鎮火報 Fire’s Out (講談社文庫)

  • 327人登録
  • 3.88評価
    • (40)
    • (50)
    • (51)
    • (2)
    • (1)
  • 50レビュー
著者 : 日明恩
  • 講談社 (2008年2月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759755

鎮火報 Fire’s Out (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 少し長いかなと思いました。
    雄大の口調は独特なので、一人称小説でこの長さだと、合わない人には辛いかも。
    でも、消防署や署員についても知らない事が多いので興味深く、面白かったです。

  • 鎮火報は、一人の新米消防士を中心に、消防の仕事を実に細かく、深く描いた作品です。
    この作品で、消防士の方々の仕事の詳細や、喜び、苦労、苦悩など、ぱっと見仕事を見ただけじゃ到底分かり得ない本当に様々な事を知る事が出来ます。
    しかし、消防士という仕事を知る、という面だけではなく、小説としても、本当に面白いと思える作品でした。
    日明恩さんの作品は、ギフト、警官は微笑うに続き三冊目でしたが、私はこの作品が一番好きです。
    主人公の大山雄大は、ある事からちょっと捻ねた考え方をする、仕事に情熱の欠片もないと自分で思ってる、ちょっと屈折した新米消防士。
    そんな彼が、様々な事件、人との関わりを通して自分の本当の想い、消防士としての自分を知っていく、青春ミステリです。
    この作品、主人公雄大を筆頭に、彼の周りに集まっている消防士仲間や、友人達などのキャラクターが本当にいい味を出してます。
    作中に込められた内容は重めのものが多いです。
    生きる事、死ぬ事、死ぬ権利とは、重く、心が暗く沈み込みそうになるそれらの問題を、雄大が、真っ直ぐに受け止め、立ち向かってくれる事で、読者も一緒に立ち向かう気持ちになる、そんな作品でした。
    しかし警察官に至っては、キャラクターも、作中の存在自体ももうボロクソ。
    あれ、日明さんって警察小説だしてた人だよね¨と思わず確認しちゃう程に。
    それゆえに、警察と消防の微妙な関係性が分かり易く表現されています。
    消防に興味のある方はもちろん、あんまり知らないという方にも、是非一度読んで頂きたい作品です。

    以下ネタばれあります。
    大丈夫な方のみ下へ¨


    この小説、お話し自体も面白かったですが、やっぱり何よりキャラクターが本当に私のツボ。
    心の中でも、たまに言葉に出してでも毒吐きまくって、仕事馬鹿ヤダヤダと言いながら、人一倍頑張って、ハタとそんな自分に気付き、俺には関係ねぇ、と言い訳しちゃう雄大はもう目茶苦茶可愛い。むしろ愛しい。
    親友裕二は手放しでいい男、消防士、やめようかな、の雄大の言葉に、辞めたきゃ、辞めりゃいい。お前が俺のダチって事には、変わりはない。この言葉、本当に相手の事を想ってじゃないと簡単には言えない。雄大を丸ごと受け止める彼の短くも熱い言葉の数々に、そのたび胸キュンでした。
    守はとにかくミステリアス、中年男の乙女な仕草や発言がツボでした。雄大が危ない目に遭うのも、いなくなるのも嫌だから。このセリフの可愛さったるや。中年乙女最高。
    仁籐も大好きです。苦しみ、半分雄大に背負ってもらって、目も鼻も真っ赤にした人間らしい彼を見れた時が一番嬉しかった。雄大がピーマン人参納豆が嫌いだって、オヤジさんに電話越しにどんな顔して話したのか、想像すると心がホカホカしてきます。
    読み終えて、切ない思いも残りながらも、キャラクターの優しさに心がじんわり心が暖かくなる、そんな作品でした。
    次作品で、彼らがどんな風に描かれているのか、ドキドキ、今からものすごい楽しみです。

