- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062763349
感想・レビュー・書評
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芥川賞を取られている方の作品なので文章は巧みなのかもしれないが、私にはなじまない作品であった。会話は、最初は「」が付いているものの、その返答には「」が付いていないという特殊な文章で、集中して読まないと分かりにくい構成になっている。また、情景描写に不足が多いと感じることが多く、状況がすんなりとイメージできないシーンが多々あった。特に大きな事件が起きるわけではなく(妊娠事件はあるが…)、ちょっと変わった日常を不思議な視点から見つめた作品である。作品の紹介に「実験作」と記載があるが、頷ける。
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吉田篤弘さんの世界観から、現実離れした部分を薄めたような…
読んだ時の精神状態にもよるのかもしれないけれど、話の整理がし辛いというか…語り手は存在感も個性も薄い「僕」。
夕子ちゃんの妊娠騒動以外にこれといった出来事もなく、店長とフランソワーズと瑞枝さんの関係もはっきりしないまま、淡々とした日常がある。
合わない作家さんなのかもな… -
いまいちだった。
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初めは、特別面白いとは思わず読んでいたけど、
(文章の感じもそんなに好きでもなかったし)
でも途中でやめるほど面白くないわけでもなく、
そのまま読んでいると、最後の方はキャラクターに情がわいてしまって、
面白くなってしまった。
でも、他の作品を読んでみたいとは思わない・・・かな。 -
何かを産み出せる人になりたかったって思う。
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風呂の攪拌棒を人にあげたがる女、鋸を上手に使う娘、北の湖を下の名前で呼ぶフランス人、そして空気の抜けるような相槌をうつ主人公・・・。自覚のない(少しだけの)変人たちがうろうろと、しかし優しく動き、語り合う不思議なユートピア。柔らかな題名とは裏腹の実験作でもある、第一回大江健三郎賞受賞作。