- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062764438
作品紹介・あらすじ
見た目の華やかさで人気を博した元首相、アダム・ラングのゴーストライターとなった私は、孤島に滞在中の彼から聞き取り取材を始めた。だが捗らない原稿に悩まされるうちに、執筆途中で水死体となって発見された前任者の死因に疑問を持つようになる。実際に英国首相と昵懇だった著者が描く謀略スリラー。
感想・レビュー・書評
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この本の映画を 見てみたいと思ったのですが
まずは 原作があるというので 読んでみました。
主人公は ゴーストライターで
前英首相の 回顧録を書くお話です。
でも 主人公の前に 書いていた人が亡くなっていた。
そのあたりも 謎めいていた。。。
最後まで 読んで どうして 前任者の資料とかを 処分していなかったのかなぁ??って 思ったけど 処分していたら (ストーリーの)展開がないから
残っていたんでしょうね~~
好奇心は ありすぎると 命を落としてしまうのですね~~
ゴーストライターさんが 最後には 本物の ゴーストになっちゃったミステリーでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イギリスの元首相の自伝のゴーストライターとなった「私」が国際政治の闇に引きずり込まれていく話。
多少淡泊すぎるきらいはあるものの、前任者の不審死、華やかな人気者だった前首相の爛れたプライベート、孤島の暗い空…といった道具立てで一気に読ませます。 -
なんか映画のようにひきこまれる。ゴーストライターは文章の下手な人の代わりに書く人のことかと思っていたけど、自分の気配を消し、相手自身になりきるまるでイタコのような職業。芸術家ではなく職人。主人公の「私」は英国前首相のゴーストライター。前任者が不審な死をとげ、その後任に抜擢され
事件に巻き込まれてゆく。本当のゴーストとは誰か・・・ -
文学
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ゴーストライター (講談社文庫)
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映画をDVDで観ておもしろかったし、少し謎も残ったので読んでみた。若干結末が違っているが、こちらも楽しめた。
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米軍通信基地沿いの道は、冬枯れの中をなだらかにカーブを描きながらミューズ(所沢市民文化センター)へと続く。
プレイヤーに入れっぱなしになっているハリー・ポッターのサウンドトラックCDのせいか、フロントウィンドウ越しの景色がまるでスコットランドの風景のように見えてくる。
人もクルマもまばらな道に、やがてジョギングの人影が二つ三つ現れると、不意にそれが最近読んだロバート・ハリス「ゴーストライター」(講談社文庫、2009年)のとある描写とかぶさり、舞台はスコットランドからさらにアメリカ北西部の孤島へと入れ替わる…。
空と海の色がひとつになって、果てしなく続くかと思われる荒涼とした土地。襲ってくる風と雨。
砂丘の向こうから近づいてくる二つの影。ひとつは女で、もうひとつは男。男の方は銃を持っている。彼らはただ主人公を連れ戻しに来たのか、それとも…?。
物語のなりゆきはこうだ。
前英国首相アダム・ラングの回顧録を執筆中だったゴーストライターが謎の死を遂げた。島と本土をつなぐフェリーから転落死したのだ。
彼に代わって回顧録を仕上げるべく雇われた主人公は、ラングの別荘がある島にやってくる。そこで彼が出会うのは、才女のようだがどこかエキセントリックで行動が予想できないところのあるラング夫人と、彼女に夫との仲を疑われている有能な秘書のアメリア。そしてもちろん当のラングその人。
前首相と初めて相対した主人公は、開口一番こんなジョークを披露する。
「あなたのゴースト(亡霊)です」
だが、その挨拶は少々悪趣味に過ぎたようだ。ぎょっとして主人公を見返した前首相の顔を見れば、それがふさわしくない台詞だったことは明らかだったから。
主人公はラングへのインタビューをはじめる。
そこで少しずつ明らかになっていくラングの半生。彼はどんな青年で、どんな理由から政治家になったのか、夫人と出会ったのはいつどこでだったか…。
やや退屈なそのインタビューは、やがてすべての謎を解く幾重もの伏線となって生きてくるのだが、この段階では主人公も、そしてもちろん読者もそのことを知らない。
突然ラングのスキャンダルが発生する。
彼の内閣で外務大臣をやっていたリチャード・ライカートが、ラングを国際刑事裁判所に告発したのだ。その罪とは、首相在任中にラングが英特殊部隊を違法利用してアルカイダのテロリストと目される4人を拉致し、CIAに引き渡したこと。その4人はCIAの拷問を受けて死んだが、4人ともイギリス国籍を持っていた。そして、ラングは彼らが拷問を受けることをあらかじめ承知していたと言うのだ。
ラングの身辺はにわかに慌ただしくなる。米国は国際刑事裁判所を承認していないため、米国内にとどまるかぎりラングが逮捕されることはないらしい。だが、ラングはかつての盟友である米国政府要人の支援を確実なものにし、戦いを有利に導くため、ワシントンへ向かう。
残された主人公は前任者の死の謎を解くため、島をさまよう。
雨風を避けるため逃げ込んだとある別荘で彼が知るのは、前任者の死体を発見した老女が何者かに殺されかかり、意識不明になっていることだ。
予想に違わず、入ってはいけない路地に彼は入り込んでしまったらしい…。
この作品、2010年にロマン・ポランスキー監督、ユアン・マクレガー主演で映画化されたが、映画化するまでもなくその描写は十分に映像的だ。
…別荘から走り出る黒塗りのクルマ。群がる報道陣とフラッシュの嵐。空を引き裂くヘリコプターの音…。
…深夜の寝室。ドアを小さく叩く音。素足にバスローブ姿で忍んでくるラング夫人…。
…国際刑事裁判所で開かれる記者会見。登場する女性判事の真っ赤な口紅。再びフラッシュの嵐。彼女は毅然と言い放つ。「正義は、持てるものにも持たざるものにも、力あるものにも弱いものにも平等でなくてはなりません」…。
しかし残念なのは、邦題が原題のとおり「ゴースト(Ghost)」とならず、「ゴーストライター」となってしまったことだ。
もちろん、「ゴースト」の第一義は元首相のゴーストライターという主人公の役割にあるのだから「ゴーストライター」で間違っていないのだが、実は読み進めていくにつれ、「ゴースト」の意味は二重三重にかぶさってくる。
だからこそ、ラングとはじめて相対した主人公が図らずも口にした「私がゴーストです」という台詞が生きてくるのだ。
「ゴースト」だと日本語でのなじみが弱いという判断があったか、もしく日本語の中で抽象的すぎるという判断がされたのだろう。いずれにしても、この作品の肝となるモチーフであるだけにちょっと残念な翻訳ではあった。
http://www.transposon-jp.com/new2/deux.cfm#mode=blogwork.book&blogID=6631142541417187628&entryId=3037495819000219588 -
フィクションだけど、実際にこれに近い世界が存在するのだろうな。
日本の総理大臣などは、全てアメリカの操り人形であっても
不思議じゃないと思えてしまう。
恐ろしきCIA。