愛の幻滅(下) (講談社文庫)

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著者 : 田辺聖子
  • 講談社 (2008年3月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760133

愛の幻滅(下) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 関西弁のセリフに慣れ心地よくなってきた、後編。
    不倫自体に飽きてしらけてきた彼女。
    その感情の変化も、すごく共感してしまった。
    些細なことで、女心は移りゆく。
    なんの計画性もなしに、感じたままに、気分のままに、
    著者が筆を進めている様が思い浮かぶ、
    その気ままな文章がまた、心地よい。

  • 【本の内容】
    <上>
    眉子、28歳。

    妻子ある男・東野と恋の真っ最中。

    勤務先で同僚の稔からアプローチされるけれど、そんなのはまったく目に入らない。

    「夫婦やない男女の仲ほど、面白いもんはない」と東野は言う。

    わからない。

    夫婦というものになったことがありませんから!と拗ねつつも、大人の恋にはまっていく。

    傑作恋愛長篇。

    <下>
    ミイちゃんこと、稔にプロポーズされた。

    しかし眉子は妻子ある東野を「待つ女」から脱しきれない。

    そんな中、眉子は東野と初めて“長期旅行”に出かける。

    「いいときにしか会わない」なんていびつな関係が変わることを望んで…。

    ドライで素敵な「笑い恋」は夢にすぎないのか?

    恋の本質を、鋭く優しく描く。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    人の上に立つからには、人を使っていくからには、精神がケチな人ではいけないと思います。

    この『愛の幻滅』にでてくる東野さんという男、至極魅力的な男で、主人公の眉子によると、〈ゆきずりの人間なのに、惜しげもなく、おべんちゃらをいって、相手をいい気持ちにさせてくれるって、気前のいい人だと私は思わずにいられなかった。あんな人こそ、精神的な、お金持ちというのだ!〉

    話した後、「思い出し笑いをさせてくれる人」、「なんとなくふんわりした気持ちにさせてくれる人」って素敵。こんな人と働くことができたら、従業員のモチベーションも勤労態度もきっと向上するのではないだろうか。

    「相手を、いい気持ちにさせるのは業腹だ」とばかりしかめっつらしないで、心に余裕をもつことが、人に分け与えても減らない心を持つことが大事なんだな、と自分(社長じゃないけど)にもいい聞かせています。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ミィちゃん(稔)にプロポーズされるも、妻子持ちの東野を思い切れず。

    でも、始まりのように「目の前の草だけ抜いて」もいられない。

    自分との付き合いは日常とは別の夢世界にしたい男と、日常を求める女。日常イコール結婚なんですけどね。
    愛しているけれども、付き合ううちに段々粗が見えてきて、幻滅してしまい、現実が押し寄せてくる。
    別れた方がいいことは分かっていても、愛していて・・・・。

    ラストは、誰よりも愛していながら、ついに彼と別れようとする主人公。
    それには同じハイミス友達と飲み友達ミィちゃんがくっついた(最初は主人公に言い寄っていて、どちらでもいいとか言っていた)、ことも関係している。
    ショックを受ける主人公を馬鹿だなーと思いながらも、この気持ちはよく分かる。
    不倫の男を愛しているがゆえに、ミィちゃんには踏み切れず・・・・かといって不倫男とは前には決して進まず・・・・
    現実を見切って、前に進まないといけないのよね、ある程度の年齢になると女は。

    ハイミス友達の子が一番賢いというか、タフだったなぁ。
    私だけと思ってプロポーズしてくれない!ロマンティックじゃないこんな結婚嫌!とか思わず、まっいいか~と結婚しちゃうあたり、すごいかも。
    理由づけがなくても前に進めちゃうのかーみたいな。私にはちょっと無理かも。

    でも不倫の場合は、まぁいいかと棚上げしてたものが耐え切れなくなって落ちてくるとき、解決策がないんだよね。
    人生は結構大変。
    なので、最初から不倫だなんて重いものを背負い込まなくてもいいよねと思う本でした。

  • 下巻は切ない!!
    どんな事柄、ものにも、必ずや終わりが来るのはわかっていることなので、常に終わりを意識して生きていくという心に共感した。とにかく楽しむということ。

  • 眉子と東野2人の関係は変わらないものの、周りの環境に少しずつ変化がある。
    その中で、眉子の気持ちにも少しずつ、小さな変化が出て来て…


    続編はとても切なかった。
    恋愛初期のフワフワした頃は、一緒にいるだけで全てオッケー!幸せ!と単純に思うけど、段々自分の心の中が見えてくると、相手の事も見えて来て自分を誤魔化せなくなる。

    いつからか、「してあげる」が多くなった。この感覚すごく共感。そんな風に思いたくないのに!

    何事も言わないとスッキリしない人には全くオススメ出来ない小説ですが、不倫とか関係なしに、少し気持ちを抑えてもついつい楽しい関係を取り繕ってしまう人にはものすごく共感出来る話だと思います。

  • ふたりの掛け合いが秀逸。

  • いつからか、させてあげる、されてあげることが多くなった。

    愛はいつか幻滅する。

  • これはもう、

    わたしの教科書です。

  • わ~。後半せつないわ~。
    ミィちゃん(稔)にプロポーズされるも、妻子持ちの東野を思い切れず。

    でも、始まりのように「目の前の草だけ抜いて」もいられない。

    やっぱりおせいさんは上手いなぁ。

  • すごいなぁ。
    田辺聖子は、こんな恋愛を実際にしたんやろか?
    これは、ありきたりにあることなんでしょうか?

    ちょっとびっくりする。
    透けて見えてるんかな?

  • 127,156,148,183,210,266

  • 妻子ある男性と28歳OLとの恋愛ストーリー。
    最初のうちは、二人の他愛ないやりとりも面白く読めるのですが、徐々に飽きてきました(^_^;)

    彼女が男性から教わったこと。
    「大好きな人間といるときは、おべんちゃらやお愛想を、惜しげなくふんだんに浴びせあって、よけい楽しくすること」
    う~ん。。ある意味正しいと思うけど、不倫の関係にこそ当てはまるのでは、という気もする。。
    でも、どんな関係でも、どれだけ慣れ親しんだとしても、お互いのいいところを言葉にして褒めあえる関係は大事、な気がする。

  • 上下巻、じっくりと味わいました。タイトルからもわかるように、男女が少しずつ、少しずつすれ違ってくようすが丹念に描かれてます。でも、ちっともかなしい気持ちにならなかった。切なくはあるけれど、これもひとつの結末なんだよなあ。

  • 棚上げできる能力

  • メロメロ感の失われ具合の描写が絶妙だけれど、でもやっぱり短編の方がいいと思う。

  • 眉ちゃんの東野との恋を、”笑い恋”にしようとする気持ちに深く共感した。
    ラスト数ページ、「〜してあげたかった」のくだりなんて、涙がでてきた。
    眉ちゃんと東野の関係は、きっともう長くは続かないのだろう。

  • みちるになれたらいいと思うけど。
    今の私はきっと眉子だ。

  • ひさしぶりに田辺聖子読んだけど、やっぱりすごいわ。。

    不倫ものなのにこの爽やかな読後感。
    (タイトルはちょっとドロっとした感じを想像させちゃうけど)

    携帯どころか電話はアパートの管理人さん呼び出し式。
    でも、電話を待ってる女の子の気持ちって普遍なんだなぁ。。

    「笑い恋」
    いいことばだな。

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