プラネタリウム (講談社文庫)

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著者 : 梨屋アリエ
  • 講談社 (2009年11月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759779

プラネタリウム (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • リアルとファンタジーが混ざった世界観が絶妙。
    リアル世界のことだと思っていたら非現実な現象がおき、登場人物はそれをままあることのように思っているので、どうして? なんて思っても説明されることはなし。

    それでいて登場人物たちの感性は本当に中学三年生なので、時たまジャンルを忘れ、非現実にえ? ああ、そうか。と動揺します。

  • 不思議な少年少女とプラネタリウムのおはなし。
    読んでいる間とっても不思議な空間にいるような気持ちになりました。

  • 思いの外によかった。
    タイトルでジャケ買い的なところがあったが、
    読後感が穏やかで、いい空気を吸ったような気持ち。
    決してきれいな世界が描かれているわけではないのに不思議。

  • 四つの短編が収録されています。
    共通するのは以下の三点です。
    どの話にもプラネタリウムが登場すること。
    主人公が中学生である。
    変わった体質の人間が登場すること。

    恋愛未満、もしくは幼い恋がモチーフになっています。
    登場人物の名前がキラキラしています。
    「ジュリア」とか「ミカモ」とか「キナリ」とか「マフ」とか。

    ◆あおぞらフレーク
    美野里はそんなつもりはないが、「恋多き女」と言われている。
    「ただ(どこどこに)付き合って」と言っただけなのに、男のコは彼氏気取りをして、結果的にはフラれてしまう。

    美野里は男受けしやすいタイプなのでしょう。
    誰もが美野里の言うことを真に受けるくらいですからね。
    恐らくは、母親譲りなのかな。

    美野里は迷いが生じると、体内から踏み切りの音が鳴り出す。
    美野里の他にも、変わった体質の女のコがいた。
    後輩の未来は、好きな人を見てドキドキすると空が割れて、フレークが落ちてくる。

    フレークを口に含むと、擬似恋愛が出来た。
    恋をしたことがない美野里にとって、フレークは魅力的な食べ物だった。

    美野里はフレークをもっと味わいたくて、「未来には恋に夢中になって欲しい」と願う。
    だからこそ、未来の想い人・小来川に接触して、情報を聞き出そうとする。

    天然プレイガールの美野里は、いつもの調子で小来川をメロメロにしてしまう。
    結果、未来は「失恋した」と思って、苦いフレークを落とす。

    「美野里はこの先、ちゃんとした恋愛が出来るのか」と少し心配になりました。

    ◆飛べない翼
    中也は勉強が出来る上、クラスの学級委員である。
    優等生の中也には、「背中に翼がある」という秘密があった。

    成長する毎に大きくて立派に育った翼だが、飛ぶ力はない。
    翼は隠しているので、今のところは誰にも指摘されていなかった。
    運が良いのか、プールや健康診断はパスされていた。

    ひょんなことから、中也は隣に住む由子にたかられてしまう。
    由子はお世辞にも美人とは言い難い。
    三十歳を越えているが、実家住まいで、アルバイトを少しするだけ。
    清潔とは言い難い部屋で、ジャージ姿でアニメやゲーム三昧の生活を送っていた。

    由子にも、焦りを感じる時がある。
    立派な友人と自分を比べた時、部屋が砂時計化していた。

    中也は翼をコンプレックスには思っていないようです。
    寧ろ、自慢に思っているかもしれません。

    ◆水に棲む
    晴実はある日、紘夢先輩と真貴ちゃんの交換日記を見つける。
    二人は有名なカップルだった。
    紘夢先輩は悪魔と契約した(実際は違うけど)せいで、体が10センチ浮いている。
    真貴ちゃんは、少し知能が遅れていた。

    晴実は、紘夢先輩の描いた絵に惚れていた。
    卒業式に「絵が欲しい」と書いたメッセージを忍ばせたが、紘夢先輩から連絡が来ない。

    諦めていたところ、偶然、紘夢先輩と区民プールで再会する。
    紘夢先輩も晴実からの連絡を待っていたらしく、イラストの件は迷惑ではなかったようだ。
    これを機に、二人は頻繁に会うようになって、晴実は絵よりも紘夢先輩に惹かれていく。

