ふしぎな図書館 (講談社文庫)

  • 講談社
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本棚登録 : 2342
感想 : 290
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  • Amazon.co.jp ・本 (98ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759489

作品紹介・あらすじ

図書館で「オスマントルコ帝国の税金のあつめ方について知りたいんです」とたずねたぼくに、老人の目がきらりと光った。案内された地下の閲覧室。階段をおりた奥から、羊男が現れて…。はたしてぼくは、図書館から脱出できるのか?村上春樹と佐々木マキが贈る、魅力溢れる大人のためのファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • ふしぎな図書館。不思議な本。ふしぎな物語。不思議な空間。ふしぎな出会い。ふしぎな体験。ふしぎな思い出。

    「世の中はこともなく流れておる。」
    「みんながそれぞれに自分のことを考え、それぞれに生きつづけておる。母親もしかり、むくどりもしかり。みんな同じことだ。世の中はこともなく流れておる。」と老人はむずかしい顔をして言った。
    なんのことだかよくわからなかったけれど、ぼくは「はい」と返事をしておいた。

    佐々木マキさんの絵はすてき。これは現実です。

  • ・最後の数ページを読むと、一気にふしぎな気持ちにさせられる。頭の中は「???」でいっぱいだ。男の子は無事に戻ってきてよかったが、男の子の周りの人たちは一体どうなったんだ…。

    ・村上春樹の作品は、度々ドーナツが出てくるので、読んだあとはドーナツを買いに行くことが多い。この本でも、羊男がおいしいドーナツを作っている。

    ・それから、佐々木マキさんの描いたイラストがかわいい。

  • 短くて、佐々木マキの可愛らしい挿絵もあり、どことなくファンシーで、ちょっぴりホラーで。絵本の様な感じである。
    しかし、立派に村上春樹作品だった。
    突拍子もない出来事。何かのメタファーの様なキャラクター。そしてお馴染みの比喩に、美味しそうな料理。
    何故だか分からないけれど、ちょっと「ほっと」したいなと思った時に、読みたい本。

  • いつも規則や枠に囚われた自分の中で
    閉塞的に生きる男の子と不思議な図書館。

    暗闇の地下階段を降りると謎の迷路のような部屋と
    羊のかっこうをした不思議な羊男。
    新月に透ける美しい少女。

    おいしい食事と心浮かれる恋、未知への好奇心、
    様々な分岐点、焦燥、諦め、希望、孤独。

    誰の人生にも起こる出来事を
    ファンタジーと不条理を綯交ぜにして
    飛び出す絵本のように見せてくれる人生の縮図の物語。

  • ダークファンタジー。
    割と残酷な世界観で、読者を煙に巻くかんじ。
    この可愛い表紙に騙された。

    佐々木マキ×村上春樹なんて超贅沢。

  • 「脳みそを吸う」とかグロテスクなことを言っているはずなのに、なぜかそんなにグロテスクに感じない不思議な感覚です。

    実はムクドリだった女の子は、家から男の子を助けに来てくれたの…?羊男はどこへ消えたの…?本当に不思議なお話でした。私の読解力不足かな…

  • 地下室や迷路や牢屋は、孤独を意味しているのでしょうか。
    結末もちょっと悲しかったし…。

  • クイズノック と講談社のコラボで、河村さんがおすすめしていたので購入。
    読後感はすっきりしないが、読ませる力のある作品(短いという理由もあるが。)

    言いたいことを言えない僕と、おじいさんに怯える羊男が重なる。
    ということは、おじいさんは、お母さんの暗喩??
    昔噛まれた黒い犬とは?
    お父さんが出てこないが、犬に噛まれたときに何かがあった??
    最後、自分を犠牲にして助けてくれた、美少女とむくどりはお父さん??

    不可解なお話だが、こうやって考えさせられる本を久しぶりに読んだ。
    河村さんがおすすめしてなかったら手に取らない本だと思うので、出会えてよかった一冊です。

    でもやっぱり不思議。

  • 図書館でたまたま気になって借りた本。
    絵本感覚でサクサク読めるファンタジー。
    ずっと悪夢を見ているような不気味でダークなストーリーと、可愛くて魅力的なキャラクターに引き込まれる。

    村上春樹って、読んでみたいとは思ってたけど
    長くて分厚い本が多かったり、
    ちょっと読み始めてすぐ飽きちゃったりして
    「私に合わないのかなぁ〜」と思ってたけど、

    こんなファンタジーなら読めました。
    国語の教科書とかに載ってそうなお話。
    『不思議の国のアリス』とか『世にも不幸せな物語』とか、ダークファンタジーが好きな人はきっと好き!

    薄いから数時間で読めちゃう。
    (読むスピードが遅い私でも、2日で読めた。)

    • ばまさん
      えええ…それはしんどい_:(´ཀ`」 ∠):
      免疫落ちると、このご時世コロナも怖いので…
      早く体調良くなられますように、、!(u_u)
      ...
      えええ…それはしんどい_:(´ཀ`」 ∠):
      免疫落ちると、このご時世コロナも怖いので…
      早く体調良くなられますように、、!(u_u)

      私は日曜なので、
      未だにベッドでゴロゴロしてます。笑
      2021/04/11
    • ばまさん
      本さん

      胃腸炎辛いですよね!!!!
      私も前にウイルス性腸炎ですが罹ったことがあって、上からも下からも出続ける、高熱もしばらく下がらず...
      本さん

      胃腸炎辛いですよね!!!!
      私も前にウイルス性腸炎ですが罹ったことがあって、上からも下からも出続ける、高熱もしばらく下がらず…1週間しんどかったです…
      くれぐれもお大事に_:(´ཀ`」 ∠):
      2021/04/13
    • ばまさん
      小瓶さん
      そうなんですね!全然良いと思います!
      SNSってやりたい時にやれば良いし、
      今はこんな時代なのでtwitterとかインスタも含めて...
      小瓶さん
      そうなんですね!全然良いと思います!
      SNSってやりたい時にやれば良いし、
      今はこんな時代なのでtwitterとかインスタも含めて
      しんどくなったら消せばいいと思うんです。

      私はブクログもFilmarks(映画のアプリ)も
      自分の記録用として始めたので、
      元々あんまり交流目的としていなかったので…
      もちろん、その中で反応を貰ったりコミュニケーションが生まれるのは嬉しいのですが!

      でも、しんどくなってまでやるものじゃ無いし
      自分の負担になるなら辞めるべきだと思います!
      一旦全部辞めて、またやりたくなったら戻ってきてもいいと思いますし(๑・̑◡・̑๑)
      2021/06/30
  • 不思議なストーリーに、佐々木マキさんの魅力的な挿絵の力もあって、ぐいぐい読み進めることができました。
    話の中身は、分かるようで分からないような、掴みどころのないものでした。読み手によって色々な解釈ができそう。
    私は、母親が亡くなる前に大切なことを学ぶための試練だったのではないかと解釈しました。
    迷路=人生?
    読むたびに感想が変わりそうな本でした。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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