獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764476

作品紹介・あらすじ

カザルム学舎で獣ノ医術を学び始めたエリンは、傷ついた王獣の子リランに出会う。決して人に馴れない、また馴らしてはいけない聖なる獣・王獣と心を通わせあう術を見いだしてしまったエリンは、やがて王国の命運を左右する戦いに巻き込まれていく-。新たなる時代を刻む、日本ファンタジー界の金字塔。

感想・レビュー・書評

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  • 一気に読んだ。最後は涙涙。エリンとリラン。ずっと守られてほしい。国はどうなって行くのか。
    ああ楽しみ…。

  • 著者は本来この王獣編で終わりのつもりだったらしいです。長い話が無理な方はこの2巻まで読んでみてもいいと思います。
    ファンタジーの世界の話ですが、内容は大人も子供も楽しめる、それぞれの年齢で違う楽しみ方ができる本でした。

    人間の醜さに立ち向かう女性エリンの人生の生き様に深く心に刺さるものがありました。静かにひたむきにそして力強く生きるエリン。
    過去の悲しい辛い経験で時に悩まされるエリンですが、それを乗り越えようとして生きる姿に感動しました。

  • アニメで見た以来、忘れられなかったエリンの物語第2編め…大人になって読んでみると、政治劇がとても印象深く、誰が悪役か、というところに注目して読んでしまう。ファンタジーでありつつ、ミステリーというかサスペンス要素もあるのが面白さの秘訣なのか…?どんどん読み進めた。子供の頃のほうが純粋にエリンとリランの関係性や成長に注目できたように思うが、これはこれで正解なのだと、あとがきを読んで思うに至る。個人的には、闘龍編よりも王獣編の方が面白く感じた!ジョウンとの出会いから、学校時代を経て、様々な人に影響を受けて、大人になったエリンは1番大切にしなければいけないのか、核のようなものを常に考えていきている。真意を見抜く姿が切なくもあり、かっこよくもあり、このように強くなりたいと自らの姿を律するきっかけにもなる。イアルと無事にくっついてね…の気持ちで読了した。

    p.420-421
    わたしはセイミヤのように、選ぶことのできぬ道の上に立っているわけではない。
    リランを音無し笛で縛りたくないと思ったあの日から、己がもっとも心地よいと感じる道を選んで、進んできただけだ。
    野に生まれたものを、野にあるように育てたかった。しかし、その一方で、リランを愛し、獣と人の垣根を越えた絆が生まれていくことに、わくわくするような喜びを感じていた。
    その選択の果てに辿りついたのが、いまのこの場所なのだとわかっていても、自分が死をもって貸わねばならぬ罪を犯したとは、どうしても思えない。
    それでもなお、胸を食む虚しさは、えていかなかった。
    リランに感じている愛情は一歩一歩、手探りをしながら、リランに近づいていった努力は、なにに向かっていたのだろう。なんの実りももたらさぬ、自己満足にすぎなかったのだろうか。
    そうかもしれない。かつてエサル師がおっしゃっていたことは、きっと、正鵠を射ていたのだ。すべての生き物が共有している感情は、愛ではなく、恐怖であるということ。それは、冷徴な真理なのだろう。
    人は、獣は、この世に満ちるあらゆる生き物は、ほかの生き物を言じることができない。ない。心のどこかに、常に、ほかの生き物に対する恐怖を抱えている。だから、口生をされぬよう、ほかの生き物を抑えるために様々な工夫を凝らし、様々な束の手段を生みだしてきたのだ。
    武力で、法で、
    戒律で、そして、音無し笛で、互いを縛り合ってようやく、わたしたちは安堵するのだ・・・・・。
    生き物の性に目を凝らしても、見えてくるのは、こういう虚しさだけなのだろう。
    たとえ、無事にカザルムへ帰ることができたとしても、もう二度と、自分は学童の前に立つことはなかろう、とエリンは思った。
    生き物の性に、虚しさしか感じられない者が、子どもらになにを語れよう。
    人も獣も虫も、あらゆるものは、闇の中に輝く小さな光点にすぎない。ーー不信という闇に囚われた、無数の光点の群れだ。
    エリンは、銀砂をまいたように星が散らばる暗い空を見上げ、背後でリランがたてている輪のような呼吸音を、ただ、じっと聞いていた。

  • 闘蛇編に比べて少し大人になったエリンの物語。

    エリンと周りの人々の心境の変化やリランとの関係性の変化が面白く、非常に読みごたえがありました。

  • 一貫して、獣はそして人はどう在るべきか、一つの考え方を示してくれる。そのメッセージを、これ程魅力的なストーリーに乗せられる作者にただ脱帽です。

  • ただ、ただ、よかった!
    物語の流れは、だいたい、わかっていたが!
    獣と人間の関係性❗
    読む手が止まらない
    おすすめの作品

  • シリーズ2作目。素晴らしいです。

  • 自分が思うファンタジーは、明るくてドキドキワクワクする物語。このシリーズは、テーマが重くて読むのを少し躊躇ってしまう作品ですが、数ページ読むと、先の展開が非常に気になって読まずにはいられない、不思議な魅力を持った異世界ファンタジーです❗

    王獣や闘蛇という現実には存在しない生き物を登場させながらも、リアルな描写は読者に何かを感じさせる大人向けの作品となっています♫

    読書の楽しさを改めて教えてくれる素敵な一冊です❗

  • まだ続く。エリンが少女から大人へ

  • 号泣!私の心のなかにエリンたちが生きている。この物語りを世に生み出してくださりありがとうございますという気持ちでいっぱいです。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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