十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758574

感想・レビュー・書評

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  • 直接表すでもなく、比喩するでもなく、理由を並べて説明するでもない。けれど、その1行で全ての真相が明らかになる。
    文章のみの小説だからこそできるこの仕掛けに衝撃を受けました。
    作品を見ることができる映像にとどまらず、作品を体感できるようになっている現代社会において、原始的とも言える本というコンテンツがなくなることがないのはきっとこういう魅力があるからだと気付かされました。

  • 十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を訪れた大学ミステリ研の七人。それを建てた建築家・中村青司が隣の母屋で焼死したといういわくつきの島で、学生たちは連続殺人に巻き込まれていく。これがデビュー作で87年の発表とは思えないほどの瑞々しさ。謎をはらんだ文章を浴びるように飲み込む面白さ。ぼくはミステリがやっぱり好きなんだなと再確認させてくれた一冊。

    アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』をオマージュしつつ、島と本土を切り替えながら現在の事件が進み、過去の事件へと迫っていく構成が上手い。閉鎖された島のミステリに広がりと立体感を与え、多面的な見せ方と仕掛けを施している。それが集約されたあのトリックが明らかになる瞬間の興奮も素晴らしい。あらすじには驚愕の結末とあるけど、ラストよりもあの一言の方が衝撃だった。むしろ、ラストは意外とさらっとして余韻がほんのり残る雰囲気でそれもまたよかった。

    ぼくにとって初の綾辻行人作品。これは確かに面白いなと唸った。文章の相性もよさそうで、館シリーズは少しずつ読み進めてみようかと思う。また、登場人物のニックネームになっている作家たちに手を伸ばすのも楽しそう。ミステリ好きな方にはぜひ一度は読んでみてほしい傑作。

  • 日本ミステリ界で名高く、ずっと読みたいと思っていた本。ネタバレをシャットダウンして26年間生きてきてよかった。
    孤島、奇妙な館、殺人事件の過去…満点の設定に、読んでて怖くて続きを読みたくなるストーリー、ありきたりな殺人事件だと思わせて読者をアッと言わせる結末。殺しの手口や計画の周到さはともかく、読者を驚かせることに主眼を置いているなという感じでした。

    このシリーズの続きもぜひ読みたいと思いました。

  • 「たった一行が世界を変える」の文章に惹かれ購入しました。確かにその行を読んだ時にえ!?と声が出ました。こういう小説ならではの斜述トリック大好きです。実写化されるとのことですが、どのように表現されるのか楽しみな作品です。
    他の館シリーズも読んでみようと思います!

  • 本格ミステリー。登場人物達がニックネームで呼び合う為、最初ちょっと混乱。引き込まれるまでに、少し時間がかかった印象があります。でも、一度引き込まれてからはスゴイ!ありがちな設定なのに、飽きさせない展開で、間の推理バトルというか探り合いも凄く面白かったです。

  • 帯の「一言でひっくり返る」に惹かれて読んでみた。
    そんなことって可能なのかなと思って読み進めてたけど見事にひっくり返された。
    素直に騙されました笑
    前半は少し読み進めるスピードは遅かったけど後半は「ページを捲る手が止まらない」とはこの事かーとなりました笑
    すごい本を読みました!面白かったです!

    • はなさん
      はるさん、フォローしていただき、ありがとうございます。
      『十角館の殺人』私も早く読みたくなりました。
      その他のおすすめ本も参考にさせていただ...
      はるさん、フォローしていただき、ありがとうございます。
      『十角館の殺人』私も早く読みたくなりました。
      その他のおすすめ本も参考にさせていただきます。
      お互い素敵な読書時間を過ごせますように。
      2022/11/11
  • 一行の衝撃が気になって気になって。で、最後にそれが待ち受けているものかと思ったら、あっ、ここか!と。
    結構長く、古い小説だが、今読んでもストレスなく一気に読めた。
    ある離島に合宿に行った7人の男女。そこで1人、また1人と死んでいく。この中に犯人はいるのか。それとも外部の誰かの仕業なのか。
    この物語のキモは、この離島で起こる連続殺人事件に絡めながら、本土で繰り広げられる推理、それから過去に起こった離島での連続殺人事件。
    とにかく読む価値アリの一冊。

  • あっという間の読了。

    思い込みがあり、すっかり騙されてしまった。
    いろいろ犯人を想像していたけど…
    そういう最後が待っているとは。

    ページを巡った瞬間「えっ!そうなの?」と声が出た。
    その瞬間、最初に戻り確認。
    (改めて)そういう事か。。。

    衝撃的な”あの一行"だった!

  • えっと…映画化されるんでしたっけ?
    一体どうやって……??

    と、思っております。

    こんなぁぁぁあに本で読んでどいて良かった!
    と思う本は少ないのではないでしょうか。

    まだ読んでいない人は幸運です(勝手に断言)。
    私もできることなら記憶を消してもう一度貪るように読みたい!
    だってだって面白いんだもん

    もし少しでも気になっているのなら、
    ネタバレは踏まない方がいいです

    私はネタバレ踏まないで読めて死ぬほど良かった!
    と思っております。

    それでは、映画化どうなる?!

    • Mayさん
      実希さん、はじめまして。
      コメント失礼します^ ^

      まさに、映画化!?どうやって!?です!!
      あれをどうやって表現するのか全く想像がつかな...
      実希さん、はじめまして。
      コメント失礼します^ ^

      まさに、映画化!?どうやって!?です!!
      あれをどうやって表現するのか全く想像がつかないと共に、これは絶対小説の方がいいと観ないでも想像できちゃいます!(でも観てみたい…笑)

      共感したので思わずコメントしてしまいました^^;
      2024/03/11
    • 実希さん
      Mayさん

      はじめまして!
      コメントありがとうございます!

      共感してくれる方がいて、とても嬉しいです!
      どうやら、Huluで2024年3...
      Mayさん

      はじめまして!
      コメントありがとうございます!

      共感してくれる方がいて、とても嬉しいです!
      どうやら、Huluで2024年3月22日(明日….!)からドラマ実写化の配信が始まるらしいですよ…!
      (あれ、映画化もあるのかな…ないのかな…?笑)

      めちゃめちゃ気になっているので、
      見てしまうかもしれないです……!
      2024/03/21
    • Mayさん
      実希さん、お返事ありがとうございます♪
      嬉しいです!

      なんと、実写ドラマ化!?余計にどうなるんだろう…ドキドキ。あの一文をどうやって?想像...
      実希さん、お返事ありがとうございます♪
      嬉しいです!

      なんと、実写ドラマ化!?余計にどうなるんだろう…ドキドキ。あの一文をどうやって?想像がつきません笑

      Hulu持ってないのでもし観たらまた感想楽しみにしてます^ ^
      2024/03/21
  • 殺人とか苦手でやっぱり合わないなぁと思いながらも真相が気になって一気読み。眠いです。

    ミステリーって言われるとなんでもかんでも怪しく疑っちゃうね笑

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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