空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 792
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764520

作品紹介・あらすじ

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。

感想・レビュー・書評

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  • 池井戸さんの有名作!タイヤー!
    (半沢直樹シリーズは本もテレビも未だに読んでもおらず見ておらず)

    赤松運送
    東京ホープ銀行
    ホープ自動車

    という三つの会社が、ある事件から絡み合う。
    そして、小学校。

    これ、長瀬智也!?昔にネトフリか、アマプラで見たかもしれない…けど忘れちゃた!

    とにかく人が多いので、登場人物一覧が頁につけられてて良かった!たまにここに書いてない人も出てくるけどw

    下巻へ〜ワクワク(((o(*゚▽゚*)o)))
    ロケットも一冊積読におりますw

    • なんなんさん
      タイヤ行きましたー!!!
      下巻もあと2章です。めっちゃ面白いですよねー
      次の休日で読了します。
      ワクワク・:*+.\(( °ω° ))/.:...
      タイヤ行きましたー!!!
      下巻もあと2章です。めっちゃ面白いですよねー
      次の休日で読了します。
      ワクワク・:*+.\(( °ω° ))/.:+
      ここからが更に楽しみ!!
      2023/08/16
    • なんなんさん
      え!?リコールのモデルになってるんですか?
      知らなかった(^◇^;)
      え!?リコールのモデルになってるんですか?
      知らなかった(^◇^;)
      2023/08/16
    • 1Q84O1さん
      三菱のリコール隠しがモデルになってる作品だったはずです
      確か、あの頃三菱はあれこれと問題を起こしていたような…(・_・;)
      三菱のリコール隠しがモデルになってる作品だったはずです
      確か、あの頃三菱はあれこれと問題を起こしていたような…(・_・;)
      2023/08/16
  • 池井戸さんの作品は面白いですね。
    この作品、題名から想像すると未来の自動車みたいな感じですね。
    ハラハラドキドキしながら読み終えました。
    素晴らしい^_^

  • フィクションだけどノンフィクションのような大企業による隠蔽工作に翻弄される運送会社社長を主役とした物語。
    上下巻かつ複数の企業や人が関わっているので読みごたえありますが、面白いのでサクサク読めました。

    『整備不良』と決めつけられて四面楚歌となっても家族のため、社員のために奮闘する社長:赤松の底力・人間力がすごい!

    ただ状況は悪くなるばかり。大企業でぬるま湯体制につかる人たちに負けないでほしい。
    人や取引先も離れ、不利な状況のなか出てくる希望の光。上巻読んだら続きが気になってすぐ下巻を読み始めました。

  • Amazonオーディブルで「空飛ぶタイヤ」上巻を聴き終えた。

    三菱リコール隠し事件を元にした小説。
    走行中のトラックのタイヤが外れて母子死傷事件が起こり、整備不良が原因とされた運送会社の社長が自社の過失ではないことを明らかにしようと必死に努力する。

    序盤の赤松パートがストレスフルだったけど、自動車メーカーパートや銀行パートは面白かった。
    三菱重工(ではないけど)から独立した三菱自動車社員の間違ったプライド、エリート意識、同じ財閥系列企業のヒエラルキー、社内での権謀術数等々。

    弁護士が全然出てこなくてヤキモキしてたら、被害者遺族から運送会社に対して懲罰的慰謝料請求の訴訟が提起されて、そこでやっと運送会社社長が弁護士にアクセスした。
    でも、その弁護士は大丈夫か?と変な心配をして読んでる(大丈夫そう)。

    モデルになった運送会社は廃業、被害者遺族の代理人弁護士は請求金額を勝手に?高くして、それに合わせた弁護士報酬をもらうために賠償金を1円も依頼者に渡さずに業務停止の懲戒処分を受けるという現実のひどさにドン引きしてる。

