子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 849
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760508

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物全員に幸せになって欲しかったと思いました。浅葱もどうかこの先無事に生きていて欲しい、と思います。浅葱の隣に月子がいたらもっとずっと良いんですけど...

    辻村深月さんの作品は言いようのない日常の気持ちを代わりに代弁してくれているようで読んでいて救われます✨(言い過ぎですかね?)

  • ファンタジー抜き、ミステリー要素強めな作品。

    王道な展開のはずが、ミスリードにもれなく引っかかり、iの正体は全く予想できなかった。
    ほとんどの人が騙されるであろう叙述トリックも(現実的には無理があるのでは、、、?と思いつつ)見事にやられた。

    上下巻でボリュームたっぷりなのに読み始めると止まらなくなるので要注意。

    重たい内容に反した読後感の良さや、生々しい人物描写はやっぱり辻村深月さん。登場人物もキャラが立っていて愛着が湧いた。『ぼくのメジャースプーン』にもつながるらしいので楽しみ。

  •  上巻はじめはなかなか読み進まなかったのに、上巻終わりからは気になって一気に読んでしまった。予想外の展開だったし、人の思い込みを上手く利用していて、すっかり騙された。最初はある意味復讐という正当?な理由があったため、残虐な殺人に対して抵抗がなかったが、途中からの罪悪感のはね上げ方も凄いと思った。ラストの恭司はカッコいい。ただただ、月ちゃんたちに幸せになってほしい。
     そして秋山先生がとても好きです。目に見える範囲に拘る姿勢に、私は共感できたし、秋山先生が何を囁いたのかがメチャクチャ気になりますね。

    答えは「ぼくのメジャースプーン」

  • 辻村美月さんの作品で毎回思っていたが、言葉遊びが上手いと思う。藍と浅葱という同じ青色ながらも浅葱の方が薄い色である事、孝太と月子という前の名前と違い相反する名前が物語とリンクしていると知った時驚いた。最後、「あい」という言葉がさまざま意味で解釈されていて感慨深かった。また、iとrのゲームの言葉が面白かった。
    物語は思わぬ方向に進み、続きが気になりページを捲る手が止まらなかった。浅葱と月子の感情のすれ違いがもどかしく、違う未来を願わずにはいられない。
    浅葱の生き様が痛々しく、読んでいてとても悲しくなった。
    恭二が最後まで謎人物だったので、掘り下げてほしかった。

  • 月子と狐塚の意外な接点。
    上巻ではまったく気づかなかったー!
    そして、なんで浅葱はそのこと
    知らなかったのか。笑

    上巻より怒涛の展開ではあったが
    やはり残酷なシーンが多く
    読むのがしんどかった。

    寝る前に読むべき本ではなかった。

  • 誰しも弱みを持っている。それを見せられる人、見せられない人、気づく人、気づかない人がいる。たとえそれがどんな人であっても自分のアイデンティティを確立する為に、誰かに依存する(それは見える形には限らない)。そう思わずにはいられなかった。

    依存は、そこに相手への思いやりが多少なりとも存在すると思う。でも寄生はそれがない。一方的に搾取するだけ。自分は相手に何かを与えられているのか。相手にとってプラスになることを生み出せているのか。そんなことを考えてしまう一冊。


    しかし・・月子があまりにもいじらしい。「スロウハイツの神様」の環とそっくり。だからこそ最後が少しでもHappyで終わったことがとても嬉しかった。

  • まあとりあえず登場人物みんなDQNネームだな、というのが第一印象。


    「今若者が『私の考えていることがそのまま表されている!』と辻村深月に夢中」という記事を読んだけど、なるほどねーと。

    誰でも一度はするであろう暇つぶし程度の思考。

    自分って生きてる価値あるのかなーなんで生まれたんだろー人との関わりって難しいーどうせ自分は孤独なのさーでも信じたいよ!愛ってやつを!…でもきっとこんなこと考えてるのは自分だけなんだろうな…人には見せれない闇の部分…
    みたいな。

    そういうのを辻村深月はうまくまとめて「高尚」なものに仕立てあげてくれる。

    それで若者は「そうそう!こういうことを言いたかったんだ!!自分は他の人とはやっぱり違う、複雑で繊細な人間なんだ!」
    とうれしくなる。で、

    「辻村さんは理解者だ!なんでこんなにわかるんだろう?」とくる。

    それはね、みんな同じことを考えてるからです。みんな自分が特別だと思いたいんです。与えられた個性ですら、喉から手がでるほど欲しいのはあなたも隣の人も同じなんです。

    そこまで読みきって書いてるなら人が悪いなあ。
    トリック自体は上巻以内に10人中9人はわかると思います。でも見所はそこじゃないから、多分いいんでしょうね、どっちでも。
    2009年11月24日 09:35

  • 怒涛の展開に驚かされっぱなしだった。
    細かく色々なところに伏線がはられていて、何度読んでもあたらしい発見がありそう。また読み返したい。
    浅葱が心を壊していく様子には新鮮に胸が掻き乱されたし、孝太と月子の関係性が明かされた後の展開は本当に驚きの連続だった。

    エピローグでボロボロ泣いてしまった。浅葱のことを手放しに肯定することは難しいけど、彼が月子と話せて良かった。恭二…良い奴だった…。

    (便宜上、すべて浅葱と表記)

  • 後半より残虐というか酷さが…そして結果、結末が…なんと…
    んんん。やはり幼い頃の環境というのは人格形成に影響を及ぼしますね。それが全てではないとは思いますが。

  • 下巻は一気に読み進めてしまいました。
    浅葱の苦しみ、狐塚と月子の関係などどんどん明らかになる事実に殺人ゲームの真実。
    切ない物語でした。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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