魔女の隠れ里 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社文庫)

  • 講談社
3.50
  • (6)
  • (19)
  • (25)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 185
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759533

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 夢水シリーズからミステリに入る子どもはやはりいるんだと思う。トリックや話の筋道が秀逸であるし、なんといってもわかりやすい。小学生くらいなら確実についていけるし、みんな幸せになるという定義も守られている。ミステリに水らしく残虐シーンやエロシーンもあまりない。穏やかなまま話は進行する。――すばらしい。

  • 講談社文庫版です。
    青い鳥文庫では解かれなかった謎がプラスされここで解決。
    ちょっと大人仕様になりました。

  • 2+
    シリーズ4作目。気に入ったので刊行順に読んでいるが、本作はイマイチ。特に第1部は弱い。そもそも謎になってない(謎のふりはしている)。第2部に繋がるメッセージのために取って付けたような感もあり、かなり苦しい。
    本筋とは関係ないが、冬タイヤも履かずに子供を同乗させ、喜々として雪道を暴走するようなくだりは、パニック小説やバイオレンスものでもない限り勘弁してほしい(特にジュヴナイルでは)。あれじゃただの頭のおかしい人だ。不快でならない。ノーマルで雪道は自爆テロと同義である。
    第2部はそう悪くはないが、唐突で駆け足、推理の手がかりを並べただけのような印象は否めず、せっかくのヘヴィな話にも入り込み難い。前作に続き、終盤に探偵が自分の言葉で心情を話す(書いた)場面があるのは良い。これがないとただの変人だ。
    本書の最大の収穫は「羽衣母さんの華麗な一日」。日常の描写も面白いし、何しろちょっと良い話。

  • いつものように食べ物に釣られて、名探偵夢水清志郎は、
    亜衣・真衣・美衣の三姉妹とともに笙野之里にやってきた。
    「各地に残る伝説の謎を、名探偵が解き明かす」
    という雑誌の企画のために、編集者の伊藤に駆り出されたのだ。
    山荘に11体のマネキンを送りつけ、夕食の最中に
    派手なやり方で推理ゲームの開始を告げる謎の“魔女”。
    “被害者”に指名された人間は、次々と奇妙な事件に遭う。
    また、亜衣たち三人も、“魔女”らしき影が
    空中を飛んでいるところを目撃してしまう。
    果たして“魔女”とは誰なのか?

    名探偵夢水清志郎シリーズ第4弾。
    講談社文庫版のみ収録の“もう一つの謎解き”を加えた完全版。

    半年に一度の楽しみとなった、このシリーズの講談社文庫版刊行。
    4作目がお目見えしたので、さっそく手にとった。

    今までの3作でも感じたことを、やはり本作でも感じる。
    先人が著した作品群の中から、ミステリの醍醐味を抽出し、
    読みやすいコンパクトなボリュームの中にふんだんに詰め込み、
    万人にウケる口当たりの良い味付けに仕立てた逸品。
    そんな贅沢なシリーズなのだ、夢水清志郎シリーズは。

    今回の事件には、今まで亜衣たちが遭遇した事件と違って、
    人の死が深く関わっており、やや暗い雰囲気が漂っている。
    「子供向けだから」といってこういった物語を書かないのではなく
    それなりにソフトな設定にするという手心を加えながらも
    しっかり描くという作者の姿勢はやはり素晴らしいもので、
    ジュヴナイルというものはこうあるべきだと思う。

    ミステリとしてもこの作品は非常に豪華だ。
    何しろ、登場する謎の数が半端じゃない。
    しかも、そのいずれにもしっかり謎解きが用意されているのだ。
    ミステリマニアでも思わずうならされる構成であり、
    これを読んでミステリに興味を持たない子供がいたら見てみたい。

    三つ子姉妹のキャラクターも、作中で亜衣が語っているとおり、
    少しずつ違いが顕著になってきており、面白い。
    語り部である亜衣が目立ってしまうのは仕方ないのだが、
    真衣や美衣もそれぞれ活き活きとしてきたように感じる。
    羽衣母さんという第三者視点からの描写があったのも
    亜衣を客観的に見ることができたので楽しかった。

    今回もしっかり楽しめた。
    読みやすくて面白いため、あっさり読み終わってしまう、
    という点だけが残念である。
    また半年待たねばならないわけだ。
    半年は長い…。

  • 二部構成ですが、間の休憩の羽衣母さんの華麗な一日が秀逸です。語られなかったもう一つの謎解きも収録されお得です。

  • こういう、登場人物のキャラクター性や言動にきちんと意味付けする作品って好きです。基本的に“設定”に惹かれる性質なので。そんな理由もあってシリーズの中でも特に好きな一編。文庫版はもうひとつの解決編付きのお得仕様です。

  • 今回は二部作で、前後の絡みが絶妙でした。

    しかも過去に起こった事故とはいえ、人の死を扱ったという点では、このシリーズにおける初作品でした。

    それにかんして、はやみねさんの子どもたちに対する配慮は素晴らしく、一つ一つかんで含めるような展開と推理は、死という現実を悲しみや怒りも込めつつ、しっかり伝えてくれました。

    最後のどんでん返しには、肝を冷やしましたが(笑)

  • 2008年4月8日読了

  • 安心して読める本。
    トリックとかは簡単だけど、
    読んでいてすっきりします。
    文庫版になって追加された話があるようで。
    初めて読む私には関係無かったんですが、
    当時読んだ方は、犯人はわかるけれどすっきり感が無かったんじゃないかな?と。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

三重県生まれ。『怪盗道化師』で第30回講談社児童文学新人賞に入選し、同作品でデビュー。主な作品に「名探偵夢水清志郎」シリーズ、「怪盗クイーン」シリーズ、「虹北恭助」シリーズ、『ぼくと未来屋の夏』『ぼくらの先生!』『恐竜がくれた夏休み』『復活!! 虹北学園文芸部』『令夢の世界はスリップする 赤い夢へようこそー前奏曲ー』(いずれも講談社)、『めんどくさがりなきみのための文章教室』(飛鳥新社)などがある。

「2023年 『都会のトム&ソーヤ 日めくり名言カレンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

はやみねかおるの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×