名探偵はもういない (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062763233

感想・レビュー・書評

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  • 『言葉で自分の気持ちを伝えることは難しい。それが微妙で複雑な感情であった場合、難易度は何十倍にも増す。

    それでも、人は人に気持ちを伝えることが出来る。必ず出来る。その気持ちが本物で、どうしても相手に伝えたいと思って発すれば、どんな言葉の中にも気持ちは込められるし、誰にだってその込められた思いを推し量ることが出来るのだ。

    それは時間や空間に左右されたり、薄められたりはしない。』

    読者への挑戦付きのミステリはやっぱいいなぁ〜(@ ̄ρ ̄@)
    すごく良かった。

  • 10ページくらい読んで気づいた。
    「あ、これ、読んだことある」
    そしてにわかに思い出す、最後の方のちょっとしたオチ。
    うわー、しまったなあと思ったけれど、その最後のオチ以外はまったく覚えていなくて、ほとんど初読のようにハラハラドキドキ楽しませてもらった。
    著者の筆力と、僕の記憶力(のなさ)に感謝!!

    最後はちょっと甘すぎる感じがするけれど、実にしっかりと作りこまれた本格。堪能させてもらいました。

  • あとがきに「本格(ミステリー)」と「新本格(ミステリー)」の定義が著者の考えとして述べられている。
    作者はこれが書きたかったのか・・・と思えたらそれは「本格」。
    これがやりたかったのか・・・と思えたらそれは「新本格」。
    微妙すぎてわかりにくいけれど、感覚的には何となくわかる気もする。

    思いがけない死が続く。
    謎を解いていくのは自称名探偵のQ。
    次々と登場するいわくありげな人たち。
    完全に悪役だとわかる人がひとりいると、わかりやすく物語がスムーズに進んでいく。
    真の悪意を持つ人間はたったひとりだったのか。
    死にいたるまでのエピソードが馬鹿ばかしいほどに幼くて、だから余計に切ない思いが残る。
    読み応えがあるかと聞かれたら悩むけれど、読後感はけっして悪くない。

  • やっぱり、わくわくしますよねぇ~
    “読者への挑戦状”
    登場人物覧を空白にしたりとか
    折り返し部分の作者コメントとか
    何気に挑発的(笑)な部分に思わず“ニヤリ”です。

    で、久々にメモ帳を片手に挑みました(笑)


    第1章まではすごくおもしろかった。
    こういう、ちょっと“斜め上”からの視点で
    物事をみるお話は大好物です。

    が、第2章からは、普通の推理小説に
    なってしまったのがとても残念!
    作者さんとしては
    ここで読者の予想を裏切り
    “あっ”といわせたかったのでしょうが
    ある意味“あぁこのパターンか...”
    って感じかな。


    で、肝心の推理については
    “無難”にまとまっています。
    (私は真相にたどりつきませんでしたが)
    きちんと論理たててあり
    それなりに満足できました。
    が、“あっ”っていうよりは
    “ふうんそうか...”って感じですね(笑)
    実際、推理ポイントを
    読み返すこともありませんでしたし。
    なんで☆3です。

    ちなみに推理はできませんでしたが
    犯人は60%くらい当たっていました。
    単なる直感ですけど(笑)

  • 雪に閉じ込められたペンション。
    ひと癖もふた癖もある客とペンション関係者。
    美人オーナー。
    そこで起こる殺人。
    そして「読者への挑戦状」・・・

    うを~!!!ベタだ!!!「本格」だ!!!w
    いいねえ。なんかこういうの大好きw
    欧米ではこういうのは子供が読むだの流行らないだの言われたりするけどうるせえよ!ww
    古典的ってのはいつの時代も通用するから古典っていうんだよ!w

    作者いわく「絶滅危惧種の本格ミステリ作家」だそうですし、「20世紀最後の本格作家みたいにいわれてその後21世紀最後の・・という人がでてこないので自分が最後の一人なのかも」とか言ってますよ?噴いたww

    まあもちろん話はそこまでオーソドックスではなく、テンプレートだけなぞってはいるけどもきちんと楽しめるつくりになっております。
    タイトルにもある「名探偵」とはいったいなんなのか?謎を解き明かすのは一体だれなのか?最後まで「探偵役」が二転三転するのも読んでいて楽しかったです。

  • ミステリーが読みたくて購入しました。作中、いきなり恋愛モノになり、5年越しの恋が実ったという事で感動していたら、実は既婚者が騙していたようでガッカリ…
    と思いきや、回答編でとても良い方向にまとまっていました。残念ながら本人はもう亡くなってしまいましたが、真実を告げられたさゆみさんは、恋愛にトラウマを抱えずに前を向いて生きていけると思います。いい恋愛小説でした…(違う)

    全部を当てるのは大変ですが、推理自体の難易度はそんなに難しくないと感じました。

  • 《あかずの扉研究会》シリーズの4作よりも明らかに進化している。霧舎巧らしさが良い方向に発揮されている。
    起こる事件は、雪の山荘での殺人。王道なのだが、どこか王道とは違った雰囲気を感じさせる。

    解決編はやや分かりにくい部分はあるものの、謎がしっかり整理されているところも良い。
    世界的名探偵の登場はかなり驚いたが、物語として見ると、このキャラクターがいるかいないかはかなり違うだろう。

    木岬とさゆみのラブシーンには最初は少々閉口したくもなったが、まさかあぁいう形で絡んでくるとは思わなかった。
    相変わらず伏線回収は見事。

    しかし、心躍る挑戦状はついているものの、読者が全てを当てるのはかなり難しい。切れ味鋭いロジックも多々見られるが、多少想像に頼っている部分もある。
    だが、それもアンフェアという類のものではないし、差し引いても十分に面白い。

    そして最後のオトし方も巧い。ロジックを根幹に据えた本格ミステリとしてはもちろんだが、今までの作品より物語としての面白さも格段と上がっているように感じる。
    タイトルと表紙も好み。
    満足。

  • 巧みな、というよりややこしいというか。謎は解け、最後にはファンタジー的でもある。

  • 面白かった。え、あの人死んじゃうの!!ってびっくりした。謎解き的には分かりやすい感じでした。設定などは『王道』だけど、いろいろと『王道』ではない感じ。

    霧舎さんの他のも読んでみたくなりました。シリーズものもあるらしいので読んでみよう。

  • タイトルと表紙に惹かれて買ってしまった。
    殺人が起き、その後屋敷が孤立するというお決まりの展開からの、実は宿泊客の中に警視庁捜査一課、鑑識科、科捜研がいるというまさかの展開に笑ってしまった。
    偽物だったというオチだったがエラリークイーンがでてくるという展開もおもしろかった。
    余韻が残る切ない真相だった

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