十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758574

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーにはまるきっかけとなった作品。
    緻密に計算された描写によって紡ぎ出される衝撃の展開に脱帽した。
    あだ名が海外チックで覚えにくいのが難点だったが、物語の構成上はやむをえないともいえる。後世に語り継ぎたい作品。

  • 【ミステリーレビュー100冊目】多くの人々をミステリーの沼に引きずり込んだ伝説の一冊 #十角館の殺人

    100冊目レビューの記念は、十角館の殺人にしました。多分再読5回目くらい。

    数々の伝説がある本作、まぁとにかくすごい。
    ・ミステリーは、本作以前、以降として分類される
    ・30年以上前 1987年の作品にも関わらず、いまだに本屋で平積みされる
    ・本書にあこがれてミステリー作家を目指す人、多数

    まだ読んだことが無い人は、これから体験できるなんて、むしろ逆にうらやましい。近代本格ミステリーの基本書です。今すぐ読まないとマジでもったいない。

    あらためて読んでみると、デビュー作なので多少に荒っぽい部分はありますが、しっかり作者の魅力が詰まっています。以下、素晴らしい点をあげさせていただきます。そりゃ面白いっつーの。

    ■構成
    ・島と本土の二構成で組み立てられた物語設計
    ・説明が少なく、場面の切り替えと登場人物のセリフ回しだけでストーリーが変化

    ■ミステリー要素
    ・現場に残された情報、足跡、アリバイなどで読者になぞかけを提示する仕掛け
    ・緊迫した場面での議論、人間関係のやり取り

    ■ホラー要素
    ・読者の不安を掻き立てる感情描写の書きぶり

    ■人物描写
    ・島の面々、本土の面々、全員が魅力あふれる個性的な登場人物

    ■驚き、真相
    ・各章の文末にでてくる、ものの見え方が変化する表現
    ・物語を丸っとひっくり返す、突然やってくる例の一文

    本作は、私をミステリー狂いにさせた一冊です。圧倒的1位で、おそらく今後も変わることはありません。

    感謝とともに、ミステリーに熱中しすぎちゃうんで、どうしてくれるんだとも思っている、そんな作品です。あなたもミステリー沼にハマりましょう。

    • Kaniさん
      こんにちは!

      時計館、良いですね( ´ ▽ ` )
      煩悩の数の時計に囲まれて、、、!!
      何もなくてもソワソワしそうw

      迷路館には絶対住め...
      こんにちは!

      時計館、良いですね( ´ ▽ ` )
      煩悩の数の時計に囲まれて、、、!!
      何もなくてもソワソワしそうw

      迷路館には絶対住めません。
      方向音痴なので、部屋に戻れなくて毎日廊下で寝るハメになりそうですw
      2022/03/04
    • autumn522akiさん
      迷路館は掃除が大変そう。
      いろんなところに埃がたまりそうで。
      迷路館は掃除が大変そう。
      いろんなところに埃がたまりそうで。
      2022/03/04
    • Kaniさん
      笑笑
      確かに!!!
      笑笑
      確かに!!!
      2022/03/04
  • ミステリ小説を手に取りはじめた頃に一度読んだ。この叙述トリックには本当に驚かされたのを覚えてる。ミステリってこんなに面白いのかと深く感銘を受けた作品だった。明らかになった犯人に対しての衝撃は凄まじく、その記憶が蘇ってきたものの今回もとても面白く読み終えることができた。隅々まで想像力を働かすことができ、前回以上に興奮したかもしれない。
    何度も新鮮な気持ちで読めるミステリって貴重だと思う。
    真っ向から読者に勝負してくる。
    ぐんぐんストレートで攻めてくる本格ミステリ。
    おすすめ。

  • 推理ミステリ最高峰と評されるだけあってとても楽しめました。アガサ・クリスティ、コナン・ドイルという名前は聞いた事あるものの、恥ずかしながら他の名前は知らなかった。そういった有名作家の名前をニックネームとした推理ミステリ研究会とだけあって、各人物の推理がとにかく鋭い。状況証拠からスラスラ語り始められるのは推理ミステリ愛好家の特徴かと思うと自分は全然。。この小説は考えて考えて読むとどこまでも深い世界が広がる1冊だと感じました。

    島と本土と話が交互に展開されて、本土で探られる半年前の事件がどのように繋がって行くのか…衝撃の一行によって真実が明らかになっていきます。守須=ヴァンとは考えが及ばず、ポウとオルツィの共犯か紅次郎の犯行か…巧みな文章力や構成ですっかりミスリードされていました。色んなアイテムや行動が各所に散りばめられていて、伏線回収が見事だと思いました。

    最後の終わり方も、完全犯罪で終わらせない潔さを感じました。壜がまさか流れ着いてるとは。

  • 綾辻行人さんの初読は、ぜひ有名なこの本で。と、図書館で待ちに待って、やっと読めました。そして、いや~面白かった。一気に読んでしまいました。
    いや~これは長く人気なはずですね。

    島での次々と起こる殺人と疑心暗鬼。本土での過去の殺人事件の謎解きと現在に繋がる不穏な空気。それぞれに積み重ねていったものが、一文で一気に崩される。そして、ひとつの真実になる。
    個性的な登場人物達の心の動きも、恐さと謎を増長させられました。

    完全な犯行に対して、エピローグもなんかよかった。

  • クローズドサークルもので、次に狙われるのは自分かもしれない…というじわじわと押し寄せる恐怖にドキドキしっぱなしでした。
    個性的な登場人物達も皆、魅力的で楽しめました。
    ラストの方で、あるページをめくった瞬間、え?え?となりました。大満足の読了感です。ずっと気になっていた作品だったので、読めて良かったです。

  • 絶対に騙されないぞと思って読んだけど、あの一行でまんまと騙されていたことに気がついた。
    だから映像化できないのか!なるほどー!
    全てを読み終わった後にもう一度読み返したくなる。
    綾辻さんの他の作品も読んでみたくなった。

  • 八年ぶりぐらいの再読の一冊。

    六月の曇天の日。無性に訪れたくなったのは十角館。

    犯人はたしかあの人…程度の朧げな記憶。

    ほぼまっさらな気持ちで夢中になれた時間に満足。

    十角館の壁面が光の角度で次々と新たな影を創り出す、その情景がこの限られたメンバーでのお互いへの疑心暗鬼を表現しているようで味わい深さと共にゾクゾクした。

    あの一行の瞬間はやっぱり心臓がドクっときたな。巧いな。
    この八日間にはまさに知力・体力・時の運が欠かせなかったのね。

    ラストシーン、表情を想像しその後に思いを馳せる。

    審判。この言葉がしんみり心に残った。

  • 言わずと知れたミステリ界の巨匠・綾辻行人先生のデビュー作。

    今更すぎるけど、読了しました。

    めちゃくちゃ面白かったですね。
    本格推理小説なのにこの終わり方。渋すぎます。

    綾辻先生の作品は、「Another」から入ったので「館」シリーズはまったく未読だったのですが、これからはどんどんと読んでいきたいです。

  • 終始すべて、入念に完璧に計算尽くされた構成。非の打ち所がないくらいに。
    犯人の意外性と、発覚までの流れもすべてが予想のその先を行き、驚きの連続です。
    傑作に異論なし。

著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

綾辻行人の作品

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