- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062758925
作品紹介・あらすじ
二年間の昏睡から目覚めた両儀式が記憶喪失と引き換えに手に入れた、あらゆるモノの死を視ることのできる"直死の魔眼"。式のナイフに映る日常の世界は、非日常の世界と溶け合って存在している…!もはや伝説となった同人小説から出発し、"新伝綺"ムーブメントを打ち立てた歴史的傑作-。
感想・レビュー・書評
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まだまだ物語は始まったばかり。
それにしても、めちゃくちゃかっこいい!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中二病を楽しむ小説
目次
<blockquote>「第一章 俯瞰風景」
「第二章 殺人考察(前)」
「第三章 痛覚残留」
</blockquote>
小説にビジネス本のアプローチは野暮だなと思ったので、マンガに似た、一言感想文で終わらせようと思います。
まず、章ごとに内容がぜんぜん違います。時系列は完全にバラバラです。そして、一つの章で語られる話の流れも、訳がわからないまま一気に最後まで行ってしまいます。その上、微妙にボカされていて、スッキリしない感じがします。完全に伏線を回収しきらず、微妙に「To Be Continued」となる終わり方です。
その上、主要な登場人物の中では一言二言で全て理解し、具体的に行動に移りますが、当然読者や主人公の彼は置いてけぼりになります。「独善的な」文体と、「やさしくない」物語の流れでしょう。
ただ、その無茶苦茶な構成が中二病と言われる人達にとっての身近な有り様なので高評価になっているレビューもあります。逆に常識的かつ生真面目かつ中二病らの独特な文化についての理解、認識が全くない人にとっては、何がいいのか全く分からない、低評価を下しがちな作品です。
こういった作品は、そういった嗜好性において極端な、かつ非常に限られた人達向けの小説、ということができるんじゃないでしょうか。ただ、それ以外には愉しむのではなく、こういった作品に対して「理解する」為に向き合うのならいいんじゃ無いでしょうか。
前も述べたように、なかなか小説としては異文化の領域です。どことなく猟奇的であり、そして物語のコアを理解する事が難しい点では、異色のミステリーであると言えます。
解説ではそのモチーフとしてのオカルト性から、「伝奇小説」としています。
ただ、ライトノベルのような感じもする。 -
新伝綺、とかよくわからない銘がついている。伝奇というのはヘンな事を頑張って伝えることらしい。新伝綺はそこに美しく伝えるという意味も込めたかったのかな。内容は厨二。中下巻どうしよう。
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再読。
かっこいい厨二的な文体だけではなくしっかりとしたメッセージ性もあり、その本質は人間讃歌。 -
A
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まほよより橙子さんが大人に感じる。青子さんとの関わりが無いからかもしれない。
けっこう、家族との描写というのは幼さを感じさせるのかなって思った。 -
BOOK・OFFの2100円分クーポンを使い切ろうと本棚を物色していたところ全巻見つけ購入。
奈須きのこさんが原作のFateシリーズなどはアニメを見ていたが、小説を読むのは初めてだった。
俯瞰風景の冒頭から始まり、時系列はまばらに展開されていく形。あまり長くない、潔い文の一つ一つに、この物語の世界観が詰めこまれている気がする。次巻が楽しみ。 -
上下持ってる
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いただいた本。
解説を読んでやはりと思った。コミケで出していた。こういうキャラクター、ストーリー好きそうだもの。しかし最初に飛んでいる人は何もの?連続殺人の犯人は織? -
厨二病のカッコ良さの純度を高めたような作品。
ワケガワカラナイヨ、も含めて楽しむ作品だと思う。
主人(?)のコクトーが可愛らしいのがまた面白い。 -
なんだろう。良い中二病というか、不思議な感覚がする本。2001年、確かに彼の本は書店に並んでいたような記憶がある。ただ、当時は何か青臭い気がして読めなかった。今となっては形月の影響ですごく神格化されているけど、ちゃんと読むとあのとき流行った理由も頷けるというか。なんか、オカルトっぽいものの下地があったんだよね。千と千尋も流行ったし、私は小学生で、学校でインターネットも見れるようになったんだけど、ネット黎明期を知ってる今の30代ぐらいの人にはけっこうヒットしたのかなという印象。作品の細部の表現とかはそんなにめちゃくちゃ好みでもないんだけどね。確かに年配の人は好きそう。
