赤い指 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 27022
感想 : 1887
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764445

作品紹介・あらすじ

少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。

感想・レビュー・書評

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  • ああ、これはまずいッ
    涙腺が緩むとは〜(><)

    『あなたが誰かを殺した』が面白かったので、同じ加賀恭一郎シリーズのずっと気になっていたこの作品を選んだ
    良かった、上手いよなあ。。。

    低姿勢でありながら、犯人宅をじわじわと追い詰めていく加賀
    そして追い詰められていく犯人宅の切羽詰まった様子が手に取るように同時に描かれていて面白い

    家族を守る為警察の目を誤魔化そうとあれこれ必死に考えた作戦が凄い、というか酷い
    しかし真犯人が明るみになった後明かされた事実の方がもっと残酷だった!
    とても切ない
    涙腺が緩んだ

    そして加賀自身の事情
    それを知った時、さらに緩んだ(><)

    二回に分けて来たか

    「どういう風に死を迎えるかは、どう生きてきたかによって決まる。全てその人の生き様」
    深い言葉だなあ

    良い話だった
    いつか再読しよう
    加賀恭一郎シリーズ、面白い

    • yyさん
      ハッピーアワーさん ♪

      優しい返信 (変身って変換されそうだった!)
      ありがとうございます。

      書籍管理人の娘さん、素敵 ☆彡
      ハッピーアワーさん ♪

      優しい返信 (変身って変換されそうだった!)
      ありがとうございます。

      書籍管理人の娘さん、素敵 ☆彡
      2024/01/08
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      yyさん、管理人は積読が趣味かと思われるぐらい読めていない書籍に埋もれて生きています(・_・;

      そう言えば、東野圭吾の小説にも『変身』あり...
      yyさん、管理人は積読が趣味かと思われるぐらい読めていない書籍に埋もれて生きています(・_・;

      そう言えば、東野圭吾の小説にも『変身』ありましたね(^.^)
      2024/01/08
    • yyさん
      ハッピーアワーさん

      素晴らしい!♡!♡!
      ハッピーさん、センス抜群 ☆彡
      ハッピーアワーさん

      素晴らしい!♡!♡!
      ハッピーさん、センス抜群 ☆彡
      2024/01/08
  • 東野圭吾さんの18年前の作品。
    加賀シリーズの7作品目にあたるとのこと。昨年「あなたが誰かを殺した」が書店に並び、加賀シリーズを読んでみようと思い至り順番を検索した際に、こちらの「赤い指」から読むのをおすすめしているサイトを多く見たのでそこに従いこちらの作品から順を追って読んでみる事に。

    読んでいる最中にだいぶ昔にドラマで観た作品だと思い出す。
    しかし例の如く殆どを忘れている。
    認知症の話等も絡む物語というのも相まって自分の記憶力の薄さも物語と結びつきを持つような感じになってしまった。

    テーマは「親子愛」、親と子のその間柄限定の共有している思い出と慈しみと愛情が絡み合う物語。
    物語としてはスマートで読み易く、しかしそれ以外で考えさせられる事が多い作品だった。
    自分が年を重ねていけば、当然親も年を重ねていく。その中で根本にある愛だけはしっかりと育み続けなければならない。例え仕事やら余裕やら優先的都合やらで自分に出きることや共有する時間や機会が少なくなろうと、その根本にある愛情だけはしっかりと持ち続けようと思う。
    そう投げ掛けられる様な作品だった。

    次の「新参者」「麒麟の翼」連続して読んでみよう。

  • 加賀の鋭い観察眼、加害者の家族にぎりぎりまで与える温情に胸を打たれた。隠された真実は、この家の中で彼等自身によって明かされなければいけない、このセリフの意味にぐっとくる。このような刑事さんばかりだったらどんなにいいか。
    本当に馬鹿餓鬼、どうしようもなく甘い母親、軸のない父親には驚きであった。この前原家に欠けているものは、真実を見るということではないか。と、言っている自分も人に物申せる人間では決してない。だからかな、平凡な家庭など、この世にひとつもない、帯の言葉がとても身に沁みた。

