空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

  • 6728人登録
  • 4.41評価
    • (1471)
    • (1071)
    • (262)
    • (19)
    • (4)
  • 625レビュー
著者 : 池井戸潤
  • 講談社 (2009年9月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764520

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
池井戸 潤
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 泥縄式もここに極まれりのインスタント社長
    期待された成績を上げられないのに業績考課の是非など問題にすれば、一気に能無しの烙印を押されるのがオチだ。(何事もタイミングと誰が言うかということが大事ということがよく分かる。)
    会社の論理っていうのは、会社の常識、世間の非常識
    エリート意識の強い人間が最も立腹するのは、侮辱を受けた時だ。
    相手に考える時間を与えることになって、身構えたり装ったりといった準備をされること無しに、本当の姿を見るためではないか。
    道義的に正しいことと経営的に正しいことはときとして一致しませんから。

    目先の危機に狼狽退職しようとしている高嶋さん。
    これは本当に難しいな。確かに会社が苦しい時に辞められるのはやめる側も辞められる側もお互いにどっちも気持ちよくない。やめる側は会社に育ててもらった恩に背くと感じるかもしれないし、会社側も今まで育ててきたのに少し傾いたら見捨てるのかと思うかも。でも、一般的には会社は社員によって支えられ、社員によって育てられたはず。だから社員が見捨てるのは裏切りとか見捨てるとは一概に言えない気もする。
    また、これが例えばホープ自動車ならどうだろう。不正が発覚して会社が倒産の危機になったときに、やめるというのは極々自然だと思う。なぜなら会社が不正を隠してきたんだから。でも赤松さんの場合、赤松運送に不正はない。

  • 走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。

  • 半沢直樹に似てるなって思ったら同じ作者やったわ。
    やっぱ面白いわ。

  • 上下巻あわせてのレビューです。

    私の「泣きのハードル」は非常に低く、泣いた本を挙げるとキリがありませんが、読んでいてこれほど登場人物と一緒に腹を立て、涙した小説はありません。

    走行中のトレーラーから外れたタイヤが親子を直撃、母親が死亡。トレーラーの製造元であるホープ自動車会社が出した結論は、運送会社の「整備不良」。それに納得できない赤松運送会社の社長が真相を追う……というもの。

    フィクションではありますが、2002年の三菱自動車によるリコール隠しが下敷き。誠実を信条とする中小企業の社長が、整備不良が原因ではないといくら主張しようとも、財閥企業が悪いことをするわけはない、責任転嫁もいいところだと非難されるばかり。その非難は社長の家族や子どもたちにも及びます。PTAの難儀なおばちゃんの理不尽な言いようには、はらわたが煮え返る思い。

    自動車会社に逆らうことで、系列の銀行から融資ストップ。それだけにはとどまらず、これまで貸した金もすぐに返せと言われます。得意先からも契約を打ち切られて呆然とする社長。サラリーマンの世界、正義や信義だけではやっていけないんだよぉと思いつつ、読書中にここまで頭に血がのぼったのは初めてかも。

    やがて、自社の従業員の中にすら離れてゆく者が出てきます。けれど、社長と運命をともにすると決めた数名、特に、見た目はチャラ男、実は社長を心から慕う整備士には泣かされました。終盤、刑事からかかってきた電話に感極まってまた涙。社長と、社長を信じて残った従業員たちと一緒に、心の中でガッツポーズ。これで一件落着とは行かず、まだその後に山場が控えているのですけれど。

    2009年にはWOWWOWで連続ドラマW枠として放送、DVD化されています。3巻セットゆえに観るのを先延ばしにしてきたけれど、原作を読んだら早く観たくてたまらなくなりました。赤松社長に仲村トオル、ホープ自動車会社の常務に國村隼、整備士には柄本佑。そのほか大杉漣、田辺誠一、本上まなみ、袴田吉彦、相島一之、萩原聖人、水野美紀、遠藤憲一、斎藤洋介、甲本雅裕などなど、キャストを見ているだけでウキウキわくわく。

  • 人身事故を起こして潰れそうな赤松トレーラー
    リコール隠しに走るホープ自動車
    ホープ自動車への再建融資を検討するホープ銀行の3社がストーリーの中心。赤松の子供が通う学校でのイジメ事件なんかも絡んで物語は展開する。

    最終的には、赤松の集めた証拠が警察を動かし、社内政治に負けたホープ自動車の沢田の内部告発が決めてとなり、ホープ自動車のリコール隠しが明るみになるというストーリー。

    池井戸潤の本は毎回ストーリーが一緒だけど外れがない。

    勧善懲悪。実際、会社にはそこまで純粋な悪はいないと思うがそれは自分がウブなだけかな。

    印象的だったのは、
    ホープ自動車やはり沢田の思い悩みの部分。

    自分がリコール隠しに、協力すれば希望の部署に行ける。そこでなんのために働くのかを逡巡する。20代は必死に顧客に向いて仕事をするが30代になってスタッフになり、政治にどっぷりつかっていく。大企業である会社は絶対に潰れない船であり、その中でいかに自分の利益を最大化するかの戦いに明け暮れる人達。
    沢田は結局リコール隠しに、協力する選択をするが、最終的に自分がそこで政治に負けたことに気づく。

