子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

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著者 : 辻村深月
  • 講談社 (2008年5月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (569ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760508

子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • やられた。
    辻村作品を読むときは絶対に騙されないように、特に『名前』に気を付けて読むのに、やられた。
    呼び名や名前から受ける固定観念的印象、いつもの手なのに毎回引っ掛かってしまう。

    上巻があまりに暗かったので、どうかお願いします、そんな気分で読み始めた。
    帯や裏表紙に書いてある言葉があまりに残酷だったので、嫌な予感しかしなかったのだ。

    でも、さすがは辻村さん。
    凍りのくじら、でも思ったけれど、辻村さんは深い深い闇に登場人物を陥れておきながら、たった一言でそこにスポットライトを当ててみせる。
    一言で救ってみせるのだ。

    ただ、一言で救われるということは、受け身の形では絶対に成り立たないだろう。
    長い物語を通して、成長したからこそ、成長して自分が求めるものを知ったからこそ、ただ一言だけで救われることができるのだ。

    悲劇的なラストに温かな光が差し込む。
    それは月の光のごとく深い夜を照らしてみせる。

    面白かったです。

  • どうして彼女(辻村深月)の作品からは、こんなにも愛を感じられるのでしょうか。
    とても残酷で、悲しくて、切なくて、けしてハッピーエンドではないのに胸が熱くなるこの読後感。
    しかも後半のどんでん返し。またしてもやられた感がハンパなく、違和感がありながらも気持ち良く騙されていました。その反動で切なさ倍増で涙が止まらず…。
    ラストは浦沢直樹の『モンスター』の様だな〜と思いました。

  • 面白かった。
    上巻も止まらなかったけど、下巻は半端なかった。
    残酷で切ない。

    浅葱に早く終わってほしい、終わらせてあげたいと思いながら、でも悲しい終わり方しか想像できなくて、後半は読むのが辛かったな。

    i=θだと分かった時は、ちょっとガッカリしたけど。
    二重人格はミステリーにありがちな着地点だよね。

    でもどちらの浅葱もある意味人間くさくてよかった。
    そうだ、生きることにもっと執着しなくては。

    『人間には誰でも、大好きで泣かせたくない存在 が必要なんだって。
    君が生きているというそれだけで、人生を投げずに、生きることに手を抜かずに済む人間が、この世の中のどこかにいるんだよ。』

    この言葉で、あぁ、浅葱はこの先ずっと独りでどこかで生きていけるんだなぁと、少し救われた。

    読了後は、表紙を見ながらしばしぼんやりしてしまった。
    そして、タイトルがしっくりきてちょっと感動した。

    けど、恭司は私の中でナゾの存在だなー。

  • 休みの日に一気読み。
    上巻は孝太、月子、浅葱、恭二の四人を中心として語り手もくるくる変わりながら関係性と個人の特性を読者に染み込ませる感じだったが、下巻は浅葱の独白、過去の語りに重点を置かれていたように思う。
    上巻の感想で書いた二つの疑問と推理?が当たってしまっていてちょっとがっかりもあったけれど、そんなことが些細なことであるくらい物語が素晴らしかった。
    今までの作品はなんとか堪えた涙が、後半にはどうしようもなく溢れていた。

  •  ゲームの進行に徐々に追い込まれていく浅葱だが、ⅰは無慈悲に浅葱を追い込みながらゲームを続けていく。そして浅葱は残酷な決断を迫られていく。

     ミステリのネタとしてはそこまで驚くべきものではなかったですが、やはり辻村さんの文章力、表現力はすごい、と思わされた作品です。

     上巻では説明的な文章も多く、テンポが遅かった印象ですが、下巻では浅葱が徐々に追い込まれていく様子がものすごく緊張感にあふれていて、月子とその友人たちの微妙な人間関係の描き方もしっかりと、そして何よりも第九章の浅葱の心理描写の迫真さは読んでいるこちら側も苦しくなってくるほどでした。

     ゲーム後の展開はとにかく切ない……。だれも悪い人はいないのになぜこうならざるを得なかったのか、人間の難しさ、運命の皮肉さについていろいろと思わされました。

     不満点を書くとすると、結局最後まで、いま一つ人物像をつかみきれなかった登場人物がいたことでしょうか。結構思わせぶりな雰囲気だったのに、結局その人物についてはあまり語られず、なんとなくモヤモヤとなってしまいました。

  • 目を瞑りたくなるような話だ。この物語を、理解し、消化し、受け入れるには、私はまだ時間が必要で、できるかどうかもわからない。そういう話は、私は好んで読まない。

    殺人ゲームなんてお話、できれば読みたくなかった。
    自分の都合で、関係のない人をゲームで殺すなんて、私は受け入れられないし楽しんで読めない。お兄ちゃんに会う為のゲーム?バカバカしい。ゲームで人を殺す i と θ に、やり場のない気持ちを抱いた。
    どうして、ただ、会えばいいだけでしょ?と。