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10年くらい前にアニメを見て、人物達の会話が難解で何を言ってるのかさっぱりわからん状態でした。どんな話だったかもろくに覚えていない。とにかく絵が綺麗でアクションもかっこよくて夜、街の描写が鮮烈でスタイリッシュだったという印象が残っていた。今回初めて小説を読んでみてアニメの演出は素晴らしくきっと最適解だったんだなと思った。原作を読んで付け加えると、雨と血の描写も良い。こんな話だったんだ~とやっとわかった。
藤乃の殺人動機の種明かしだけでも読む価値があったというもの。先の展開が想像できなくて気になります。 -
※電書(合本)
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4.8
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19歳の黒桐幹也(こくとう・みきや)は、魔術師の蒼崎橙子(あおざき・とうこ)の事務所で働いています。彼は、2年前に交通事故に遭って以来、記憶をうしなった両儀式(りょうぎ・しき)という少女のことを気にかけており、彼女が昏睡状態にあったときにも彼女のもとをくり返し訪れていました。式の心には、「識」と呼ばれる別人格が宿っており、識の殺人衝動を内に抱え込んでいます。彼らを中心にして巻き起こる、不思議な出来事の謎をえがいた物語です。
上巻では、ビルからの飛び降り自殺が相次いで起こる事件や、不良少年たちに襲われた少女の復讐劇などがあつかわれています。
世界観も文体も、甲田学人の作品などの比較的硬派なライトノベルに近いものを感じます。下巻の「解説」を担当している笠井潔が、本作がオカルト的な設定を借りながらも、卑俗な現実世界を越えたところに真の世界ないし真の私を求める理想主義的な「観念的倒錯」を反転させて世俗の論理への還帰を志向していることを指摘しています。笠井も『ヴァンパイヤー戦争』などの伝奇小説を執筆しており、本作の著者が大きな影響を受けた作家だけに、現代的な伝奇小説のありかたを的確にとらえた評価だと感じました。 -
再読。感想は下巻を読み終わってから。
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現代オカルトファンタジー。一度は奈須先生の文章を読んでみたかったので。殺人狂の式と、それに惚れている黒桐が中心に話が進む。霊、魔術、超能力とオカルトめいた話と、人格障害、無痛症などのリアルな話が良い配分で、フィクションだが違和感を感じづらい。最初は文章の言い回しが少しくどく感じたが、慣れてくると味になる。上巻を読んでみて、表紙に使われた色のイメージ通りの本だと思った。闇の黒、夜の青、血の赤、そしてナイフの銀色。たぶんこの巻は登場人物の顔見せに過ぎないのだろう。次巻が気になる。
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いわゆるラノベというよりは、アクやクセが少なくて読みやすい。ウンチクを散りばめつつ、描写もキャラのお芝居もかっこつけてるなぁという感じはする。
文章がくどいと感じたところがいくつか。物語は楽しくはないし読後感も良くはない。しかし、さくさく読める。中、下巻も入手したので先も読んでみます。 -
読み方が「からのきょうかい」だとは思わなかった…
そして長い長編なのかなと思ったら、各一つの事件を巡って展開する短編形式で話が進んでいく感じだった。アニメ向きな感じがする。
京極夏彦とか西尾維新タイプの、中二的なかっこよさがある文章。詭弁と言葉の歪み方に深さが足りない気がするけれど、後半は勢いがついて面白くなってきた。黒桐くんが、人の良い男の子なのか、頼れる先輩タイプなのか、クールタイプなのか、いまいちキャラが掴めてないので中巻に期待。 -
やだ、確かになんだかかっこいい。
解説の綾辻行人氏の語るとおり、なんだか正統派に格好いいのに一筋縄ではいかない物語、という印象。遠い昔に読んだかもしれないのだが、恐らくそのときより楽しく読めている。たぶん、この文体に慣れたからだろう。 -
(上中下共通)
割合淡々としたしゃべり口と、衒学趣味豊かな内容が良かったです。
ジャンル的にはラノベなんだろうけど、もう少し普通小説に近い感じ。
独特な魔術論とか、ちょっとした推理要素とかも愉しめましたね。
分量多めに見えるけど、テンポが良いので長さを感じることもありませんでした。
ちょっと、物語内の時間があっちこっちするので、登場人物が持っている知識のないようについては注意は必要ですね。
オチもすっきりする感じで好み。 -
直死の魔眼を持った少女とそれを見守る(?)青年の話。アニメを見てからのほうが流れがわかりやすいかなあとは思う、時系列が入れ替わっているので多少わかりにくい。
話のメッセージ性が高いというよりは(まああるのだが)かっこいい、という感想のほうが先に出る。