  • 日明恩さんの作品として初めて読んだ作品。この一冊ですっかりはまって全作品読みました。

  • 心がなんだかあったかくなったー。文体も読みやすくて○
    死ぬ人を、止めるのは自己満足か?そのあと止めた責任を負わなきゃ、止める資格もないのか?思わず、その人がなくなったら悲しい、さみしい、と思って止めてしまいそうになるけど、それは自分勝手な押し付けなのか?
    そんなことを考えた。でも、あなたに生きててほしい、と伝えることは大事。そこからどうするかは、判断するのは本人。
    でもいきてたら、きっといいことあるもん。死んだらおしまいじゃない‥田口の奥さんの言葉にうなづけた。
    生きててほしい!って切に思う相手がいる、そしてまたそう思われてることは、誰にでも降りかかる奇跡だ。

  • ちょっと突っ張った若い消防士の視点。長編でミステリ要素もあり、雄大の成長記でもあり、消防士のさまざまな仕事をわかりやすく紹介されていて、読みごたえがあった。出てくる人間がやたら過去にトラウマ持ってて重たい。その荷物を、一人で背負ったり、誰かが手助けしたりして、どうにか生きている。殉職した父親のせいで消防士を嫌いつつ、ルールを守らない市民達、仕事の邪魔をする警察に本気で怒る雄大は、消防士を思い切り肯定している。消防、救急、自衛隊などで働く人達に対して、目からうろこ。守は都合よすぎる謎キャラ過ぎて(笑)。

  • やる気のなかった新米消防士の、成長物語。
    面白かった。消防にまつわる知識は、知らないことばかり。
    点検の頻度には驚く。
    改めて、危険と隣り合わせの激務だと感じる。
    いろいろな思いが明らかになり、後半はじーんときた。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/fires-out-3362.html

  • いやあ、勉強になりました!
    消防士さんってやっぱり大変。
    作中主人公も言っていますが、
    暇そうに見えちゃうんだよね。傍から見ると。
    世の中の消防士の皆さん、ごめんなさい!
    小説自体は、ちょっと、この一人称は合わなかった。
    言ってることがガキすぎる。
    あと、守って都合良すぎるよねえ。
    え!作者の方、女性なの!?

  • ネットで『クライマーズハイ』の横山秀夫さんが薦めていたので、手に取った。読みやすく、厚さの割にはすぐ読めた。作者は消防や火災のことについて、きちんと調べたらしく、爆発と爆燃の違いなど、興味深く読んだ。
    ただ、主人公のキャラが立ちすぎていた印象もあった。この手の小説で、上官に対して終始タメ口なのは初めてだった。

  • 若い消防士が成長していく過程を描いた話。ちょっと無頼な若者だった主人公が実は優しさを秘めていて・・女流作家ならではの優しさが描かれて600ページ一気に読めました。

  • 特定の職業を取り上げた話は色々と勉強になって面白い。体を張ってる人たちには頭が下がる。最後はジーンときた。
    緊急車輌の一秒でも早い到着を待つ人がいる。道を譲り、しょうもない事で呼んだりするのはやめましょう。想像力を働かせればわかる事だしね。
    この著書の作品は初めて読んだが、他のも読んでみたい。
    守の存在は何だか都合が良すぎな気もするけど。雄大の一人ノリツッコミは、ちとくどい。

  • 読んでいる自分の状況が、仕事とは?仕事の意義とは?という事を考えていたのでとても共感する事が出来た。
    警察小説は多いけど、消防小説って少ない気がする。

  • 同じ消防士だった父親への反感から、熱い消防馬鹿にはなりたくないと言い放つ新米消防士・大山雄大。
    連続放火事件の真相を暴くとともに、人間として消防士として成長していく。
    「消防士の仕事は人を助けることなんだ」と志村刑事に啖呵をきるシーンは、スタンディングオベーション!

  • 売り言葉に買い言葉で消防士になってしまった男が1人。
    その周囲を取り巻くのは、幼馴染の男に年上の男友達に
    父親が昔助けた男。

    皆様色々信念持って生きているわけですが…とりあえず一番生態系が気になるのが
    年上友人かと…何がどうしてそういう生活が…。
    案外、自分の幸せって指摘されても分からないものです。
    ものすごく身につまされる人間関係でした。

    話としては、かなり色々新鮮でした。
    特に水道代…消防署が払ってるとは驚きでした。
    いや確かに誰かが払わねばならないわけですけど
    冷静になって考えれば当然なのですが。

    火災の発生の仕方に、火災の『理由』に、火災の原因。
    人情としてどうにかしてやりたい気持ちでいっぱいになるでしょうが
    ルールはルールです。
    そこを甘くすれば、それ以外も甘くていいのではないかと
    そう言われても何も言い返せなくなります。
    とはいえ…と、戻りますがw

    しかし自殺者については、そう思いますね。
    人前で死のうとする事自体、死ぬ気はないような気がします。
    衝動的、なのはともかくとして。

  • ちんかほう


    ちん◯ほう


    そこ伏せたらあかんてっ!


