子午線を求めて (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 149
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761574

作品紹介・あらすじ

グリニッジ以前から存在していたパリ子午線。詩人ジャック・レダの文章に導かれて、幻の線上に埋め込まれた円盤を探す冒険が始まる-。パリの郊外が抱え込む闇を抉り出したセリーヌとノワール作家たち、衝撃的な死の後にますます本質をあらわにするエルヴェ・ギベールなど、発火石としての読書の記録。

感想・レビュー・書評

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  • 知らない名前の連続で、読むのが大変だった。

  • 一気に読まなければ読めないのは、この本と郊外にて。グリニッジ以前のパリの基準線に埋め込まれた盤をたどる、著者のたどたどしい足取り。語弊があるからファッション誌風に言えば、贅沢な寄り道?
    郊外を扱ったセリーヌ他、仏の作家と試み。少年犯罪と呼応して少年物が流行ったのに比べ、植民地、移民政策から社会保障の在り方まで内在する郊外問題は深そうだ。また日本にはいなそうなギベールのアクの強さ。爆発させるタイプの芸術家だろうか。実際に読んでみよう!とまでは思い切れないが、そんな作家達がたくさんいる、ということを知れるだけで豊かな気持ちになる。

  • 心惹かれる装丁だなあ…と思ったら、このシゴトはクラフト・エヴィング商會でした。
    いい装丁は、その本の世界へ誘ってくれます。別の世界のドアを開いてくれるのがいい装丁、ということになるでしょうか。
    文章も真摯で柔らかく、ひとつひとつ味わえ、楽しめます。

  • 2011/1/2購入
    2015/6/13読了

  • 濃かった。
    それにしても、吉田さんの本の次に読んだ本書の装丁がクラフト・エヴィング商会さんでした、という。

  • とりあえず堀江さんの文章を読みたかったから読んでいた一冊。という以上でも以下でもなく。(08/12/22)

  • 堀江氏が仏文学者であったことを思い知った1冊でした。
    そして自分が最近のフランス文学について無知であることも…。
    まずは堀江氏の訳書から読んでみましょう。
    評論集としてとても熱い1冊なのだと思います。

  • 人の思いめぐらす思いの流れについて考える。知らないことだらけでも、誰かの頭の中であちこちさまよった思考の過程を感じることができるのならば、それはとても貴重な経験だ、と思う。

  • そこにあるのは、子午線をたどり街の中を冒険しながら、あこがれの人と時を共有する至福の時間。なんとも芳醇な時間だろう。これが書かれた頃の「郊外」に向ける彼の目線の鋭さを、感性を感じようとするのだが、自分の目線の貧弱さを逆に感じてしまうことがしばしば。読みなおすことが本から求められているような気がしてならない。文学を「読む」行為とはこういうものなのか。今後、読みなおすごとに、自分のなかに培われる何かを大事にしよう。

  • そこにあるのは、子午線をたどり街の中を冒険しながら、あこがれの人と時を共有する至福の時間。なんとも芳醇な時間だろう。これが書かれた頃の「郊外」に向ける彼の目線の鋭さを、感性を感じようとするのだが、自分の目線の貧弱さを逆に感じてしまうことがしばしば。読みなおすことが本から求められているような気がしてならない。文学を「読む」行為とはこういうものなのか。今後、読みなおすごとに、自分のなかに培われる何かを大事にしよう。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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