    ちりんちりんと、杖の鈴が鳴り、晴恵は足を踏み出す。
    年老いた母の丸い背中は小刻みに震えていた。
    ここ、とても心動かされた場面です。心のダム決壊というか。この晴恵の姿が自分の父親と重なった。ある時は家族の確執も、幸せな穏やかな時間もあって、全て背負った老いた背中にどうにもやるせなくなる。あんなに嫌がっていた杖、最近は欠かせなくなって。家族というのは一番身近で、分かり合えれば一番いいのですが、時には、一筋灘ではいかないこともあって。
    嫌な感情だけで終わらせず、家族の情に触れるというバランスにほろりとさせられました。加賀親子の隠された繋がりで、更に情に訴えかけられ、とても感動しました。
    スピーディな展開、丁度良い長さ。加賀恭一郎シリーズ、少しずつでも読んでいきたいです。

    • Manideさん
      kazekaoruさん、こんばんは。

      赤い指いい作品ですよね〜
      私も加賀シリーズの中でも好きな作品です。

      人形町駅を6年使っていたことが...
      kazekaoruさん、こんばんは。

      赤い指いい作品ですよね〜
      私も加賀シリーズの中でも好きな作品です。

      人形町駅を6年使っていたことがあって、
      付近を通るたびに加賀が頭をよぎっていました。
      かっこいいですよね〜( ^ω^ )
      日本橋を渡る時も、いつも加賀を思い出します。
      2023/06/13
    • kazekaoru21さん
      Manideさん、おはようございます。

      タイトルからとても気になっていた作品でした。
      クールで温情ある加賀がカッコよく、胸に響いた感...
      Manideさん、おはようございます。

      タイトルからとても気になっていた作品でした。
      クールで温情ある加賀がカッコよく、胸に響いた感動ものでした。
      どうしてもずっと阿部さんが目に浮かんでいました。

      サスペンスそうろうではなく、事件と人情そのバランスが私にはぴったりでした。
      コメントありがとうございました(^―^)
      2023/06/15
  • 加賀恭一郎シリーズ第7弾。
    今日今現在、私にとってはシリーズの中で1番の作品。
    サスペンスでありながらもヒューマンドラマの要素が強かった印象。
    家族の在り方、親子の在り方、今となっては父親であり息子でもある私自身が、もしも本作のストーリーのそれぞれの立場だったなら…。そう考えると非常に感慨深いものがあった。

    • Manideさん
      akodamさん

      赤い指、いいですよね。
      私も加賀恭一郎シリーズの中で1番好きな作品です。
      akodamさんの感想みながら、もう一...
      akodamさん

      赤い指、いいですよね。
      私も加賀恭一郎シリーズの中で1番好きな作品です。
      akodamさんの感想みながら、もう一度読もう!と思いました。

      私が最初に読んだのは2015年でしたが、
      既に「加賀恭一郎」=「阿部寛」でした。
      ドラマや映画に全く触れずに、この本を読んだ人が、加賀恭一郎がどんな人物イメージとなるかは、とても興味深いところです。
      2022/07/10
    • akodamさん
      Manideさん、こんにちは。
      コメントいただき嬉しいです。
      加賀恭一郎シリーズの中でも赤い指、良いですよね!
      恭一郎の感情が絶妙に描かれて...
      Manideさん、こんにちは。
      コメントいただき嬉しいです。
      加賀恭一郎シリーズの中でも赤い指、良いですよね!
      恭一郎の感情が絶妙に描かれていて、昭夫の良心に問いかけるシーンなど今でも覚えています。

      私は加賀恭一郎シリーズを読破した後映画を観たため、初めて観た時は違和感とショックを受けました。
      (とは言えイメージ出来る俳優さんは居ないのですが…)

