赤ちゃん教育 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 68
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760577

作品紹介・あらすじ

乗り物をこよなく愛するわが子が、将来、親の無免許であることを知ったらどうなるかと落ち込みつつ、大詩人、マラルメだってわが子の誕生にびびっていたではないか!と己を鼓舞する仏文学者。「子の誕生」という、誰もがあわてふためく瞬間を、自らの育児体験や偉人たちの例と共に描いたユーモアエッセイ。講談社エッセイ賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • よくある親バカ育児エッセイなんだけど、東大の文学部の先生が書いていて、サルトルがどうとかバルザックがどうといった蘊蓄が散りばめられ、また表現も面白おかしく文学的で、笑える。

  •  高尚な文体でくだらない(あ、失礼)ことを書く。こういうの大好物です。親バカは正義。でも本当に聡明なお子さんなのだろうと察せられます。

  • 先日とある講演会で拝見した野崎歓先生があまりにも素敵だったので(このあたりの感覚は学生時代から全くブレない)著作を探っているとあまりにも面白そうなこのエッセイを見つける。「幼児」と突き放しつつも主観的親バカぶりを発揮し、文学と絡めた高尚な分析・文体ながら、やはり一貫して親バカぶりを自覚的に記録した書。肩を震わせて読み切った。

  • 育児エッセイ。文豪たちの姿や言説と重ねている点がユニーク。

  • 表紙にちょっとびっくり。笑

    仏文研究者による子育てエッセイ。

  • 可愛すぎる仏文教授の子煩悩エッセイ。
    親馬鹿心からついには「鏡像段階」ならぬ「電車段階」を提唱しながらも、愛息からは「てて、ないくん!」でひと蹴りされる愛すべき父親です。

  • 珍しく再読までしてしまった本。野崎先生には、大学で映画論など教わっただけに、クールな印象の先生がこんな一面もお持ちだったとは…という驚きと見事なまでの親バカぶりを心より楽しみました。人文書のノリで大真面目に親バカする楽しさ。

  • 表紙をみると、爆笑子育て話だと思っちゃったよ!
    ふたを開けると、親バカ赤ちゃんかわいいよ話にはちがいないが、なるほど文学者らしい記述がちばめられていますね。
    プルーストがどう、とか、サルトルがどう、とか引用が独特すぎる。だがそれがよいのです。
    あとは鉄キチのおはなし。ただひたすらにかわいい男児だねえ。愛らしくてほっぺをむぎゅっとしたくなります。
    ちなみに、前半よりは後半の方が読みやすいかもー

  • 思わずくすっと笑ってしまうエピソードが多かった。

  • とばしとばし。講談社エッセイ賞受賞作も、おもしろくない。

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著者プロフィール

1959年新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、エッセイスト。放送大学教養学部教授、東京大学名誉教授。2001年に『ジャン・ルノワール――越境する映画』(青土社)でサントリー学芸賞、2006年に『赤ちゃん教育』(講談社文庫)で講談社エッセイ賞、2011年に『異邦の香り――ネルヴァル「東方紀行」論』(講談社文芸文庫)で読売文学賞、2019年に『水の匂いがするようだ――井伏鱒二のほうへ』(集英社)で角川財団学芸賞受賞、2021年に小西国際交流財団日仏翻訳文学賞特別賞受賞。プレヴォ、スタンダール、バルザック、サン=テグジュペリ、ヴィアン、ネミロフスキー、トゥーサン、ウエルベックなどフランス小説の翻訳多数。著書に『こどもたちは知っている――永遠の少年少女のための文学案内』(春秋社)、『フランス文学と愛』(講談社現代新書)、『翻訳教育』(河出書房新社)、『アンドレ・バザン――映画を信じた男』(春風社)、『夢の共有――文学と翻訳と映画のはざまで』(岩波書店)ほか。

「2022年 『無垢の歌  大江健三郎と子供たちの物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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