子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)

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著者 : 辻村深月
  • 講談社 (2008年5月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760492

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子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 辻村さんの小説の中で今のところ一番の求心力だ。

    二年前に唐突に現れた謎の天才学生『i』。
    海外留学の副賞の付いた八大学で競った論文で、横から結果をかっさらった形の『彼』。
    それが自分の双子の兄であることを知った浅葱は『彼』に再開を望むが、『i』から色良い返事は中々貰えない。
    そんな中で起きる浅葱の過去を抉る出来事。それを解決、へと押し流した『i』は浅葱と会う条件に一つのゲームを提示した。
    殺人を互いに犯して行くそのゲームを呑むことにした浅葱はゆっくりと日々を蝕まれていく。


    物語のはじまりは月子という女の子が執着する狐塚は留学のかかったレースの優勝候補だった。彼が海外へ行くことへの気持ちの整理をしながら、彼が結果を待つ大学の研究室への階段を上っているところから始まる。
    派手な見た目と、キレのいい会話のできる月子の繊細さが気にかかる。彼女と狐塚の関係性を周りは彼氏彼女のように認識しているように書かれているけれど、どうも兄と妹のやりとりに見える。
    狐塚の同居人の恭二が狐塚にわざわざ月子を狙う旨を伝えるところとか。
    浅葱の容姿はとても少女漫画のような書かれ方だと思うけれど。それ以外はあまり気にならない。
    双子で兄は完璧で弟の自分を虐待する母親とかも少女漫画のようだけれど。

    気になるのは『i』の存在。浅葱のもう一つの人格でした、なんてオチではないだろうから一生懸命考えながら物語の渦に呑まれたい。

    上巻の一番気になってる箇所は浅葱の過去をえぐった人物の親友(だと思うんだけど…)が『i』に殺された時に過去に『i』を虐待した少年である、と思わせる書き方。でも浅葱には背中に火傷はない?そう思わせるように書いてあるのか…。
    そこも解決するのだと思いつつ、下巻は明日まで我慢しよう。

  •  高校生の突然の失踪事件、家出と世間は見るが、それが事件であることを大学院生の木村浅葱は知っていた。浅葱はある人物に会うため自らも殺人事件を起こしていく。

     なんとなくですが、まだ登場人物たちがぼやけている感じがあります。辻村さんと言えばやはり人の嫌な面(特に女性)を書くのが抜群に上手い、というイメージがあるのですが、今のところ、男性、女性ともにあまりそういう嫌な面(殺人の描写もあるのですが)は書かれていないからでしょうか。主要登場人物についてもそうなのですが、わき役の登場人物たちもどこか上滑りをしているような感じを受けました。

     でもやはりハッとなる描写もあるのが辻村さんらしいな、と思います。第二章の「蝶とキャベツ」の冒頭部分、浅葱とiの邂逅までの部分、月子の女友達との付き合い方など、辻村さんらしい鋭さを感じさせる文章も多いです。

     上巻はまだまだ話がしっかりとみえてこない印象。下巻でこの殺人劇にどういう結末が訪れるのか気になります。

  • 自分にないものを持っている人が、羨ましくなる・・・。

    その人みたいになりたくて、メイクを変えたり、髪型や服を変えたりする。

    でも、同じ事をしているのに、輝いているのは、いつも相手。

    他人が持っているからこそ、よく見えるのであって、自分が持った途端、みるみる価値が失せていく・・・。

    「誰か」になることで輝くんじゃなくて、自分にしかないものを大切にして、生きていきたいなと考えさせられた小説でした。

  • 2013.1.30 読了。久しぶりに読みながら泣きそうになりました。いつもながら心理描写がうまく、話しに引き込むのがうまい。「ぼくのメジャースプーン」→「名前さがし…」→「子どもたちは…」の順をお勧めします。テーマが重く、連続殺人で被害者が多かったかったから、ずっしりと重い読了感。恋愛要素ということに期待して読むにしては重すぎるし殺人ミステリで期待すると恋愛要素が邪魔するかもしれないです。私は読んでよかった。おそらく再読したいと思える数少ない本。少し長いけどお勧めします。