      好きな物語だからこそイメージを壊してほしくはないと言う気持ちを強く持った初めての作品でもありました。

      ガリレオシリーズは逆に映像から入ったので「福山雅治」以外考えられず…やはりイメージって大事ですよね。

      今後ともよろしくお願いします^ ^
      2022/07/10
    • Manideさん
      そうなんですね〜
      聞いてみたいことが聞けて嬉しい反面、
      絶対、阿部寛だと思ってましたので、びっくりしてます(笑)
      映像の力、恐ろしいですね。...
      そうなんですね〜
      聞いてみたいことが聞けて嬉しい反面、
      絶対、阿部寛だと思ってましたので、びっくりしてます(笑)
      映像の力、恐ろしいですね。

      人の考えを聞けるのは面白いですね。
      楽しいお話が聞けてよかったです。
      また、勝手にコメントさせてもらいますね ^_^
      2022/07/10
  • とても良かった。

    新参者で登場した加賀恭一郎刑事のシリーズのようです。

    今回は普通の家庭で起きた悲劇から家族とは何か、親子とは何かということを考えさせられる作品です。

    いつもながら伏線回収と結末は見事!

    オススメです♪

  • 「しっかり、加賀君のやり方を見ておくんだぞ。おまえはこれから、すごい状況に立ち会うことになるからな。」加賀刑事の慧眼ぶりに心が沸き立ってしまいます。これから何が起こるのかと。
    東野圭吾さんのミステリーはとても読みやすく、すいすい頭に入ってきます。少しずつ、でも確実に真相へと近づいていく。鮮やかに場面の推移が浮かんでくる。
    その間の心理の読み合いは見ごたえがあり、相手の遥か上を行っているのも面白いです。得られる深い人間への洞察はミステリーならでは。
    しびれるやりとりに、あっという間に読了してしまいました。

  • 私の母は認知症で現在施設に入っています。父が他界して数ヶ月後に認知症を発症しました。父の死のショックが癒えぬ中、母の症状が出たので、ダブルパンチを食らった感覚です。父の死をどういう形で妻である母は受け入れたのか、もしくは上手く受け入れることが出来なかった結果、精神的ショックから認知症を患ったのかはわかりません。ただ、長年連れ添ったパートナーの死は当人にしかわからない辛く深い傷となるのだと自身の親を見て感じていました。
    本作、何か私のその当時の父母への思いを蘇らすような、何か身近な印象を与える作品でした。殺人事件自体に身近な印象はありません。あと、たまたま前原昭夫と私は同い年。
    親子の関係性、子育て、認知症、介護といった社会的問題を、加賀親子の関係性も交えて問う作品内容であると感じました。300ページと短い中で、無駄なくそのメッセージ性が凝縮されていると思いました。
    加賀恭一郎シリーズがとても好きです。この後も読み漁っていきます。

  • 加賀恭一郎シリーズ。
    表向きは平穏そうな家庭でも、それぞれに悩みや問題がある。
    その中のひとつ家庭の物語。
    殺人事件に絡み明かされる複雑な家族の肖像。
    その結末はやはり…
    「彼ら自身の手によって明かされなければならない」
    この言葉に尽きると思いました。
    この家庭には本当に胸糞感しかなかったけど、最後には…。
    ラストは加賀自身の家族の事も。
    これには心打たれました。

  • 加賀恭一郎シリーズ 7作目

    嫁姑問題・老人介護問題・少年犯罪等、解決するのが難しい問題を織り交ぜて、息子が犯した犯罪を、有る手段--それは人間として絶対にしてはいけない手段を思いついた両親を「彼ら自身によって明かされなければならない」と、加賀恭一郎は、両親の良心に訴えて、見事に、解決する。

    それと同時に、恭一郎の父親・隆正の最後が描かれる。

    病室で、隆正が看護師と打っていた将棋の相手が実は、恭一郎が一手ずつ、看護師に指示していた事。
    最後まで、自分に会いに来るなと言った、隆正・恭一郎親子が決めた事。
    感動的だった。

  • 加賀恭一郎シリーズ7作目は、家族の問題を扱った作品。嫁・姑の確執、母親の溺愛と父親の無関心が生んだ精神未熟なモンスター、そして父・息子の反発。

    中学生の息子(直巳)が少女を絞殺。息子を溺愛する母親(八重子)に懇願され、隠蔽工作に奔走する父親(昭夫)。人倫にもとるシナリオ。昭夫は、果たして人の道を踏み外してしまうのか。全てお見通しの加賀恭一郎はどう裁く?

