孤虫症 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.34
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761826

作品紹介・あらすじ

謎の奇病に秘められたリアルで恐い女の悪意

「週に3度、他の男とセックスすることを習慣にして」いる主婦・麻美。彼女の不倫相手が、次々と身体全体に瘤のようなものを作って原因不明の死を遂げる。彼女自身の肉体にも異変が起こる。女同士の憎悪や嫉妬、母娘で繰り返される愛憎劇。一見幸せな主婦の誰にも言えない秘密とは……。〈解説・豊崎由美〉

感想・レビュー・書評

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  • 寄生虫と女性視点の性的の描写がよりエロティックに、よりグロテスクに描かれたミステリー作品。

    デビュー作とは思えないほど構成と展開がスリリングで面白くて約450ページを一気読み。

    女同士の妬み、僻みは恐ろしい。
    この一言に尽きる作品であった。


    本作品の副産物として【セックス】と【虫】というワードを、これでもかというほど黙読したのは、人生初の体験であったと言えよう。

  • 週に3回他の男と体を重ねる事を習慣にしている女。どこか嫌悪感を持っていたこの作品をひたすら見ぬ振りして来たが、いざ読んでみると面白い。

    真梨幸子の作品は私の頭が足らず、常にこんがらがるのだが、デビュー作との事もあり複雑な伏線は多くは無く比較的読み易かった。
    言い回しの違和感や粗が多い部分も感じるが、飛躍しすぎない真相とギリギリの範疇で納得出来る論理的な着地点に満足。 女のイヤな醜さを原点でも見事に表現していた。

    不愉快なおば様達の井戸端会議や透視を試みる様な探り話、そんなみみっちぃ会話にイライラしながらニヤニヤしていた。楽しんでる。救いようの無い着地点、イヤミスクイーンの原点を見れて嬉しい。

    孤虫症...孤独な虫の静かな繁殖、孤独に脅えた女を宿主とする虫、愛した人を殺め宿主を孤独に陥れる虫etc.....人間の繋がりで連鎖していくこの恐怖はまさに「バイオ・サスペンス・ヒューマン・ホラー(長)」

    生肉はよく焼いて食べなきゃですね。
    〘 好物︙ ユッケ 鳥刺し レアステーキ〙

  • 新年早々ヤバイ本でした。タワーマンションに住む主婦の麻美はセフレ男性3人とアレを楽しむ。性依存症かな。しかし男性達が相次いで瘤状のデキモノ(感染症?)で死ぬ。しかし麻美が右手を切り失踪する。次に第2のヒロイン麻美の妹の奈未。麻美の旦那とくっついたり非常に不穏な展開。次に登場するのはタワマンの女性住人。麻美に対する嫉妬心から麻美を滅茶苦茶にしていく。麻美の家に盗聴器を仕掛け、ドロドロの展開と超胡散臭い人間関係は人間の悪意が極大化した!しかしラストは淡々と終了。うーん、ラストの息切れ感以外は最高級でした。⑤

    【ネタバレ注意】
    目黒寄生虫館には何度か行きました。 https://www.kiseichu.org/ 

    自分は今年、小野不由美・『残穢』をGWに読む計画です。

    • アールグレイさん
      あけましておめでとう
      m(._.)mございます
      今年もよろしく!

      何だか凄い本を読んでしまったようですね!
      でも★5でし...
      あけましておめでとう
      m(._.)mございます
      今年もよろしく!

      何だか凄い本を読んでしまったようですね!
      でも★5でしたか。
      私も楽しめる本にもっと、出会いたいなぁ~
      2024/01/02
    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん
      今年もよろしく~
      別サイトの読み友さんからのお薦めでした。
      新年早々のエログロでした。
      衝撃的でしたが、何とか耐え...
      アールグレイさん
      今年もよろしく~
      別サイトの読み友さんからのお薦めでした。
      新年早々のエログロでした。
      衝撃的でしたが、何とか耐えました。
      ことにのGWに小野不由美・残穢、挑戦しまーす。
      2024/01/02
  • "私が失敗した理由は"から読んでしまったけど、問題なく読めた。同じ人達が出てて、あーなるほどなるほど!あれ?誰だっけこの人?とか少し思い出しながら読んだりした。ちょっとエロが強めだったけど、あまり気にならないくらい話に入り込めた。面白かった。

  • ★3.5

    「週に三度、他の男とセックスすることを習慣にして」いる主婦・麻美。
    彼女の不倫相手が、次々と身体全体に瘤のようなものを作って原因不明の死を遂げる。
    彼女自身の肉体にも異変が起こる。
    女同士の憎悪や嫉妬、母娘で繰り返される愛憎劇。
    一見幸せな主婦の誰にも言えない秘密とは…。

    麻美の視点で語り始められる物語。
    高層マンションに暮らし、夫と娘に恵まれ、
    それなのに別に借りたアパートで、週三回別々の男性と関係を結ぶ。
    不安定過ぎる麻美。
    とってもエロくてグロテスクな描写の連続。
    身体全体にブルーベリーの様な瘤を作って死んでゆく不倫相手。
    不気味過ぎる死の様子。
    引きまくりで読みましたが、やはり先が気になって読み進めてしまいました。
    タイトル通り虫が登場します。
    淫乱な麻美が寄生虫をドンドン広めているだとばかり思っていましたが、
    もーーーー騙されました。騙された!
    根底には、人間の嫉妬や妬みや自己保身…醜さがドロドロ渦巻いていました。
    風土病怖いです。
    今もあるのかなぁ…?

