てのひらの迷路 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759083

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだ石田衣良の作品です。
    就活中にたまたま本屋で見つけて、石田ワールドにハマってしまいました。
    いろんなジャンルの話がつまっているので、まさに石田衣良さんビギナーにはもってこいやったなと思います。

  • エッセイに近い短編集。話によってはちょっと作者の自慢っぽく感じてしまう内容に思ってしまうのは私の僻みか?

  • 2008.7.21読了

  • 背表紙から抜粋。

    『二十代の頃の恋愛、作家デビュー、そして母との別れ……。
     川端康成の『掌の小説』に触発された著者が「ささやくように」書きつづった、美しく、ちいさな二十四の物語。
     私小説のような味わいを持つ掌篇のストーリーと切れを楽しみながら、人気作家の素顔を垣間見ることができる、あなたのための特別な一冊。』



    この人の書く文章は、ミネラルウォーターみたい。
    そこらにありそうなことを、ちょっと特別な感じにして描くところとか。

    そのままじゃ、小説にならないものに一滴のバクテリアを放すみたい。

    著者の体験を書いてるのが大半で、読んでいるとうらやましくなる。
    こんな生活をしてみたい。こんな感性がほしい。

    妄想や想像がこうして作品になるって、いいなぁ。

    でも、やっぱりどこか男性的な目線なんだってわかると、急に読むペースが落ちていった。
    この人の、女性的な作品が読みたいな。
    きっと好きな一冊になると思うのに。

    僕は、自分のための一冊を探したい。に一票です。

  • 掌編小説集。私小説から、本が主人公の話、とか、いろいろあって面白い。タクシーの中の会話の話とか、リアルで面白い。この人の本は東京ライフが垣間見えて、それも楽しい。

  • 24作のショートショートが収められた超短編集。

    本書は、著者の石田氏が川端康成の【掌の小説】を読んで感心しているときに、毎月原稿用紙10枚で

    PR誌に小説を連載しないか、と出版社から持ちかけられてスタートした企画物である。

    原稿用紙が10枚だから400×10で4000文字。1編がそのくらいの長さなのでとてもスムーズに

    読むことができる作品だ。

    ひとつひとつの作品の冒頭で著者本人による解説がついていて、この作品はこんなことがきっかけで

    書いたとか、こんなことをやってみたいと思って書いたとか、裏話が載っていて2倍楽しめる仕組みに

    なっている。だから、作家が小説を書くときこんなことを考えているんだ、という創作の謎も読めるし、

    そうして書き上げられた作品も読めるという普通の小説とはちょっと違った面白さを堪能できるのだ。

    ショートショートといえば、阿刀田 高という作家のイメージが強い僕だが、本書を読んで、「石田衣良

    もなかなかやるじゃないか」となぜか上から目線で恐縮だが、感激した次第である。

    そしてこの作品は私小説のような部分もあって石田氏が実際に体験したことからヒントを得たものや、

    石田氏の思い出話を小説化したものなどもあって、ファンにとっては貴重な作品にもなっている。

    他にも毎回テーマが自由なショートショートということもあってか、実験的な作品や大胆な作品なども

    あって面白い。

    【片足】【左手】という2つの作品は連作になっているが、これなんかは毒気のないエロチシズムで

    石田衣良らしい作風だなと思う。

    長編も短編も、ショートショートも書ける石田衣良という作家の懐の深さを実感できる1冊だった。

  • 石田衣良ができるまで。
    自伝的作品。


  • 石田衣良の新しい書き方の本。
    本当に短編だから読みやすい

  • 読始:2009,2,23
    読了:2009,2,24


    24編のショートショート。毎月原稿用紙10枚で雑誌に連載された二年分の作品。
    ショートショートって一冊の本としての評価って難しいわ

    一つでも肌に合うものがあればいいというか、そういうのとの出会いを求め読み進めてる
    今回のレビューはそんなよい出会いをできた話をいくつか紹介しようと思う

    その前に全体の評価を書くと、各作品の前に作者自身の解説というか、思いみたいなのを450〜500字程度で書いているんだがこれを読むのが楽しい

    またこの作品には石田衣良さんの実体験がいくつも書かれている。この点において石田衣良さんファンにはたまらない一冊かもしれない

    最初はそこそこな小説だなと思いつつ読んでいたが以下にあげる作品を読んだあとはこれらに出会えてよかったなあというか、やっぱりこういう作品がかける石田衣良さんは好きだなぁと再認識したというか(笑)

    石田衣良さんってショートショートの書くの上手いなと思った。私自身も用いる手法として(私は物書きではないがアイデアのだしかたという点で)「短編小説のレシピ」みたいに何かに悩んでるいるときその悩みそのもの、悩んでる過程を題材にするという発想は自分も行なうがゆえに共感できたし、なんか嬉しかったww

    読めてよかったと思える作品との出会いを求めあなたも読んでみてはいかがでしょうか?


    ◆書籍と旅する男
     自分のためだけに書かれた理想の一冊を求めて数多くの本を読んできた老人との出会いを豪華客船での航海を通した描く。結末は意味深で考えさせられる。
     無数の人がいて、無数の本が書かれている。そのうちのひとつの出会いが他には考えられないような完璧な組み合わせになる可能性がないとは言えないのではないだろうか。そんな一冊が見つかれば、残りの一生を同じ本を何度も読み返して過ごせばいい。(本文より抜粋)
    今数多く読んでる本。それもいつか完璧な本と出会えるかもしれない、そんな出会いを求め過程であったらいいなぁ

    ◆終わりのない散歩
    毎日散歩(ウォーキング)するおばあちゃんの話
    僅か数ページ分にこれだけの作品を描けるのがすごい
    なんていっていいかわからないがこの作品は数100ページの小説と同じだけのことが書かれた密度濃い作品と言おうか
    最後は目に涙が浮かぶ優しくも切ない話
    好みの問題かもしれんがこの作品そうとういい

    ◆コンプレックス
    まぁこの話自体はそこまで気に入ったわけでもないがショートショートにはありがちの全部「」で構成されるこの形式は好き
    鎌田敏夫さんの「恋愛映画」は一冊全てがこれだけで構成されており個人的にはかなり好きな小説の一つ

  • 図書館で偶然目に留まったので借りてきた石田さん作品。掌編集です。
    各作品の前につけられた石田さんのコメント文のようなものを楽しんで読んでいました。色んなことを経験して、それに嘘をちょっぴり混ぜて、そうして色んな作品が作られているんだなあ。
    掌編集というとどうしても星新一イメージなんですが(あのシュールというかどんでん返しというか)、こういう淡々とした雰囲気の掌編もまたいいですね。
    (09.2.21 読了)

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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