治療塔 (講談社文庫)

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著者 : 大江健三郎
  • 講談社 (2008年2月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759816

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治療塔 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 確か、筒井大人が「本の森の狩人」で紹介していたような。大江がSF好きの武満のために書いたんだそうです。

    大枠は確かにSFで。
    えーと、汚染されきった地球。
    スターシップ公社は100万人の「選ばれた者」たちを選抜、「新しい地球」に移住。なぜか十年後に帰還。(この経緯がSF)「残留者」たちは結構生き残ってて。
    残留者リツコの伯父・隆は公社総裁。
    公社技師の隆の息子・朔とリツコがくっついて・・・
    と、どんどんSFからただの大江節へ ^^;;

    祖母が隆に、
    「公儀の為と身内を切り捨てるお前なら、
    よもや母がお前を撃たないとは思うまい」と
    銃をつきつけるところが最高に格好良かった。
    ・・・実際に撃つし ^^;;
    はい、刀自贔屓です、私。

  • 選ばれた者たちが新しい地球に移住し、突然戻ってくる。彼らは10年たって戻ってきたにも関わらず、一様に若かった。
    彼らは地球に残った残留者達はもっと数が少なく、汚染されていると思ったようだが、予想に反して残留者は生き残っていた。

    主人公のリッちゃんは、戻ってきた従兄弟のノリちゃんと恋愛関係になり、選ばれた者たちが10年たっても若い理由は、新しい地球で見つけた治療塔に入り、治療を受けたおかげだと聞く。
    他にも、選ばれた者たちが残留者を支配しようとしていることなどを聞き、2人は田舎の農村へ逃れ、かくまってもらうが、ノリちゃんは残留者に対する支配を止めようと、選ばれた者たちによって作られた会社へと戻っていく。

    2人は今のところ安全なのだが、引き離されないかという不安が読んでいてずっとつきまとった。
    登場人物が話すときに「」を使わない、途中にイェーツの詩を挟んでくるなど、文体が特徴的。

  • 大江作品に接する機会が少なかったので、面白そうなSFから始めてみた。1990年作品なので、世界情勢も変わっているが、人間の性をえぐった作品で、含蓄多し。

  • 結局何を言いたいのか…なかなか難しい小説でした。
    20年程前に発表された近未来SFということでしたがなんかいまいちピンとこない設定だなと思いました。

  • これは女性が読んだ方が合うような気がする。所々刺激的な言葉はあれど、主人公は女の子で、全体的にも再会という部分に随分重きを置いている。SFとしては少々不足していると言う感じ。もうちょっと宇宙船に見られるSF要素を随所に張り巡らせた方がそれっぽかったのでは。

  • <poka>
    未来への希望なのか絶望なのか…。何度も読み直したくなる一冊。

    <だいこんまる>
    ノーベル賞は敷居が高いですぅ…。

  • 2009年2月18日購入

  •  わたし大江健三郎と同郷なのに初大江でした。<br>
     近未来、人類が「新しい地球」に移住する「選ばれた者」と、資源が枯渇し汚染された地球に残る「残留者」に分かれた世界を描く。それも「残留者」側の女性からっていうところが面白い。考えるSF、議論するSFで、冒険譚などではないので、レツゴー宇宙移民!!みたいなのを期待して読み始めるとガッカリするに違いない。<br>
     階層社会とか科学文明とか近現代の人類をとりまく様々な要素を取り入れながら、宇宙に出て超常現象的な恩恵を受けてまで人類が存続する価値があるのか、とか、そもそもそういう人間は「人間」と呼べるのか、じゃあ人間ってなんだよ、とポロポロ疑問を投げかけてこられたけど、あまりすっきりしない感じで終わった。
     文章がそんじょそこらの作家とは格が違うよな。しかし噂通りのねちっこい文章で最後の方はかなり疲れてしまった。有名な純文学系の作品を読んでからにしたらよかったかも、と少々後悔。<br>
     敬語なのか受け身なのかわかりづらい「〜される」の言い方が愛媛っぽい。「〜ですが!」の語尾でしゃべり、息子にレーザーガンをつきつける南予生まれのおばあちゃんがかっこよすぎませんか。

  • 大江健三郎の20年近く前のSF小説。とはいっても、SF的な設定・話は最初と最後(特に最後)に出てくるだけで、多くはそれとはあまり関係ないところで話が進んでいく。チャレンジャー号爆発事故とイエーツの詩から主要なイメージを得ている。宇宙開発競争や階級分化に代表される科学主義と資本主義という現代の進化の方向と、それとは反対の「人間主義」(とでも呼びそうなもの)や自然主義との相克が描かれる。そして、その中に人類に対する「悲しみ」が漂う。ただ、宇宙開発、科学主義、階級、工業化といった色々な問題の一つ一つは簡単に触れられる程度で、何らかの主題が深められることはない。(著者自身による感想でも強調されている)「悲しみ」、の雰囲気を味わう(だけの?)小説。

  • こちらもパラパラして気に入ったので
    ゲットしました。私にとって久々の
    大江作品、楽しみです。

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治療塔 (講談社文庫)の作品紹介

「選ばれた者」たちが「新しい地球」に移住した。「残留者」たちは、資源が浪費され、汚染された地球で生き延びてゆく。出発から10年後、宇宙船団は帰還し、過酷な経験をしたはずの彼らは一様に若かった。その鍵を握る「治療塔」の存在と意味が、イェーツの詩を介して伝えられる。著者初の近未来SF小説を復刊。

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