    しかし、真貴ちゃんに二人でプラネタリウムに行ったことを悟られて、紘夢先輩は逃げの体勢になり「もう会わない」と言われる。
    狡いですね。
    あんな態度を取られたら、晴実が舞い上がるのは当たり前だと思います。
    頬とはいえ、キスはするべきではなかったよね。

    一方的に切り捨てられた晴実の気持ちがひしひしと伝わってきたので、当作品では一番好きなお話です。

    ◆つきのこども
    磨布は、夜になると徘徊している。
    行き先は、衣生という女のコの元だった。

    磨布は「月に帰りたい」と願い、衣生は「森になりたい」と願っていた。
    似たところのある二人は夜、一緒に過ごす。

    ほんのり百合っぽいです。
    女のコ同士のキスやクッキーを食べさせる行為はエロティックだと思います。

    磨布と衣生は、自分を傷付けていた。
    磨布の場合は、父親が気持ち悪いので気持ちは分かるかもしれません。
    娘を裸にして、成長を事細かく測定するなんて尋常ではないわ。
    しかも、母親は何も言わないし。

    ある日、衣生は木と化し、グングンと育って、望みだった森になる。
    磨布は衣生に登って、月を目指して終わり。
    幻想的で美しいですが、グロテスクな印象がありました。

    衣生の話に登場する翼のコは中也だよね。
    やっぱり、周りにはバレバレだったんだ(笑)

  • 【あらすじ】
    恋をしたことがないのに恋多き女と誤解されている中学生の美野里。付き合ったつもりのない相手から新学期早々に別れ話を切り出されてしまう。その時、美野里のもとに青いカケラが落ちてくる。それは後輩の恋心が結晶してできたフレークだった(「あおぞらフレーク」)。東京の“世界谷”を舞台に描かれた4つの不思議な物語。

    【感想】

  • 中学生のときよんだ
    なつかしい
    淡かったなぁなんだか

  • しばらく前に読了。以前ハードカヴァーで読んだものを文庫で再読。
    4篇の短篇連作。以前読んだときは好きになれなかったのだけど、今回は割と平気だった。中途半端な終わり方をどう取るか、なのかな。
    続編「プラネタリウムのあとで」のあとに再読したら、また印象が変わるかも。

  • 恋する気持ちが空に打ち上がってしまう少女や、背中に翼を隠し持った少年など、特異体質を持った少年少女達のこれまたちょっと変わった恋愛短編集。

    解説に他者と関わって自分を見つめていくとあったけど、ちゃんと自分に向き合えた話は「水に棲む」くらいしかなかったんじゃないかなぁと個人的には感じた。

    「あおぞらフレーク」も良かったけれど、あともう一歩成長と言うか変化が欲しかったかもしれない。
    「飛べない翼」の少年は、結局自分見つめ直さずに自意識過多のまま終わった感がする。
    むしろ成長変化的には隣家の女性の方が、感情移入できたような。
    「つきのこども」は幻想的な空気は一番出ていて素敵だったけど、終始2人の共依存関係で終わっ
    てしまった感が拭えなかった。

    YA文学でよく名前を見る作者だったので気になって手に取ってみたけど、YA世代に自信を持って勧められるかなーと、若干消化不良。

    「水に棲む」と「あおぞらフレーク」は、とても素敵で気に入った二本だったので、また他の作品にも挑戦してみたい。

  • 好みだと思うけれど、日常の突飛なファンタジー感が好みではありませんでした。

  • 少女の恋する気持ちは胸の奥で結晶して、どーんと花火みたいに打ちあがって空を壊す。その青い破片は甘くてさわやかな恋のフレークになる。初恋もまだの恋多き女は、不安な気持ちになると心の踏み切りの警報音が鳴り続ける自称踏切人間。
    背中に翼の生えた自意識過剰な少年は隣家の32歳、独身、デブ、アニメオタクでパラサイトなアザラシ女の砂時計の砂に巻き込まれ、身体が宙に浮いたセンパイに失恋した少女は涙のプールにぽちゃんと潜り、自分の居所を見出せない少女たちは美しい森へと変成し、また森を照らす月となった──。

    東京都世界谷に住む子供やちの織りなす不思議なファンタジー。
    ファンタジーだけど、意外と内容は夢がない(褒め言葉)。夢の無さ加減が作品の不思議な空気感を作り上げていていい感じ。

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