    月子が好きな浅葱。普段は冷静でも、誰よりも負けず嫌いで一人でもがいて、皆の前では涼しい顔をする浅葱。
    月子が好きだった浅葱は消えて、
    月子は浅葱を忘れた。
    最初から月子と浅葱の間には何もなかった。
    少しの掛け違いで、崩れていくふたり。
    とても切ないです。


    藍と浅葱。月と太陽。
    月は藍色の空によりそり、藍色の空は月を包む。
    太陽は浅葱色に空を照らし、浅葱色の空は月を待つのでしょうか。
    (・・・無理やりでしょうか?)
    そんな事を思いつつ、読みました。

  • 上巻の前半は話が見えずなかなか読み進められなかったのですが、話が進むに連れて、引き込まれていきました!

    表紙に惹かれて買った、初 辻村深月作品でしたが、こっからハマりました!

    どうしても悪いのは浅葱なのに、憎めないむしろ愛おしい程に、人間性が描かれています。

    最後の最後まで息つく暇なく、スピード感があってダークで残酷なのに、温かく愛があります。

    最後まで展開が読めずダマされました!
    初の辻村深月作品、最高でした。不思議な辻村ワールドを味わえた特別な一冊になりそうです。

  • とんでもなく衝撃を受ける箇所で仕事に向かわなければならなくなったので、仕事モードにするのがとても難しかった。なんというか胸が一杯になる物語だった。勧善懲悪が基本的に好きな自分自身が、憎むべき犯人まで受け入れてしまう事に驚き、また違和感を覚えています。
    トリックや辻褄等に穴がたくさんあるのかもしれないけれど、この大きな風呂敷に明いている穴はとても美しいです。あまりに綺麗に穴が沢山明いているので模様に見えているのかも。愛おしい物語でした。

    以降ネタバレです



















































    もう浅葱と月子が2人で向き合うシーンではあまりにも感情移入し過ぎて「逃げて!月ちゃん逃げて!」と心で叫んでいました。本当に叫んでいたらきっと通報されていたでしょう。その後で月子と孝太が兄妹だったと分かった時の浅葱の衝撃!嗚呼なんでわからなかったのよ・・・。ていうか救急車だけでも呼べよこのヘタレが!!うおーっというところまでが昼休み。もうね、弁当味よくわからなかったですよ本当に。
    結構まだページがあるのにこの大事件だったのでこのあとどうなるのか辛くて辛くて。。。ひょっとして月ちゃん不在のまま終わってしまうのではいかと思ってびくびくしながら読んでいました。
    ふう・・・何とか一命は取り留めたのかと一息ですよ。ほんと辛い。
    それにしても日向子さんの結婚のシーンで、見送った後に月子が号泣するシーンでは胸がぎゅーっとなって私泣きました、ええ泣きましたとも。なんて心優しく誇り高い子なのでしょうか。

    謎解きと翼君の話はまあおまけみたいのものですが、エピローグがまたよかったですね。これも勧善懲悪派としては不本意ですがとてもいい終わり方でした。

  • 下巻から怒涛の展開。
    浅葱が月子ちゃんを殴って、そのあと真実に気づいて誰か俺を消してとかいうところにほろり。
    でも残酷なのは、月子たちと一緒にいた浅葱は浅葱ではなくて、、
    残虐非道だと言われてたiが浅葱だなんで…でもあの一文はぞわってきたなぁ

    最後の恭司と月子っていう章のタイトルがすてき。終わり方がとてもきれいな作者さんだと思った。
    凍りのくじらでも震えたわ。

    うわあ本当に面白かった。上巻は読み直す気にはならないけど。

  • あとがきか何かに希望の残る最後だった、といった感じのことが書いてあったけれど、私はこの終わり方のどこに希望があるのかわからなかった.悲しい殺人を続ける浅葱とそれに気づいてしまった月子.月子を手にかけてしまった後に月子の気持ちを知った浅葱.そのときに「俺のことはどうなってもいいから月子をたすけて」と願った通り、浅葱は消えて、月子は一命を取り留めた.月子は浅葱に殴られた後のモノローグにあったように、「私と浅葱の間には何もなかった」と言う.その言葉通り、月子は目覚めたら浅葱のことをすべて忘れてしまっていた.挙句にiの正体は「本物の」浅葱で、実体がないのは今まで苦しみながら生きてきた浅葱のほうだと言うからもうどうしようもないなと思った.読んでてひたすらつらかった.

    話としては最後に全部伏線が回収されて一本の線になるのは純粋にすごいなと思ったし、読んでいてすっきりしたというか、そういう感じは確かにあったけれど、感情移入したまま読んでると苦しかった.誰も救われなさ過ぎて.ここまで登場人物に感情移入できるように書くっていうのもすごいことだとは思うんだけれど.浅葱がもうどこにもいないのが悲しい.

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