  • 下巻まで読み終わってレビューを書いています。読み終わってから考えると色んなところにミスリードさせられる要素が散りばめられてありました。孝太と月子の煮え切らないような関係も、今思えばそういうことだったのか、と。
    辻村さんの作品はこれまで暗いながらもどこか光がうっすらと差してるような雰囲気だったのにこの作品はずっと藍色の闇の中にいるような感覚。作中に出てきた藍色の闇の中に自分もいるような、そんな感覚になりました。
    暗くてもやっぱり辻村さんの作品は登場人物が魅力的で。しかも今回はみんなの名前がすごく素敵。素敵なあたたかい名前を持つ彼らが闇に巻き込まれるのが苦しい。

  • まだ上巻を読んだのみだが、先に進むのがつらい。救いのない浅葱の施設時代。けっこう凄まじい殺人の描写。これがあるから下巻が救いとなるのか?辻村作品好きではあるが、精神的にツラい。

  • 「i」は誰??読み初めから推理をしてるので退屈しないで読み進められます。

  • ミステリーで泣いてしまったのははじめてでした。
    浅葱の悲しくて残酷な過去とか痛々しい心や月ちゃんと紫乃の女の子同士の歪んだ心が表だって出てて、ミステリーというよりは少女マンガ的青春小説みたいでした。大人になる前の子どもたちの不安定で繊細な心がすごく丁寧に描かれていると思います。
    ただ、犯人がすぐにわかってしまったり後半の長々としたネタばらしというか、言い訳には少し残念だったけれど、月ちゃんの名字や恋心を抱いているホントの相手には見事にだまされちゃいました><

    最後のラストにはちょっぴり救われた気持ちと切なさがこみあげてきました。
    浅葱との月ちゃんの会話もそうだけれど、記憶喪失になった月ちゃんの中に、紫乃の存在がたしかに残っていたこと。これにはうるっときました。

    こういう学園ミステリーは人間関係が賑やかで楽しいけど、愛着がわいてきた同級生が殺されてしまったり、犯人が友達の中にいるのってちょっと悲しくなるなぁ。。
    でも、キャラクター小説としてはすごく楽しいです*

  • 内容紹介
    大学受験間近の高校三年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱(あさぎ)だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番ーー」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    えーとまず大前提から。
    果たして大学生は大人か?子供か?

    過去の事件は確かに子供の時の話だけど、
    実際の事件は彼らが大人になってから。

    ゲームを始める浅葱は大人...ではないのだろうか。
    体は大人、頭脳(心)は子供、と言う感じか?

    でもねぇ、実は浅葱がメイン人物だと思いませんでしたよ。
    本文の中にもあったかも知れないけど、(あ、あ違う、赤川翼が言ったんだ)なんでも出来てイケメンの「主人公の友達」だと私も思ったよ。

    てっきり月子と孝太をめぐるお話かと...
    この二人の関係も上巻のうちは明かされないしね。
    お付き合いしてる恋人同士、って言う扱いだけど
    なんかそれだけじゃないような...?ってもやもやさせられるかも(´・ω・`)

    まぁ実は私はどっちでもよかったんだけど(笑
    きっとこの二人の関係も何かキーになるんだろうな、くらいの感じで(笑

    主人公の一人(と言う言い方は正解だろうか)である月子には、女性としてなんか違和感。

    周りの男性たちからちやほやされて(お姫様ごっこ)、
    甘やかされるモテ子みたいに書かれるのだけど、
    その実は化粧も服装も派手で自分を飾り立ててる。

    その割に話し方や態度は好感が持てる...と、書かれている。
    子供にも好かれる、と。

    まぁそのギャップがいいんでしょうか。
    でもなぜ飾り立てた女性にする必要があったのか?と。

    この後に出てくる荻野先輩や紫乃、白根さんとの差をつけたかったのかな?

    月子は可愛い女性なんだろうとは思ったけど、
    感情移入は出来なかったなぁ~。

    それは月子のせいじゃないよ!
    たぶん私のせいだと思う!

    ただ、紫乃との関係性は女性ならではで見てて辛かった...
    自分も誰かを月子みたいに扱ったことがあるし
    扱われたこともありそうだし...><

    あ、そうそう浅葱でしたね。
    果たして「i」は誰なのか?
    浅葱は彼と再会できるのか!?

    そしてそのためにはこんなゲームをずっと続けなければいけないのか...