    所轄の刑事加賀と組んだ捜査一課新米の松宮(加賀の従兄弟)は、父親に対する加賀の態度に反感を覚えつつも、加賀の捜査手腕に舌を巻く。芝居じみたちょっと出来すぎな展開で、やや興ざめ。

  • まあ、ミステリーには違いないんだけど、テーマとしては重いなぁ。
    八重子が根本的な原因なんだけど、実際こういう人珍しくないような気がする。育てられ方の問題だろうか。何か間違ってる。もちろん旦那も、それを止められない、諌められないのが情けない。

  • 加賀恭一郎シリーズ7作目
    新作の「あなたが誰かを殺した」を早く読みたいという気持ちを抑えて、順番に7作目を読みました。

    今作は主人公の思いの変化が詳細に描かれていて、心が揺さぶられるくらいに感情移入しました。親と子の絆を感じられる物語でした。

    また、シリーズを重ねて、加賀恭一郎の思考や慧眼に厚みのようなものを感じて、より一層魅力的な人物になっているなと思いました。次作の新参者が楽しみです。

  • 東野圭吾による加賀恭一郎シリーズ第7作

    住宅街にある公園のトイレで女児の死体が発見された。
    捜査一課の新米刑事松宮と所轄の加賀恭一郎、従兄同士の二人がペアを組んで捜査にあたる。

    読者には、犯人も犯行の状況も冒頭で明かされる。
    加賀たちは、その真相をどう暴いていくのか…

    加賀の勘と推理が冴え渡る。
    松宮のみならず上司たちまでもが舌を巻く。
    聞き込み捜査の時の細やかな気遣いもしかり。
    今回は、迷うことなく一直線に解決に向かっていった印象だ。

    そして、最後は加賀と父親との関係に涙した。
    真面目で頑ななところがそっくりの親子なのだ。

    さまざまな家族の形がある。
    親はどんな形であれ自分の子供のことを守ってやりたいと思うものだが、それは時として歪んだ形となってしまうこともある。
    歪んでしまった形を元に戻すのもまた家族の役割。
    家族の在り方について考えさせられる作品だった。

  • 【感想】
    何度か読んだ本で、本当に面白いのだけど、読後のこのモヤっとした陰鬱な感じは変わらない・・・
    どの家庭でも起こりうる、そして起きれば防ぎようのない、決して「対岸の火事」ではないトラブル。
    「仕事三昧で家庭を顧みる事が出来ない」という点、「親の介護」という点、「実子が犯す犯罪」という点。
    非常にデリケートで、これって事故のように回避することが中々難しいのではないかと思う。
    自分に子どもができて家庭を持った際、果たしてうまく生きる事ができるのかなぁ?

    本作品は、加賀恭一郎シリーズの中でも、トップクラスにメッセージ性のある作品だと思う。
    また、加賀親子のギクシャクとした中にも、お互いを知り思いやる気持ちが垣間見えたあたりは、本当に面白かった。


    【あらすじ】
    どこの家でも起こりうること。
    だけどそれは我が家じゃないと思っていた。
    平凡な家庭で起こった、2日間の悲劇

    人は事件の裏側にある別のものを隠し、苦しんでいる。
    加賀恭一郎は、その苦しみから救済し、人の心を解きほぐす。
    「刑事の仕事は、真相を解明すればいいというものではない。いつ、どのようにして解明するか、ということも大切なんだ」

    少女の遺体が住宅街で発見された。
    捜査上に浮かんだ平凡な家族。
    一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。
    「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。
    刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は? 
    家族のあり方を問う直木賞受賞後第1作。


    【引用】
    p80
    怖い理由はそれだけではない。
    もし警察に通報するのであれば、これほどの恐怖は感じないはずだった。
    正当な理由のもとでなら、死体を段ボール箱に入れることも、さほど苦痛ではないと思えた。
    自分のやろうとしていることのあまりの非道徳さに怯えているのだ、と昭夫は気づいた。


    p129
    「事件に慣れることなんてない。殺人を担当している間は特にそうだ。
    遺族が泣く姿を見るのに慣れるようじゃ、人間として問題がある。
    俺が訊いたのは、刑事という立場に慣れたかという意味だ。」

