てのひらの迷路 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759083

感想・レビュー・書評

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  • てのひらの迷路 石田衣良さん

    1.石田衣良さんとのあゆみ
    眠れぬ真珠、リバース、40、約束、美丘、オネスティと歩んできました。
    てのひらの迷路を読むにあたり、石田衣良さんの読了記録を振り返ってみて感じることは、描写の奥行きというものでしょうか?
    風景、人物、そして感情、いずれの描写にも色彩が見えてくるような印象です。

    2.著書「てのひらの迷路」
    石田衣良さんを好きな方に手にとってほしいです。
    石田衣良さんの原体験が綴られています。

    恋、小説家になる前、通学路の思い出、金曜日の渋谷散歩などなど。

    いずれにしても、読み手にとって関心深いのは、一般人ならばやり過ごす風景に対して、観察と描写を行いつづけていること。
    読み手と書き手の違いとはこうしたものか?と合点がいきました。

    3.読み終えて
    石田衣良さんの物語。
    2021年、割合が増えそうな予感がします。

    読書中ですが、読了前に感想を書いてしまう衝動に駆られてしまいました。

    「時間の流れをどんどん細かくしていく。
     ガラスのなかに捕われた砂よりも、
     もっと、細かく。
     100分の1秒のデジタルよりも、もっと薄く。
     何年もかけて、それを極限まで続けると、
     時間は最後にはきらきらと透明にこぼれる
     粒子になる。」

    時間という無形を有形な表現にする石田さんの観察と描写をただ美しいと思えたのでした。

    #石田衣良さん
    #小説の世界は時間を包んでくれる。


  • 24つからなるショートショート集です。おもしろいことに、最初と最後がエッセイ風で、真中がフィクションになっています。本当に短い話ばかりなので、ときどき手にとるにはもってこいの本だと思います。

  • ショートショート。

    24篇もあるので、好き嫌いは当然あるにしろ、全体的には良かった。

    他の短編集でもそうだけど、ノンフィクションベースが好き。
    無職の空、I氏の生活と意見、一人ぼっちの世界(若干泣きそうになってしまいました)。

    でも、タクシー、みたいなふわっとした、盛り上がりのないまったりとした作品も好き。

    この本では、各作品の前に講評を書いていて、それがまた読むポイントをすっきりさせたり、共感を呼んだりして、良い発想だなと思った。

  • 24篇のショートショートからなる本で、フィクションからエッセイに近いものまで
    いろいろな作品が楽しめます。

    個人的にお勧めします。特に、本が好きで、ほんのちょっと自分でも創作に携わりたいと思っているような人には。
    著者が楽しみながら書いた、という雰囲気が漂っています。ところどころにある、各話の前説のようなものも読んでいて楽しい。

    石田さんが書くと、恋愛がちょっと素敵なものに見えてきて、喜びたいような拗ねたいような気持ちになるのが不思議です。

  • 「臆面もない」の一言を捧げたいと思う、私小説風超短編集。これでもかと言いたげに、軽々と多才ぶりをひけらかしやがる石田に、クソーこんなんでやられへんぞと言いつつ、きっちりとしてやられてしまうけなげな私。作家って楽しいんやな、いい仕事やなって思っちゃうよ。もちろんどんな仕事もそれだけじゃないですけどね(笑)これ読んで、ホンマに作者は楽天家なんだなあと思った。この軽さ洒脱さが、マコトのあの性格につながるんだよな。やっぱり石田は天才だと思います。

  • 再読。石田衣良さんは好んで読んでいるのですが、手元に置いているのはこの1冊だけ。「書棚と旅する男」にほれ込んで、いつでも好きな時に読めるように購入しました。連作短編集やスピンオフ短編集ではなく、貫くテーマもなく、多様性に満ちた完璧な、お手本のような短編集。必ず好きな一編が見つかるでしょう。おすすめです。

  • 石田衣良さんが書きたいようにかいた
    ショートショート。どの作品もスピード、テンポ感が良くて何より実体験の素材に色づけしてファンタジーやホラーを描いていて、小説家の頭の中を見ているようだった。話の前にかかれているエピソードも面白かった。

  • 「片脚」という小説は川端康成の「片腕」へのオマージュになっていて、のっけから怪しくて面白かった。

  • 川端康成さんに
    触発された石田さんが
    「ささやくように」
    書き綴った、二十四の物語。

    石田さんのことがますます
    すきになった。

  • 久々の石田衣良さん!
    1つ10ページ位で24篇のショートショート集。

    短編あんまり好きではないので図書館で借りました。
    しかし期待以上に面白い!
    10ページでも石田さんの良さがぎゅっと凝縮されてて満足感たっぷりです!
    大好きな作家さんを身近に感じられる1冊でした。
    嵐の櫻井くんが出てきて(登場人物じゃないよ)びっくりしました。笑
    それくらい読みやすいです。
    やっぱり石田衣良さんの文章好きだなぁ。
    最後の終わり方素敵すぎる!

    何度も読みたくなる本。
    明日にでも本屋に行って買ってきます!笑
    今回は一気に1日で読んでしまったけど次は1日1篇ずつ読んでみようかな。

著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石田衣良の作品

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