  • 題材は言わずと知れた三菱自動車工業のリコール隠しである。日産自動車を瞬く間に再建したと思ったら、逮捕されてしまったC・ゴーン氏のニュースが連日報道され、あるいは年寄りが運転した車が罪なき親子を死に追い込む殺人マシンと化したり、路線バスが勝手に走り出して、あまつさえ赤信号も無視した挙げ句歩行者に突っ込んだりしている昨今、今こそこの小説を読むべきだと、長らく本棚で温めていた本書を手にとった。そういえば、C・ゴーンは、三菱自工の取締役もしていたことを思い出した。
    勧善懲悪の物語であることは言うまでもない。純粋にそのことだけを楽しむ、という気持ちで読み進めるのもありだ。三菱自工の悪どい経営姿勢を知るために、ノンフィクションに近いフィクションとして読んでもいい。あるいは日本の中小企業が、いかに大企業に足蹴にされているかを知るために読むか。さらには、日本の企業風土を典型的に示唆する話としても読める。いろいろな視点で読めてしまうのが『空飛ぶタイヤ』という小説である。
    上巻を読み終わったところなので、物語としては半分しか読めていない。まだ結論もわからない。
    しかし事故に巻き込まれ、運命の波にあえぐ中小企業(赤松運送)の視点、臭い物にはフタを(それも決して臭いが外部に漏れないような厳重なフタを)する姿勢を組織ぐるみで貫く大企業(ホープ自動車)の視点――さまざまな場面が交互に現れる構成は、読む者の心をゆさぶるだろう。ついつい、読んでいるうちに感情が昂ってくるのがわかる。感情移入とは、こういう状態を指すのだろう。
    池井戸潤氏の文章はリーダビリティも高いし、感情移入もしてしまうので、気が付いたら読み終えている。ここまで感情的に読んだ物語は久しぶりだと思う。
    大企業は、その規模ゆえに多くの人間が組織に属しており、組織の中でそれぞれが全然異なる役割を担っているが、その役割によっても事故への感じかたが違ってくる。池井戸氏はそこもまた見事に書き分けている。その役割(とそこから派生する感じ方の違い)から生じる組織内の不協和音が、大企業を自らの手で崩壊させてしまうのではないかというハラハラ感も楽しむことができる。
    下巻ではどんな大団円が待っているか。それを楽しみに、早速続きを読んでみたいと思う。

  • 上下巻とも読んでの感想

    池井戸潤さんの有名作
    読もう読もうと思っていたが何だかんだで他の作品を手に取ってしまい今更読了
    同作者で超人気ドラマ「半沢直樹」シリーズの痛快さとまではいかないが、それでも負けず劣らず

    大企業ホープ社に対し零細企業の赤松運送がリコール問題の追求をするというのが物語

    世間からの風評被害、取引先の離反、ホープ社からの妨害等様々な逆境で会社が潰れかけていく中、赤松は正義を貫き通すことが出来るのか

    推理小説しかほとんど読んでこなかった自分がエンタメ小説を楽しめることが出来るか疑問だったがそんな心配無用
    超絶オススメ作品

    赤松の一本気な人柄が色々な人間を取り込んで逆境に立ち向かうことが出来たんだろうなぁ

  • ずっと信じてた社員も社長もすごいんご。
    ただ、こういうことがあるんだなぁと思うと怖い

  • 運行中のトラックのタイヤが外れて、歩道を歩く母親に直撃。そのまま帰らぬ人となった。

    赤松運送会社に突きつけられた、整備不良、そして殺人という思い罪。
    取引先がなくなり、銀行にも見放され、従業員の退職、息子のイジメ、ホープ自動車の部品変換拒否…、
    次々に襲い来る不幸に、赤松運送会社のたどる運命やいかに…!

    下巻に続きます。

  • 大企業病がテーマ。
    これから大企業で働く人達に読んでほしい。目先の利益のために手を抜いて内規に従うだけではなく、自分の心に正直に生きることで得られるものもあるよということを感じ取ってほしい。

  • 昨今の企業不正の根源を探るに、避けて通れない一冊だと思った。池井戸潤は決して表現力の高い作家ではないと思うが、事象を多面的にかつ整合性を取りながら再現する力に長けている。故に、作中の登場人物も多くなり、それぞれの利害、立場から物語りを構成していく。それはまるで、仕事そのものが企業や社会における様々な役割の中で珠玉のように作り上げられるように、どんな事件も決して単調ではない事を示してくれている。

    企業不正は、企業の論理が社会の要求に反し、それを無視した際に、発生してしまう。会計不正、品質不正、労基違反、偽装、隠蔽。物語りは実話をなぞるが、身勝手な企業人の論理はあまりにも…。階級制を有する組織の論理で生きる人間は、それ以外のルールよりも、その組織の論理を優先させる。そうした組織は、生活を保障する生殺与奪の権を握り、転勤の発令により生活の場所を決める権利を持ち、承認欲求を満たしあるいは残酷なまでに否定する力を持つ。個人にとって会社組織とは、漠然とした社会と比較するには、あまりにも絶対的なものだ。この力関係を是正しなければ、会社の論理に従うしかない。願わくば、不正が結果的に不利益だからと、会社が自ら適切な判断を取るような社会を。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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