    どきどきしながら待て次号(笑。

  • 大好きな本。
    月子をはじめ、登場人物がとても魅力的。
    基本的に辻村さんの書く人物はみんな素敵なんですが。
    浅葱みたいな男の人が実在したら女の子にモテるだろうな…と思いながら読んでいました。

    話としてはかなり重め。
    描写がリアルで痛々しい箇所がいくつもあるので、苦手な人は苦手かもしれないです。
    最後の最後にひっくり返されてしばし呆然となった記憶がある。

    辻村作品の中では「ぼくのメジャースプーン」に次いで2番目に好きな作品。

  • まず上巻を読了。つい最近に「ぼくのメジャースプーン」を読んでおり、この作品の登場人物が登場していることから、こちらを積読から引っ張り出してきたのだが、これは逆の順番で読んだほうが時系列的には正解。ただ、逆でも色々と想像が出来て面白い。
    辻村作品は、エピソードの種明かし(伏線ではなく)がすぐに描かれることが多いので、するすると読むことができる。
    浅葱の心情が辛く、月子の友人への接し方、狐塚の完璧ぶり?が下巻でどうなって、どう変化していくのかが楽しみ。
    ある大切な人を殺してしまった描写は辛かった。

  • これも小学生の時に読んで母が悲鳴をあげてたっけ…
    可愛い装丁に騙されてはいけません。
    辻村作品でもダントツの残酷描写のオンパレード
    殺人のやり方なんてほんと読んでるだけで血の気が引いてきます。
    でもそれ以上に怖いのは…

  • 読んでしまった、上巻。

    登場人物の多い辻村作品は、一人一人に添いたくて一章ずつ大事に読もうと思っていたのだが、ズルズル引き込まれ、500ページを一気に読まされたという感じ。。。

    散りばめられた物語が、下巻でどう繋がりを深めていくのか、覚悟を決めて読まなくてはいけない作品である。

  • こわいこわい。辻村作品。

  • 蝶の話が衝撃でした。
    これはトラウマになるよ。
    自然のなかで起こることはどうしようもない。
    そういう仕組みがあることも知ってる。
    でも…関わってしまうとつらいよぅ。
    蝶になるのを楽しみに青虫から飼育して、さぁいよいよ蛹に!でアレでしょ。いや、無理だわ。蛹に無事になって、きれいな蝶がでてくるよ!でアレでしょ。おぉう寒気がする。生きてる虫は平気だけど、死んだ虫は苦手な私。死ぬ場面をみるなんてもっと嫌!(T ^ T)

    上巻で一番印象に残ったというか若干トラウマに。

  • まさに辻村ワールド!!
    読み出したら止まりません。

  • 時間があればもう一回
    読んでおきたい!
    こんなに深い本は初めて。

  • 文庫版の表紙に惹かれて、ずっと読みたいと思ってた作品。でも、ノベルス版で本当は読みました。いつかは文庫版欲しいな。
    この作者さんに力があるのは分かるんですが、上下巻に分かれる作品は作品の世界に引き込まれるまでにとても時間がかかるんですよね。今回はスロウハウツほどはかからなかったけど。
    途中読みたくないような描写が何度かあったんですが、続き、というか結末が読みたくて読みました。犯人の内面が分かるとだんだん辛くなってくる。だったらもうやめようよって思う。

  • 救いようのない彼を、辻村さんは救ってくれるのだと信じて下巻へ...

  • 感想は下巻にて…
    ただ、非常に引き込まれます!
    早く結末が知りたい!!

  • 幻の学生、行方不明の高校生、殺人事件、iとθ。悲しい叫び、儚い祈り。辻村さんの作品の中で一番グロいと思う。読み返すのが辛い、けれど、愛しい。ふと読み返したくなる。

  • 少し、残虐性とホラー色が強くて、サスペンス慣れしていない私には、読み進めるのが辛かった。主観は次々と変わるのに、誰もが淡々としていて暗闇のようだった。

    けれど、それも第二章が終わる頃になると気にならなくなった。文章に慣れたというのもあるが、登場人物たちの人物像が見えだして、その心情一つ一つに共感や納得をしてしまう自分がいたからだ。

    辻村作品の登場人物は常に等身大だ。
    それは、美点や長所ではなく、卑屈なところ、醜いところを描き出すからだと思う。登場人物たちの劣等感に同調すれば、暗く重いこの上巻もあっという間、だと思う。

    とにかく、夜、のタイトルの通り、暗闇を閉じ込めた本のように感じた。

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