    後味がとっても悪かった。
    真梨さんの作品嫌な気持ちになるのわかっているのに読みたくなる(〃ω〃)

    • やまさん
      しのさん、こんにちは。
      いいね!有難う御座います。
      「孤虫症」のレビューを読んで、怖いです。
      しのさん、こんにちは。
      いいね!有難う御座います。
      「孤虫症」のレビューを読んで、怖いです。
      2019/11/04
    • しのさん
      やまさん はじめまして(*´▽`*)
      コメントありがとうございます。
      こちらこそ、イイネありがとうございました。
      真梨さんいつもゾワゾ...
      やまさん はじめまして(*´▽`*)
      コメントありがとうございます。
      こちらこそ、イイネありがとうございました。
      真梨さんいつもゾワゾワさせられますが、「孤虫症」凄く怖かったです
      2019/11/04
  • 常に読者を落ち着かない気分にさせてくれる小説。『殺人鬼フジコの衝動』を読み、著者のデビュー作品を読みたくて手にしました。ねっとりとした空気感と不穏な雰囲気の登場人物たちに、感情移入できるキャラクターはおりませんでした。
    嫌な気持ちを引きずりつつ最後までページをめくる手を止められません。

  • 読書備忘録675号。
    ★★★★。

    フォローさせて頂いている方が気持ち悪い気持ち悪いと連発していたので読みました。笑

    チャレンジャブルな小説でした。
    ヌルヌル、ぴちゃぴちゃ的なエロ・セックス小説であり、女の恨み・妬み・嫉妬をこれでもかと盛り込んだ小説であり、トリックミステリー小説。

    物語の中心で気持ち悪さを発揮しているのが孤虫症というSEXで感染する寄生虫病。
    モデルは芽殖孤虫症で、致死率はほぼ100%。これまで世界で18例しか症例がない。
    皮膚にブルーベリーのようなぶつぶつが出来、その中に孤虫症の幼虫がうじゃうじゃいるというもの。ゾゾッ。
    実際には、成虫が見つかっておらず、すなわち終宿主がなんなのかがわからない。
    この小説では、ある女性の血筋の人間が終宿主だった、という気持ち悪いものです。

    あと、タワマンに住む階でヒエラルキー構造を作る女達の恐ろしさ。なぜ、そこまで人より優れていたいのか理解に苦しむ。それも、人間性ではなく、薄っぺらい表面だけで。

    しかし、ここまでストレートに表現する真梨さん、全然嫌いではありません。笑
    機会があれば別の作品も読んでみよ。

  • 冬虫夏草? 薬膳の話しかなぁ……(違)
    っと 思って読みましたが……流石の真梨先生

    デビュー作にして真梨ワールド全開。

    性病の話かっと思いきや…
    精神的に段々狂って行き…
    失踪した姉を探しに行く 妹も狂って行く(元々 狂ってるのか?)

    話が進むにつれ、どこからが現実でどこからが妄想か解らなくなってゆき こっち(読み手)も狂っわされてる行く。

    物語 中盤で 「欲望の先は、いつだって、虚しい泥の底。いちばん怖いのは嫉妬と悪意」この一言が物語の核でしたね。

    終盤 登場人物達の関係がハッキリした時に明かされる衝撃的な結末 。
    (【世界は広いが、世間は狭い】って事ですかね…)

    登場人物達も圧倒的に気持ち悪い。



  • もぅ、読んでて気持ち悪かったー笑
    寄生虫が体にいるかも…っていうことを想像しただけで、
    気持ち悪いー!!
    オゾオゾしながら、読みました。

    マンションに住むある主婦は、複数の男性と
    体の関係をもつ。
    ところが、その男たちが原因不明の死を遂げる。
    そして、自分の体にも変化が…寄生虫……。
    母は男にだらしなかったけど、自分は違う。
    その一心で生きていく主婦。
    原因不明の死には、何が関わっているのか。

    話の繋がり方はおもしろいんだけど、
    とにかく気持ち悪いー!!!!
    本当に木枠に虫が潜んでいるとか、寄生虫とか、
    ありとあらゆる所が気持ち悪かったー。
    あぁー、気持ち悪かったー。
    何回、気持ち悪いって言ったんだろぅー笑

    • shintak5555さん
      読みたい。笑
      読みたい。笑
      2022/02/02
    • ほくほくあーちゃんさん
      読んでみてくださいー!!
      でも、本当に気持ち悪かったんですー泣
      読んでみてくださいー!!
      でも、本当に気持ち悪かったんですー泣
      2022/02/03
  • 恐るべき才能。読後は気持ち悪い。
    でも、誰が犯人か知りたくて、突っ走って読み進められた。

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著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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