モロッコ水晶の謎 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1993
感想 : 132
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062759885

作品紹介・あらすじ

とある社長邸のパーティに招かれた推理作家・有栖川の目前で毒殺事件が発生!邸内にいた10人の中でグラスに毒物を混入できたのは誰か、そして動機は…。犯罪学者・火村が超絶論理で謎に挑む表題作ほか「助教授の身代金」「ABCキラー」「推理合戦」を収録。本格推理の醍醐味に満ちた"国名シリーズ"第8弾。

感想・レビュー・書評

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  • 国名シリースは実に久しぶりで干支が一回り以上している。有栖川さんの作品は短編よりは長編の方が好きだな、そして、作家アリスよりは学生アリスの方がより好きだな、って枚か思っているような気がする。「ABCキラー」のような作品を読むたびに、このフォーマットを作ったクリスティは偉大だなって思う。

  • 短編集。

    「教授の身代金」
    1話目から猛烈に面白かった。
    「教授」が誘拐された。そして、殺害された。
    容疑者は少ないのに、全員にアリバイがある。
    誰が犯人なのか、全く想像がつかなかった。
    相変わらずの火村助教授の冴えわたる推理が素晴らしい!
    そして、どのような思考の過程からその結論に辿り着いたのか、説明を聞いて、なるほど!と唸らされた。
    なにげないエピソードの中に、ちゃんと伏線が散りばめられていたのだな…。
    これまで見たこともない物語で、とても楽しめた。

    「ABCキラー」
    アガサクリスティのABC殺人事件を彷彿とさせる。同じ結末のはずはないから、どんなオリジナルストーリーなんだろう…と読み進めていくと、なるほど、新しい発想だと思った。やはりストーリーがよく考えられていて楽しめた。

    「推理合戦」
    10ページにも満たないちょっとしたコバナシ。

    「モロッコ水晶の謎」
    水晶占いモノ。登場人物の人間模様やストーリーは、まあまあ楽しめたが、肝心の毒殺の方法や犯人に辿り着くまでの火村助教授の推理については、少しガッカリ感があった。この短編集の目玉商品にするには、少し力不足かな。「教授の身代金」や「ABCキラー」の方が私は好きかな。

  • 超短いけど、『推理合戦』がすき。シンプルだけどまとまりつつオチもいい。

  • 予言というものは、非合理的だとされていますが、信じた人が殺意を持ったら、こうなってしまったということなのでしょうか。
    「推理合戦」は、楽しめる作品ですね。

  • これでAudibleの国名シリーズも最後。面白いと思った順に数字を振っている。

    ③「助教授の身代金」
    ①「ABCキラー」
    ②「推理合戦」
    ④「モロッコ水晶の謎」

    なんというか、ネタが尽きてきてるかな?
    特に表題作は論理と非論理的を融合したチャレンジなのかもしれないけど、今ひとつ説得力にかけた。

    本格、好きなので辛めの点数。

  • 表題作「モロッコ水晶の謎」は、大御所だから許されるのかなと思います。これを若手が書いたら編集にめちゃくちゃ怒られそう…。
    とりあえず、かなりの作品数を書いてきた有栖川有栖先生の野心的?作品です。
    他の短編もあれ?(あとがきで作者も書かれていますが)と感じる異端の一冊です。

  • なんといえばよいのだろう?
    有栖川有栖は好きなはずなのだけれと、今一つ、読んでいる最中の体がざわつくような、謎への興味、期待感が少ないような?

    アリスと火村助教授コンビは、たしかに、ホームズとワトソンのように、作品を読んでいる時は、とても安心感があり、心地よいのだが・・。

  • 第8弾
    短編集というには長い話集。 「助教授の身代金」あとがきで筆者も書いていたけれど、火村が誘拐されるのかと思った。 犯人はもちろん悪いのだけど、被害者も“共犯者”もダメダメで、読んでいて気が滅入った。 「ABCキラー」事件がどうとかよりも、アリスにつきまとう記者が好きになれない。やはりクイーンは読破すべきか… 「推理合戦」朝井先生、好きなので出てきてくれて嬉しい。ぎゅっと短くて面白い。 「モロッコ水晶の謎」何とも言えない話。動機が繊細すぎる。あまり現実味がない。信じるってときどき、とても怖い。

  • 国名シリーズ8作目らしい。中編3作、短篇の推理合戦の4作品。題名はこじつけでない事を願いつつ、なぜこの表題にしたのかを意識しながら読んでいく。

    助教授の身代金:助教授といっても火村ではない。真犯人の動機が解決を遅らせる。普段何気ない言動を記憶している火村、それが解決へと誘う。

    ABCキラー:アガサのABC殺人事件を倣っているのだろうか?警察に届いた手紙を書いた者、殺人犯、被害者が複数入り乱れ、より複雑になっている。そこが読み応えがある。

    モロッコ水晶の謎:表題作、やはりこじつけか?例えとしてモロッコの路地が迷路のようで、推理の行き詰まりを表現しているというのは無理がある。水晶もモロッコ産ではない。作中の表現で、人は親しい友人に打ち明け話をするのではない。通りすがりの人に人生の重さを語るというような表現はよくわかる。

    間に推理合戦という短篇がある。箸休めだそうだ。焼き鳥が食べたくなった。

  • 表題作モロッコ水晶の謎の結末はスッキリとしないものがあったが、占いというものを信じるならばアリだとも言えた。ABCキラーはクリスティのABC殺人事件を読んで好きだったので、こんな形もあるんだなと面白かった。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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