angels 天使たちの長い夜 (講談社文庫)

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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764308

感想・レビュー・書評

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  • 青春小説としてはたいへん楽しく読みました。
    あの頃ならではの、痛くて辛くて苦しい想い。
    同性の友人に対する葛藤、劣等感。それでも対になる誰かと一緒にいられる時間。
    ひとりひとりの想いが丁寧に描かれていて、それが長い!ていうレビューもあったけど、私は楽しく読んだ。

    ただ、事件としては色々無理があるし、納得いかないところも多い。
    クローズドサークルのつくりかたから、自分たちで解決しようというくだり。被害者の素性は最後まで分からずに終わる。
    未成年が犯人とはいえ、ほとんど報道されないまま、というのも、どうなのか…
    作中作だからその辺うやむやでもありってことなの?
    加害者目線というかね、犯人を擁護するのも気になるんだよ〜
    被害者のこと結局よく分からないし、それよりも自分にとって大切なものを護りたいという気持ちなんだろうけど、もやっとする〜
    それ以外は、カゲリが好きなのでカゲリと同じ気持ちで読みました。蒼の態度に拗ねたり、犯人の気持ちになったり、蒼のために憤ったり。

    トリックについては、違和感を感じるところがやっぱりポイントなんだな…というくらいで。
    最後に出てきた人については、対になってた人とどっちがどっちだったっけ?というくらい印象が薄くて…そういえばこのふたりのエピソード、他の人みたいに描かれてないな?と今気づいた。

  • キャ~~、蒼くんが主役だぁ!
    すっごくめんこいんですよん、蒼くん。
    建築探偵桜井京介シリーズを読んでいないとわからないとは思うのですが・・・。
    あ、でも本書はシリーズとは全然関係ないので、単独で読んでも大丈夫です。
    建築探偵シリーズの最初の方では、蒼くんはマスコット的存在なだけだったんです。
    あまりに愛らしいキャラがうけたためか、だんだん登場することが多くなり、幼くて純粋に生きている蒼君の暗~~い過去を題材にした本が出て、そして番外編に。
    まずは「センティメンタル・ブルー」というのが蒼くん主人公の番外編でした。
    今ではシリーズの主人公は蒼くんかも・・・。
    本書は夏休みの高校を舞台に、自動電気錠で門がロックされ校内に閉じ込められ生徒たちの中で事件が起こります。
    ある意味、密室状態の孤島もの。ってことは犯人は生徒の中に・・・。
    事件の謎を追うのも面白いけど、閉じ込められた生徒たちの知らぜらる裏側のこととかが、これまた面白い。
    子供も大変なんだよね、うんうん。
    でも、ホロリとくるエピソードとか、蒼くんの口調もそうだけど、すごく優しい雰囲気にも包まれています。
    だから切なくなるんだけどね。

  • 建築探偵シリーズの蒼君スピンオフ。
    おなじみのおじさんたちも、ちょっと画面を横切ってくれるのが嬉しい。登場人物が多いので、前の方をめくりめくり人物に色分けしながら読み進めました。呼び名が人によって代わったりするので、(苗字だったり愛称だったり)ちょっと混乱します。年寄りにはちときつい、でも面白かった。

  • ■夏休み、学校の死体。誰もが怪しい

    夏休み、人けのない校庭に男の死体が転がっていた。校内には15人の生徒だけ。警察へは通報せずに、生徒たちによる犯人捜しが始まる。微妙に絡み合う人間関係と錯綜するアリバイから浮かび上がる意外な犯人は?蒼こと薬師寺香澄が活躍する「建築探偵シリーズ」の番外編。

  • この作品は篠田さんの作品でも好きです。

  • 建築探偵シリーズ番外編。


    夏休みのある日。

    蒼くんの学校で起きた殺人事件。

    成り行きで事件の謎解きをする事となった15人の学生達の推理やいかに?

    5年後の同窓会を経て、明かされる真相とは?


    氏の作品群で既読のもの(といってもこのシリーズのみですが)の中で、一番の出来だと思います。

    この作品のみでも十分に楽しめますが、シリーズを通してみてから読むとさらに楽しみが倍増するので、そちらをお勧めしたいところ。

    もっともここまでに番外含めて11作品……。

    辛いかな……。

  • リアリティがない感はあるけれど、それ以外はとてつもなく好き。
    冒頭にいくつかのhintが散りばめられ、最終へと向かっていく高揚感。

    分かりにくい流れに好き、嫌いは別れるかもしれないけれど、
    これをきっかけに篠田真由美さんのシリーズを読みたくなった私のようなタイプもいるかと。

    ミステリを読まない派でも、ぜひ。

  • 篠田真由美氏の「建築探偵」シリーズの番外編。"蒼"が主役と言うことだったが、群像劇で、思った以上にテイストが違っていた。
    当初は、のんびりとしたスタートだけど、最後までちゃんと読むと、それまでの添加に全部意味があったことが分かって、すっきり。

  • 誰かの罪を負うひと、というのは篠田真由美の一テーマなのだろうか・・・。
    それにしても、「青春!」の空気が気恥ずかしい。翳視点であるのに救われたが、これが蒼視点だったらダウンしていたかも。

  • やっと読み終た。
    舞台は高校。登場人物は高校生のみ。
    なのにまったく10代の若者らしくない会話。
    大人びているというのもちょっと違う。
    登場人物に魅力を感じられなかった。
    なのでなかなか読み進められず辛かった。

    「建築探偵シリーズ」の番外編らしいが、このシリーズを読むことはない・・・かも。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1991年、ミステリ作家としてのデビュー作『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となる。著書に、『建築探偵桜井京介の事件簿』『龍の黙示録』『黎明の書』『レディ・ヴィクトリア』『イヴルズ・ゲート』シリーズなどがある。

「2022年 『レディ・ヴィクトリア完全版1〜セイレーンは翼を連ねて飛ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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