    営業フロントにいると全く見えないけど、うちの会社もふたを開ければそんな感じなのかもしれない。サラリーマンを続ける意味を考えさせる本。

  • 池井戸潤さんの「空飛ぶタイヤ 上巻」読了。トラック事故のため、亡くなった妻への手紙で始まる。突如事件の渦中に放り込まれた赤松社長は、悩みながらもホープ自動車へ原因究明を求めていく。一方、ホープ自動車側もクレーム対応窓口の沢田は、社内勢力図を変えるため動き出す。。 面白かったです。中小企業の運送会社の赤松社長、ホープ自動車でクレーム対応をしている沢田、スクープを狙う週刊誌の記者など、泥臭い人間模様を描きながら、胸を締め付けるような感動ポイントも散りばめてます。今後の展開が気になるところで下巻へ。

  • 運送会社のトラックが死亡事故を起こし、トラックの構造に問題があったのでないかと、メーカーを訴える運送会社社長。メーカーのリコール隠しの問題が浮き彫りになり、メーカー側は決して責任はないと固辞し、会社の従業員とその家族のこと、自分の家族のこと、息子が学校でいじめられるなど問題は山積し、企業の傲慢さ、学校での子供の残酷さが受けて取られる。社長もそれに怯むことなく、自分の考え、正義を貫き、問題解決へ従業員ともに団結して欲しいと感じる。家族、従業員とその家族の思いを寄せて下巻ではその思いが報われて欲しいと願う。

  • 上下巻通しての感想
    横浜市内で実際に起きた事故をモデルにした物語。
    何の罪もない。何の過ちもない。
    突然に事故の加害者となった者。被害者となり命を失くし、家庭のあたたかさを失った者。
    絶対にミスをしてはならないとは言わない。
    けれど、ミスをしてしまったときの対応が企業の価値を決めると思う。
    企業を守るためにリコール隠しに必死になるようすは嫌悪感しかわかない。
    あらゆる手を使ってなりふり構わずに責任逃れをしようとする姿からは、大企業の間違った論理が大手を振ってまかり通る世の中の矛盾しか感じない。
    自動車のない日常なんて想像もできない。
    しかし、一瞬にして便利な生活アイテムも凶器に変わるということを忘れてはいけない。
    企業はいったい誰を相手に商売をしているのか?と問いたくなる。
    会社を、従業員を、そして家族を守ろうとする赤松。
    どんな妨害を受けても、ただひたすらに信じる道を進もうとする姿には痛みすら感じた。
    潔白を証明するためには企業の協力が必要だと・・・非を押し付けた相手は企業なのに・・・理不尽だ。
    企業の態度に憤慨しつつ、赤松を応援しつつ、被害者に涙しつつ、読み終えた。
    とても中身の濃い物語。
    何故「直木賞」が取れなかったのか不思議なくらいだ。
    どんなに険しい道であっても、必ず正しい者が勝つ。
    そんな世の中であってほしい。

    【横浜母子死傷事故】
    2002年1月10日、神奈川県横浜市において起きた事故。
    綾瀬市内の運送会社が大型トレーラートラックに自社所有の重機を積載して走行中していた。
    突然左前輪が外れ約50mを転がり落ち、ベビーカーを押して歩いていた母子3人を直撃(ガードレールはなかった)。
    母親は死亡、長男と次男も軽症を負った。
    事故車両はハブが破損、タイヤやホイール、ブレーキドラムごと脱落したことが判明。
    三菱自工が欠陥を認めるまでの間、事故車両を運転していた運転手自宅には嫌がらせが相次いだ。
    男性が営んでいた運送業は結果廃業に追い込まれる。

  • 序章「決して風化することのない、君の記憶」から暗澹とした気分にさせられた。
    モラルが崩壊したホープ自動車の幹部たちに、プライドと呼べるものがあるとしたら、それはなんて見苦しくて厄介なんだろう。
    その対極にいるのが赤松社長、宮代専務、整備士の門田。彼らの揺るぎない精神力に心を打たれた。
    小学校のゴタゴタも早く解決してほしいなぁ。女王蜂、憎たらしいっす…。
    人事異動にぐらつく沢田の複雑な心理からも目が離せない。
    とにもかくにも下巻こそは、ハブ返せ!

  • 評価は文句なしの5。

    内容(BOOKデーターベース)
    走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。

    最後に正義が勝つ!という安心感があるにも関わらず怒りがこみ上げる・・・程話に引き込まれた。
    今回はTVドラマ(半沢直樹)の様なスーツをビシッと着こなしたエリートが主役では無く、疲れ果てた中年の冴えない中小企業の社長が主人公。ホープ自動車は・・・たぶん本当に実在した三○自動車かな?
    リアルでハラハラして、読む手が止まらない・・・・

  • あっという間に読了。さすがの展開です。勧善懲悪のストーリーなので、安心感があり、それでいてドキドキ感もありと、エンターテイメント性の高い作品です。企業と家庭、学校といった社会問題に切り込んでいます

  • 388

    2017年では22冊目

  • 彼女と仲良くなったきっかけの本

  • 面白い。一気に読み終わってしまうほどの面白さだが、池井戸さんのいつもの流れであるため、展開が分かってしまう気もする。

  • すすむすすむ。
    おもしろい。

  • 嫌いな物語ではないけど、様々な立場の方が出てきて、誰が誰だが分からなくなる所が、私にはあった。でも畑違いの会社の話としては、迫力の文体だと思う。池井戸潤にハマりそうです!

  • 11月-11。4.0点。
    運送会社のトラックから、タイヤが外れて若い母親
    が死亡。運送会社の整備不良か、メーカーのリコール隠しか。
    さすがの筆力。あっという間に上巻読了。

  • 面白い。 感想は下巻読了後に。

  • 組織ってなんだろうね。あんな腹の探り合いを世のサラリーマンはしているのだろうか。尊敬

  • 走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。

全625件中 1 - 25件を表示

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)に関連するまとめ

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)の作品紹介

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)のKindle版

ツイートする