- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062763974
感想・レビュー・書評
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綾辻行人の館シリーズ第三弾です。
今回は、ミステリー作家の別荘、京都の北・丹後半島にある''迷路館''が舞台です。
別荘の主人、探偵作家の宮垣が還暦祝いを迷路館で開催する、招待客は弟子で作家の4人と出版社の編集宇多山夫妻、文藝評論家の鮫島、そしてこのシリーズを通して推理力を発揮している大分の寺の息子、島田だ。
他に秘書と賄いの老女の都合11人が館に居る。
今回もこの奇妙な建物の設計者は、中村青司だ。岡山に在る同じ設計者の水車館で起きた事件から半年が経っていた。
還暦祝い当日、招待客が揃ったところで秘書の井野から衝撃が伝えられる。主人の宮垣が服毒自殺をした。既にかかりつけ医が死亡を確認しており自殺に間違い無いと言う。
宮垣は肺癌に犯されていて余命幾ばくも無く悲観しての事だったが、遺書と録音テープが残され遺言の内容は、弟子の作家4人が館でミステリー小説を書き、鮫島・宇多山・島田の評価で1人に遺産数億円を譲ると言う。
小説の条件は、舞台は迷路館、登場者も招待された今ここに居る者達、殺人事件の被害者は作家本人となる事だった。
早速、第一の殺人が起きる弟子の1人須崎だ。その後、第二・第三と相次いで弟子の作家達が自らの小説で作家自身を被害者とした手口で殺される。最後の4人目の弟子船丘は小説の殺害場面を犯人は手口にしている事からあえて小説を書いていなかったが、やはり殺された。
動機は解らないが犯人と小説の手口と実際の殺人手口が全く同じ事については小説半ばで推理出来ますが、巻末の展開は予想出来ず騙されたと思い楽しませて頂きました。
この館シリーズで必ず出てくる隠し通路・隠し部屋は、今回も当然ながら出て来ますので密室殺人を解く事に神経を使わなくても良いですね。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私が頭が固いからかわからないが、ミステリーの禁じ手を使っていたり、作品内に施されている叙述トリックが私としては反則にしか思えないのですごく不満の残る小説となってしまった。
アイディアは面白いし、途中までワクワクしながら作品に没頭していただけに非常に残念である。
しかし、最後まで物語を読ませる文章力の高さはさすがだと思えるのでそこは評価したいと思う。 -
一番大事なトリックが後出しな感じでモヤッとするけど、館シリーズ読むの4冊目だからうっすら予測は出来てた。でも動機は?動機に納得出来ないっていうか、快楽殺人なのか、、、モヤモヤが残った作品。
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登場人物の正体を隠すの好きやなーwと思った。
まー最後まで気付かんかったけども。 -
大掛かりなトリック屋敷の仕掛けを使った名探偵もの?
名探偵の見事な推理で、とならなかったのは拍子抜けした気分。
80年代後半というバブル時代が生み出した作品か、楽しければ良いじゃん的な小説。
私としては今ひとつぴんと来なかった。面白くないわけじゃないけどね。