の江戸は都合がいい。

  • 2012.5.23(水)¥200。
    2012.5.31(木)。

  • どの作品も江戸の香りが感じられる作品群でしたが、尻切れトンボのような終わり方で、読後感としては『ずるい』と感じました。
    そこから先をかくのが作者の責任のような・・・
    なにか事件を起こせというのではないですが、本当にさわりしか描かずに逃げているような印象でした。
    一篇だけならまだしも、一冊を通しての印象がそれなのですから、文体が好きだっただけに残念。
    紫の家・・・だったかな。
    その一篇だけは物語としての形があり、お話もとても素敵でした。なので★3つ。

  • 生きるために生きているって言うような
    芯のある女性の生き方が、小粋だ

  • 長らく待ち望んでいた乙川作品の文庫化です。
    ちょっと期待しすぎたかな。その分、肩透かしを食らった感じで。
    乙川さんらしい、しっとりとした江戸情緒は随所に存在して良いのですが、一方でストーリーが余りに盛り上がりに欠ける気がします。淡々とした情緒が魅力の人ですが、それが行き過ぎてしまった感じです。
    女性を主人公にした作品が多いせいかもしれません。何篇か武家物も織り込まれれば、もう少し違った感触を受けたのかも知れません。

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著者プロフィール

1953年 東京都生れ。96年「藪燕」でオール讀物新人賞を受賞。97年「霧の橋」で時代小説大賞、2001年「五年の梅」で山本周五郎賞、02年「生きる」で直木三十五賞、04年「武家用心集」で中山義秀文学賞、13年「脊梁山脈」で大佛次郎賞、16年「太陽は気を失う」で芸術選奨文部科学大臣賞、17年「ロゴスの市」で島清恋愛文学賞を受賞。

「2022年 『地先』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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