あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1111
感想 : 156
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761659

作品紹介・あらすじ

「こういう切れ味のいい短編は、クラシックなんだけど絶対に古びない」――大沢在昌(特別対談より)

幻の名作「あわせ鏡に飛び込んで」をはじめ、瞬間接着剤で男をつなぎとめようとする女が出てくる「あなたをはなさない」、全篇、悩み相談の手紙だけで構成されたクライムミステリー「書かれなかった手紙」など、選りすぐりの10篇を収録。精緻に仕掛けられた“おとしあな”の恐怖と快感!〈文庫オリジナル〉

感想・レビュー・書評

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  • 捻りの効いた奇妙な話,後味悪い。
    貴方を離さない:瞬間接着剤
    ノックを待ちながら:保険金,曖昧な結末
    あわせ鏡に:医療ミス告発
    さよならの転送:留守番電話

  • 井上夢人は初めて読んだが、読み易か
    った。
    ただ、作品の時代背景が古いなーと感
    じるものが多い。
    パソコンを題材にしたものは、とくに
    現在のSNSが出る前の話で懐かしく思
    えた。
    結末が不幸になる話が多かったかな。
    世にも奇妙な物語っぽい感じ。

  • 短編小説が10話収録されています。タイトルになっているあわせ鏡に飛び込んで、も面白かったですが、ノックを待ちながら、が私は好きでした。1話が短いので、あっという間に読み終わります。

  • 井上夢人の色々あって世に出なかった短編を十編収めている。年代は90年代前半で統一されているが掲載雑誌がバラバラで純文学のようなキレイな作品もあればパズルをテーマにしたもの、近未来SFものなど様々な趣向が見られる。かなり短めの短編ばかりなので手軽に読めるのでファン方なら読んでみても良いだろう。

  • 後味の悪いぬめっとした短編がいっぱい(褒めてる)
    時代背景も相まって絶妙に居心地の悪い雰囲気の本(褒めてる)
    “ジェイとアイとJI”の狂い方は結構好きだなぁ

  • 学生の頃「あくむ」を読んで「ゴールデンゲージ」がトラウマになった作者さん。
    ブクログで皆さんの感想を見て、同じくトラウマになってる人が多そうだったのがなんか安心した。
    で、おそらく、本作者さんのホラー系は2冊目。「あくむ」に比べてさらっとしている気がする。1話ごとに作者さんの解説がついているのが興味深い。発表の媒体が違うようで、一話一話毛色が違うのもおもしろい。
    でももうホラー系は読まなくていいかな。

  • バラエティに富んだ短編集。各話の冒頭に掲載された雑誌と時期、企画やらが書かれていて面白い。どれもこれも全く毛色が違う感じで、いい意味で予想を裏切られる。

    「あなたをはなさない」「ノックを待ちながら」「サンセット通りの天使」「空部屋あります」「千載一遇」「私は死なない」「ジェイとアイとJI」「あわせ鏡に飛び込んで」「さよならの転送」「書かれなかった手紙」の10編。

    個人的によかったのは、ラストが明確にされない(こういうのを嫌いな人もいるが)「ノックを待ちながら」と老女の柔らかい口調がだんだん怖く感じていく「空部屋あります」。もし自分の身になったら恐ろしすぎる「私は死なない」や全編手紙方式のミステリ「書かれなかった手紙」も秀逸…書かれなかったってそういう意味だったのねと納得した真相。

    最後の大沢在昌氏と著者の対談も創作に対するアプローチが正反対なのがわかってとても面白いオマケ(?)である。

  • 最後にカチリと気持ちよい音を立ててパーツがはまる小気味良い短編ばかりに大満足。
    読後はついついニンマリとしてしまう、面白い。

    長編もよく短編も良し、ただいまどハマり中な作者。
    まだまだ他の著作も読んでみたい。

  • 「ノックを待ちながら」と「書かれなかった手紙」が特に面白かった。秀作ぞろい。

  • 短編10作品が含まれているが、どれも個性的で、話のオチも最高で非常に良かった。(★5にするか迷いました)。とくに最初の「あなたをはなさない」は衝撃的で、初っ端から本作の虜になってしまった。「ノックを待ちながら」は人間心理がうまく描かれていてわくわくしたが、最終的なオチは読者に任せる作品になっていた。結論が知りたかったが、あえて明示しないあたりも趣きがあって、逆に面白かった。「ジェイとアイとJI」も風刺が効いていて素晴らしい作品であった。10作品とも、もの悲しさ、寂しさが渦巻いている共通点があり、希望に満ち溢れたという感じではないが、切り口が巧みであり、自信を持っておすすめできる作品である。

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著者プロフィール

昭和25年生まれ。昭和57年に徳山諄一との岡嶋二人名義で第28回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成4年に『ダレカガナカニイル……』(新潮社)で再デビューした。代表作に『ラバー・ソウル』(講談社)など。

「2020年 『平成ストライク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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