    内容は、消防士がグレておりゃーって話。

  • 刑事から消防士へ‼なかなか知る事が少ない消防士さんたちの日常や人間性なんかが垣間見れてお得感あり。こちらももちろんバディものでございまする(*^^*)女同士ではあり得ないクサ過ぎる男の友情が日明作品の魅力ですね。

  • 2011/9/17
    何度か涙ぐんでしまいました。あ~恥ずかしい。青春成長物語です。

  • 同じ消防士だった父へのアンチテーゼからその職についている
    新米消防士の大山雄大。

    不法滞在外国人の住むアパートばかりが燃える連続放火事件を通じて、
    大きく成長を遂げていく物語。
    犯人の考え方や消防仲間の生き様から、
    自分の生き方・消防士としてのあるべき姿を考える機会を多く得ていく。

    雄大の心理描写の多い小説で、父への葛藤から、自分の考え方の変化、
    そして成長への推移が分かりやすく、大変心地よく読むことができる。
    600Pというボリュームは読むのに敷居も高いが、
    決して冗長としてはおらず、中だるみもしていない。
    続編「埋み火」への期待も含めて、是非読んで欲しい良作小説。

  • 知識と、頑張って作った設定の
    大洪水の本、という感じ。


    消防士のミステリー
    主人公が、め組の大吾(←漫画)みたい

    テーマがテーマだけに物語の次が気になってどんどん読み進めちゃう
    が、あまり「本」とはしたくない本


    面白かったよ

    ☆みっつ

  • あとがきにも書かれてたように警察を舞台とした小説は数あれど、消防士という職業をここまで取り上げた小説は類を見ないのかもしれない。消防士と言う職業を掘り下げ、消防における現状や課題などが分かり易く丁寧に描かれていて非常に興味深かい作品に仕上がっていた。特に、単なる熱血消防士ではなく、「楽したい」「事務職になりたい」といったスタンスでありながらもついつい消防士として成長していく主人公の雄大による一人称語りなだけに、同等な視点で消防士という職業を感じるコトができたように思う。
    …先ずは消防に対する考えを改めないと。。。

    そして本作は放火事件を通じた主人公の成長だけでなく、不法在日外人と外国人労働者の実情についても言及した社会派小説としての側面も持っている。不法在日外国人と日本人、それぞれの立場からの事象を取り上げてこの問題に対する警告を示している。
    消防ミステリであり、成長記であり、社会派でありと諸々の要素を詰め込みながらも、1つのストーリーの中に無理なくそれぞれが絡み合い、それでいてわかり易く書かれているので、エンターテイメント作品のようにスラスラ読み進める。

    そんな中に「武本工務店」が出てきたりして過去の作品を読んだ読者にはちょっとした遊び(?)も含まれているなど、ホントに様々な要素が詰め込まれていて考えさせれたり、楽しませてくれたりする。ただ、幾度も「クールでリアリスト」といった表現が出てくるのはしつこかったりするし、雄大の語り口調にも "無理した若者口調"みたいな感じがするのは否めない。
    何れにしろ、守の「あの人」ってのが気になるので、とりあえず続編も必読かと。。。

    それにしてもビール飲んでカブに乗って帰るのはどーなの?
    大人としても、消防士としても…

  • この小説は命を懸ける消防士の、その辛さや、現実を、まだ消防士になりきっていない一人の若者の目線で描かれている。
    消防士だった父親を失った過去から、仕事に否定的な彼が、どのように成長していくのか。
    最初はあまり主人公を好きになれなかったが、最後は泣いてしまいました。

全50件中 1 - 25件を表示

鎮火報 Fire’s Out (講談社文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

鎮火報 Fire’s Out (講談社文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

鎮火報 Fire’s Out (講談社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ツイートする