空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

  • 7001人登録
  • 4.41評価
    • (1504)
    • (1107)
    • (271)
    • (20)
    • (4)
  • 643レビュー
著者 : 池井戸潤
  • 講談社 (2009年9月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764520

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 上下巻通しての感想
    横浜市内で実際に起きた事故をモデルにした物語。
    何の罪もない。何の過ちもない。
    突然に事故の加害者となった者。被害者となり命を失くし、家庭のあたたかさを失った者。
    絶対にミスをしてはならないとは言わない。
    けれど、ミスをしてしまったときの対応が企業の価値を決めると思う。
    企業を守るためにリコール隠しに必死になるようすは嫌悪感しかわかない。
    あらゆる手を使ってなりふり構わずに責任逃れをしようとする姿からは、大企業の間違った論理が大手を振ってまかり通る世の中の矛盾しか感じない。
    自動車のない日常なんて想像もできない。
    しかし、一瞬にして便利な生活アイテムも凶器に変わるということを忘れてはいけない。
    企業はいったい誰を相手に商売をしているのか?と問いたくなる。
    会社を、従業員を、そして家族を守ろうとする赤松。
    どんな妨害を受けても、ただひたすらに信じる道を進もうとする姿には痛みすら感じた。
    潔白を証明するためには企業の協力が必要だと・・・非を押し付けた相手は企業なのに・・・理不尽だ。
    企業の態度に憤慨しつつ、赤松を応援しつつ、被害者に涙しつつ、読み終えた。
    とても中身の濃い物語。
    何故「直木賞」が取れなかったのか不思議なくらいだ。
    どんなに険しい道であっても、必ず正しい者が勝つ。
    そんな世の中であってほしい。

    【横浜母子死傷事故】
    2002年1月10日、神奈川県横浜市において起きた事故。
    綾瀬市内の運送会社が大型トレーラートラックに自社所有の重機を積載して走行中していた。
    突然左前輪が外れ約50mを転がり落ち、ベビーカーを押して歩いていた母子3人を直撃(ガードレールはなかった)。
    母親は死亡、長男と次男も軽症を負った。
    事故車両はハブが破損、タイヤやホイール、ブレーキドラムごと脱落したことが判明。
    三菱自工が欠陥を認めるまでの間、事故車両を運転していた運転手自宅には嫌がらせが相次いだ。
    男性が営んでいた運送業は結果廃業に追い込まれる。

  • 親父の後を継いで懸命に運送業を営んできた赤松さん。
    突然、社のトラックの前輪が外れて主婦を直撃。即死。
    銀行は融資を差し止め、子供はイジメに合い、辞めて行く社員。
    窮地に追い込まれていく。
    一方、赤松のトラックを製造するホープ自動車の内部でもきな臭い動きが。
    暗躍する雑誌記者。
    真実はどこに?
    下巻へ続く!

    うおー!お弁当箱でも一冊で読むべきだった。
    下巻は会社に置いてきちゃったし。
    上巻はひたすら忍耐の赤松さん。
    同業者に助けられたり、若い整備工モンタがいい奴だったりで救われるところもあるものの。
    確かにジャッキー・チェンじゃないけどさ、苦しみが深いほど逆転したときは爽快だけど、上下巻でこれはちょっとキツイ。いや、私が二冊持ち歩けばよかったんだけどさ。

  • 上巻は災難続き、赤松社長の苦労が伝わる。本筋のタイヤの話だけでなく、PTAの話が出てきたり、門田の話があったりで飽きさせない。どん底から逆転するのがわかっていながら、赤松社長の人柄に感情移入してしまう。一気読み。

  • 三菱ふそうタイヤ脱輪事故をモチーフにした作品。
    運送会社、銀行、トラック製造会社が絡む人間ドラマが最高!特に大企業内のヤリトリがリアルで妙に共感する部分が多くページをめくる手が止まらなかった。まさに最高傑作!!

  • 走行中のトラックのタイヤが歩行中の母子を直撃し、不幸にも、母親が命を失う。

    小さな運送会社の社長、赤松を襲う様々な苦難。
    銀行の融資打ち切り、取引先の取引停止などに、会社は最大の危機に見舞われる。

    メーカーのホープ自動車は、赤松運送の整備不良を主張し譲らない。
    しかし、トラックそのものに構造上の欠陥があり、リコール隠しをしているのではないか、との疑惑が...

    様々な立場、様々な登場人物、息をのむストーリー展開に、ページを読む手が止まりません。

    被害者の息子さんの追悼文集が、涙を誘います。



  • 久しぶりに読むのを辞められない本に出会った。
    テレビドラマのような展開だが、この人間模様は小説でしか味わえない。
    すぐに次を読みたいのでこのくらいにしておく。

  • 池井戸さん、初読み!
    悪いことはしちゃあいけません!
    つづきがきになるーー!

  • 2017.9.1
    あの事件、あの財閥だよね。
    人の命より出世や金銭が大事、他者を蔑む態度
    本当に腹立たしい。
    苦労してギリギリのタイミングで誤解をとく、幸せを掴むのはいつものパターンだけど、読書がやめられない。
    そう、いつものパターンなんだよ。
    でも魅力満載なんだよ。
    大企業の勘違いは現実にあるのかなぁ。
    正義を信じていきたいです。

  • 失敗を繰り返してはいけない。財閥系企業の傲り,リコール隠し,通行人の死,弱者への責任転嫁…恐ろしいことにほぼ事実。それどころか実際には倒産。人殺しとなじられて。忘れてはいけない事実を淡々とした記事ではなく、普通に暮らす被害者の目線で描かれる所が良い。一人一人が地道に必死に生きている事を忘れてはいけない。多くの人が知り、腹を立て、風化させないようにしたい。何故、人命を失った重みの自覚なく力で責任をねじ伏せれるのか知りたい。いや知っておくべきだ。多くの人が知り、腹を立て、後世に残せる。

  • 現実の事件が下敷きにあるから、正義は勝つ!と結果はわかってるけど、それでも読んでしまう。
    するする読める。正義と悪がはっきりしてる。
    後半に続く。

全643件中 1 - 10件を表示

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)のその他の作品

池井戸潤の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
池井戸 潤
池井戸 潤
有効な右矢印 無効な右矢印

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)に関連するまとめ

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)の作品紹介

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。

ツイートする