  • っすぅーっと入り込めて最初から最後まで面白かった。
    今の所シリーズの中で1番好き。

  • この作品で東野圭吾にはまりました。
    単なるサスペンスではなく、人の切ない心の機微が伝わってくる作品でした。

  • 【加賀恭一郎シリーズ7】再読。

    住宅地で発見された少女の遺体…犯行家族の闇、人生の終盤に振り返る想いを折り込んだミステリー。

    犯行現場の前原一家と、加賀親子の対比や、加賀の従兄弟:松宮刑事も登場し、幅をひろげている。

    2009年に単行本で読んでから、14年経過…大筋は覚えていたのに、今回は鼻の奥がツンとして涙が滲んだ。シリーズを順番に読んだ甲斐があった。

    加賀は30代半ば、洞察力で頭角を表している。

  • 衝撃だった。父母も絶賛していた。
    家族のお話、である。

    東野圭吾さんはどうしてこうも「どうしようもなく悲しい人間の性」を映し出すのが上手いんだろう。
    これは実写化でも観たが、本でもテレビでもとにかく良かった。良かった、というのは…悲しいのと、悲しいのと、本当の愛の痛さと……

    東野圭吾さんシリーズで1作選べと言われたら、
    私はこれを選ぶかもしれない。

  • シリーズ物だったから買った一冊。

    事件は読者は犯人がわかっている状態で、どう警察が事件を解決するかの話しだった。

    こうゆう構成だと、事件解決のドキドキが薄れる感じがするが、自分は好きな構成だった。

    罪を犯した我儘な息子、隠そうとする母親、言い返せず流される父親
    父親がしっかりしていれば、よけいな罪を犯さず済んだのに

    嘘をついたことでいろんな人を傷つけた事件だった。

    主人公とその父親の関係には感動した。

    表面上ではぎくしゃくしたように見える親子関係だが、実は父親と繋がっていた。
    涙がでそうになる最後だった。

    主人公の洞察力はすごい。
    このシリーズだんだん面白くなってきたと感じた小説でした。

  • 1番悪いのは殺人を犯した息子だけど、元凶は八重子。

    悪意に次いで2度目の加賀刑事だったけど、これを気に加賀シリーズは全て読まなきゃなと思った。
    過去に読んだ東野圭吾の作品の中で1番好きな話だった。

  • 加賀恭一郎シリーズ7作目。
    最初の方から、息子の犯した罪を隠し庇おうとする前原夫妻にゾッとした。我が子や自分可愛さとはいえ、幼い女児遺体を公衆トイレに遺棄するなんて、あり得ない…

    加賀の慧眼ぶりは今回が一番すごかった気がする。
    そしてそれに驚く間も無く、最後の最後に更に大きな事実(実は政恵はボケて無かった…!)が発覚して驚いた。
    自分が育てた実の家族なのに、居場所がなくて認知症のフリをするとは、どれ程辛かっただろうと思うと悲しい。

    ただ本当はボケていなかったなら、直巳が女の子を殺してしまった時に同じ階にいて声など聞こえなかったのか、何か良からぬことが起きたのに気付いたなら、持っていた携帯電話ですぐに通報して欲しかった、というのが気になった点。

    加賀の実父との関係性やその理由も明らかになる。

  • 胸糞!って書かれる方も多いですが、読了後には温かい気持ちになれました。僕は本作で家族の在り方について学んだ。言葉は交わさずとも繋がっている家族。親は子を愛してるし、信じたいんだなって。これは決して簡単なものではない。

    感じ方は人それぞれだと思うけど、僕が親に大切に育ててもらえていること、ちゃんと叱ってくれて、何かあれば祝ってくれて、いつも味方でいてくれることのありがたさを思い出させてもらえた作品。

