転落 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
2.68
  • (9)
  • (41)
  • (108)
  • (95)
  • (26)
本棚登録 : 727
感想 : 102
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062763356

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ★3.5

    落ちていく速度は転げるように早いーー。

    ホームレスになってしまった「ボク」は、食料を探していた神社で、
    小学生の麻由から弁当を手渡される。
    巧妙な「餌付け」の結果生まれた共犯関係は、
    運命を加速度的に転落へと向かわせる…。

    第一章は「ボク」視点。
    「何か」からの逃亡の果てに、ホームレスまで転落してしまった「ボク」が、
    ある時、神社でたまたま出会った小学生の少女麻由に「餌付け」されてしまい、
    麻由はムカツク同級生への意地悪…仕返しを「ボク」にやらせるのだった。
    「ボク」は何から逃亡してるのだろう?
    どうなっていくのだろう?と、思っていた。
    第二章は「ボク」を匿うことになったボクの母親の友人という女性の視点。
    えーーーーっ、「ボク」って…。
    凄く、凄く驚いたし、次第に明らかになってゆく過去…。
    どうして?どうして?っていう謎が膨らんでもいった。
    ドンドン展開していってとても引き込まれました。
    衝撃のラストにもやられたー。

    子供を亡くした母親の苦悩…。
    子供を失った悲しみや喪失感ばかりでなくて、身内も決して見方にならず…。
    周りの人々の好奇の目や言葉や非難…。
    とっても重いテーマも語られてました。
    人間関係の闇や悪意がとても怖かった。
    女性の闇が怖かった。
    そして、気持ちがずっしり重くなりました。
    やっばり、読ませてくれました。

    見せかけの善意に隠せされた嫉妬・嘲笑・打算が醜くこぼれ落ちる時、
    自分を守れますか?

  • 犯罪や事故の被害者なのに…。

    怒りをぶつける相手は加害者のはずなのに…。

    誰より辛さや悲しみを、分かち合ってほしい人達から責められる…。

    突然そういう目にあったら「なぜ」「どうして」と、
    身近な相手を責めずにはいられないのかもしれない。

    でも、だからって・・・。

  • 読後の感想を一言で言えば胸悪。

    他の人や解説でも書いているように、ドロドロしていて油のような不快感。
    ただそれでも、この先どうなるのか、となんだか読み進めてしまう引き込まれる感じがある作品。


    2章終盤あたりからちょっと「?」となるものが多く、3章があっさりさっぱりしすぎていて
    謎の残る終わりでした。

  • ホームレスになったボクに、餌付けをする少女。
    もっとイヤミスを期待していたので残念。

  • ホームレスと小学生少女の共犯関係、匿っている女は正気なのか狂っているのか?、育児ノイローゼを加速させる身勝手な人間たち。…と、素材は興味をひくのだが、狙いを絞りきれずうまく調理できなかった印象でした。

  • ドロドロとした負の感情が重苦しい。面白くないとまでは言わないけれど、決して楽しくはない。尻すぼみなのも残念。

  • ★購入済み★

  • 二人の視点から物語が進行。どんなクライマックスに?と期待しましたが、スッキリしない部分は自分で空想するしかないようです。
    帯のキャッチコピーにしてやられました。

  • 4分の3分位まで読んだ時に、あれ…この本あとこれしかないけどちゃんと終わるの?と不安を感じた。色々広げるだけ広げて、詳細は割愛されて着地だけしましたという感じ。

    内容自体は面白いと思うのだけど、ラストの描き方が残念。2人の女性の心理や、洗脳される経緯をもっと深く丁寧に書かれていたらまだ良かったのだけど。

  • ドキドキ!

全102件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

永嶋恵美一九六四年、福岡県生まれ。二〇〇〇年『せん-さく』でデビュー。一六年「ババ抜き」で第六十九回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。主な著書に『転落』『明日の話はしない』『ベストフレンズ』『視線』『一週間のしごと』、「泥棒猫ヒナコの事件簿」シリーズなど。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

永嶋恵美の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
伊坂 幸太郎
湊 かなえ
宮部 みゆき
東野 圭吾
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×