《新装版》お引越し (講談社文庫)

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著者 : ひこ・田中
  • 講談社 (2008年11月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062762090

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《新装版》お引越し (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • カバーの説明を読んで、主人公レンコの境遇が自分の過去と重なったので、思わず手にとった。
    もっと悲観的な内容かと思ったが、レンコも母なずなも、二人の生活を上手くやっていけるよう前向きに二人のルールを考えるところが良い。一見、なずなの言い分は自分勝手に思えるが、レンコを子供としてではなく、一人の人格として扱おうとしているところが、斬新。
    少し気になったのは、レンコの口ぶりが11歳にしては子供っぽすぎるところ。終始、話し口調で話が進んでいるのが良いところでもあるが、メリハリをつけるために他の書き方を挟んだほうがいい気がした。

  •  タイトルが自分の状況とタイムリーにリンクしていたので思わず衝動買い。

     読んでみると、離婚に伴う父親の引越しから話が始まる。全編通して娘のレンコの視点、一人称で書かれており、多感な小学校高学年女子の心情と、レンコのするどい観察眼や賢さと憎めない子供っぽさが読み手にボクシングで言うならジャブを連発してくる。ストレートはほとんど飛んで来ないので、いきなりの大ダメージはないのであるが、このジャブが的確にヒットして来るので、物語が進むに連れて、ずい~ずい~と深みを増して来るのである。

     レンコの母親のナズナを始めとして、父親、布引君、ワコさん、ミノルなどなど、個性的なキャラクターが揃っているところも面白い。特にナズナは離婚を機に昔の自分を取り戻そうとして必死だったりして、母親として考えたら腹立つこともあるけど、そんな姿が馬鹿っぽくてちょっとかわいらしい。その他の人間も含めて、全く自分のせいでもないのにとんだことに巻き込まれて、それでも泣かず喚かず頑張るレンコが心で叫ぶ素直でかわいらしい言葉が「バーカ」である。そういや子供の頃は何かにつけてよく「バーカバーカ」と言ったもんである。

     何だか淡々と物語が進んで行ってしまう気がするのであるが、そこには確かにレンコの心の成長の物語が描かれており、とにもかくにも前向きに頑張ろうと決めたレンコが頼もしく思えて来るところで物語りは終わり、と。

     あと話で、ミノルこと大木実、サリーこと、橘理佐、中学で新しくレンコと同じクラスになった渡辺の語りが描かれているのも面白い。特にサリーは別で主人公にして物語を作ってほしいぐらい。

     それからこの作品は映画になっているようで、原作とはかなり異なった内容となっているらしいが、相米慎二監督作品ということと、私の好きな田畑智子が出ているとのことなので、いつか見てみたいと思う。

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