  • 物語の中に出てきた少年の心情の移り変わり注目して読むと面白いです。
    物語の最後にも注目です。

  • 加賀刑事シリーズ。
    一度全部読んでいるが、何回読んでもおもしろい。
    話としては最低な息子の話。親への感謝もなければ子育ても失敗。
    加賀さんがお父さんと最後だけでもつながっていた事に救われた。


  • 加賀シリーズ。頭の中で阿部寛と溝端淳平で再現されていました。
    松宮がまだ刑事慣れしておらず、成長後を先に読んだので初々しい感じがした。相変わらず読みやすいし、引き込まれる。

    中学生の子供の問題、年老いた両親の問題。どちらも自分の近い未来に起こることなので、読書中、自分に当てはめて読んだりした。
    こんなこと起こって欲しくないし、起こしたくないな。悲しすぎる。

  • これも想像したくない話だ。
    息子は妹がいるため、途中から読めなくなった、と言っていた。

  • ある家庭で起こった殺人事件。平凡に見える家族の真相に加賀が迫るシリーズ第7作目の作品。

    序盤からずっと不穏で、読み進めるごとに心身が鉛を呑み込んだようにズシッと重たくなってしまう。ミステリというより、一つの家族の人間ドラマを見ているようだった。

    前原家のシーンになると、とにかく気が重たくなった。ストーリー自体はとても面白いが、読み進める度に体力も気力も削ぎ取られていくようで、少々根気が必要だった。起床後の読書タイムでも朝っぱらから顔を顰めるくらいに陰鬱。

    人を殺してしまった息子を何とか庇いたい…その気持ちはとても理解できる。しかし、人としてのラインを超えた思想に、思考停止して絶句してしまった。

    自分たちの未来に傷を残すまいと、認知症の母親に汚名を着せて、息子の犯した罪をなすり付けるなど、倫理的に許されない行為だろう。一体、選択を何度間違えば気が済むのかと…怒りとやるせなさが、ないまぜになって込み上げた。

    加賀の慧眼の鋭さは今回も凄まじい。初動から幾つもの疑問点を見つけ、パズルのように組み立て上げてしまう。なるほど…と唸る推理に惚れ惚れしてしまった。昭夫に真実を吐露させるラストシーンでは人情味も感た。一目置かれるわけだ…。そして最後の真相にも、まさかと驚いた。

    加賀の父親との関係性も知る事ができて、大満足の作品だった。今回の加賀もいい味出してるなぁ。

  • 再読本?だと思う。いつ頃読んだか忘れた^^; すっかり内容忘れてました。

    最初から息つく間がないままに話は転がっていき、早い段階で読み終えました。 
    息子を守るためにここまでやるとは、、正直虚しいし胸が痛かった。ちょっと涙が出そうになる場面も(>_<)

  • 弟にすすめられて読みました。
    認知症の母に罪を負わせる…
    それを匂わせる場面で、嫌な予感というか、もしかして…と思った自分がいて怖くなりました。
    実際に殺人を犯した息子は、未成年といえど断罪されるべきと思ったのですが、今の自分では、犯罪を犯した我が子をかばう両親の気持ちは、想像はできてもまだ納得はできませんでした。なので、自分も実際に子供がいたらこの辺りの感覚も変わるのかなと思いました。
    また、前原家族のストーリーだけでなく、加賀恭一郎の仕事観や親子親戚関係の紐解きもあって、純粋に「この作品すげえな!」と思いました。

    読みながら自分の家族や親戚の顔が浮かんできました。もちろん家族親戚に恨みなどないですが、色々と軽率な言動を兄弟や家族に対してしてきた自分への戒めの気持ちもくれるそんな小説でした。
    この馬鹿息子ほどではないにせよ、立派にバカ息子をしてきた(いる)自分…もっと頑張ろう。

  • 真実がわかったときの、「嘘でしょ…」という衝撃。ショック。後悔。加賀刑事、すごい。素敵です。
    同時に私自身にも、「それでいいのですか?」と問われている気がしました。自分も親に甘え過ぎていたな、親はこういう気持ちだったのかな、何もしてあげていないなと。
    枕元に置いて読み返す度に、なんだか励まされている気持ちになり、今年のクリスマスにマフラーを送りました。感謝!

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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