空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 11097
感想 : 793
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764520

作品紹介・あらすじ

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻読んでの感想。三菱ふそうのリコール隠しをモデルにした社会派経済小説。ある日神奈川県の運送会社が運転していた大型トレーラーのタイヤが外れ、母子3人に突撃、死亡させてしまうという痛ましい事故が起きた。当初、原因は運送会社の整備不良とされたが、実際は自動車メーカーのリコール隠しだった。巨大な大手自動車メーカーと銀行の理不尽に中小運送会社の社長が挑む。池井戸潤らしい痛快な展開である一方、これのモデルとなった事件が本当に起きていることを知りいたたまれない気持ちになった。

  • 理不尽な大企業や銀行に対して必死に争おうとする中小企業の闘いと善戦虚しく押し寄せてくる現実が表されていて素晴らしいと思います

  • Amazonオーディブルで「空飛ぶタイヤ」上巻を聴き終えた。

    三菱リコール隠し事件を元にした小説。
    走行中のトラックのタイヤが外れて母子死傷事件が起こり、整備不良が原因とされた運送会社の社長が自社の過失ではないことを明らかにしようと必死に努力する。

    序盤の赤松パートがストレスフルだったけど、自動車メーカーパートや銀行パートは面白かった。
    三菱重工(ではないけど)から独立した三菱自動車社員の間違ったプライド、エリート意識、同じ財閥系列企業のヒエラルキー、社内での権謀術数等々。

    弁護士が全然出てこなくてヤキモキしてたら、被害者遺族から運送会社に対して懲罰的慰謝料請求の訴訟が提起されて、そこでやっと運送会社社長が弁護士にアクセスした。
    でも、その弁護士は大丈夫か?と変な心配をして読んでる(大丈夫そう)。

    モデルになった運送会社は廃業、被害者遺族の代理人弁護士は請求金額を勝手に?高くして、それに合わせた弁護士報酬をもらうために賠償金を1円も依頼者に渡さずに業務停止の懲戒処分を受けるという現実のひどさにドン引きしてる。

  • T図書館 2006年
    感想は下巻に

  • トラックのタイヤの脱輪により母子死傷という悲しい事故を起こしてしまった小さな運送会社。事故の原因を調査してもらうも、整備不良と診断され、世間からのバッシングもあり、窮地に立たされてしまう。だがしかし、本当は原因を調査した自動車メーカーが何か隠蔽しているのではないかと、疑惑が膨らみ、下巻へ続く。
    運送会社はまだまだ窮地に立たされていて、見えた希望も潰えてしまいかねないし、死亡事故になってしまったのは事実なので、下巻でどうまとめるのか楽しみ。

  • 7章構成 社会派小説

    ・メインストーリー
    とある運送会社が、タイヤの脱輪により
    母子の死傷事故(事件)を引き起こした。
    運送会社社長は、事故の要因に納得できず、
    その真相追究に奔走する話。

    ・サブストーリー
    小学校のモンスターペアレント処理

    ・構成
    運送会社視点、銀行視点、大企業の販促部視点、
    品証保証部視点など、今回の事件に絡みあう
    様々な立場の視点から物語が描かれていく。

    ・特に印象的な場面など
    物語中盤以降に描かれたワンシーン(p.325,326)
    主人公の赤松が遺族の法事に参列した際に
    涙を堪えながら遺族に向かって事故への向き合い方・償い方を発言するシーン。

    事故を起こしてからの赤松の血の滲むような努力や、赤松本人がどれだけ事故に真摯に正義感を強く持って向き合ってきたか、、
    赤松に強く感情移入してしまった。

    ・気づき
    中弛みするため少し忍耐力がいる。
    色々なポジションの人が出てきて、登場人物の名前も多いので、覚えるのが難しい気がするが、
    それぞれ登場人物の個性や特徴が分かりやすく書かれていて、自分の中でのイメージと名前を結びつけやすく、意外と覚えれる。

  • 序盤からタイヤが飛び人が死ぬ。
    逆境から始まり、少しずつ本当に少しずつ追い風を吹かせ、最後には大逆転!
    池井戸さんの書く作品の爽快感が大好きだが、この作品は逆転までがとても長い。ただ、複数の視点からそれぞれの戦いを描くので、長くても飽きがこない。
    それぞれの置かれた場所で、各々が本音と建前を繰り広げ、最後に勝つのは1番正直で真っ直ぐな主人公。現実もこうであって欲しいなと思う。

  • 上下巻とも読んでの感想

    池井戸潤さんの有名作
    読もう読もうと思っていたが何だかんだで他の作品を手に取ってしまい今更読了
    同作者で超人気ドラマ「半沢直樹」シリーズの痛快さとまではいかないが、それでも負けず劣らず

    大企業ホープ社に対し零細企業の赤松運送がリコール問題の追求をするというのが物語

    世間からの風評被害、取引先の離反、ホープ社からの妨害等様々な逆境で会社が潰れかけていく中、赤松は正義を貫き通すことが出来るのか

    推理小説しかほとんど読んでこなかった自分がエンタメ小説を楽しめることが出来るか疑問だったがそんな心配無用
    超絶オススメ作品

    赤松の一本気な人柄が色々な人間を取り込んで逆境に立ち向かうことが出来たんだろうなぁ

  • 池井戸さんの作品は面白いですね。
    この作品、題名から想像すると未来の自動車みたいな感じですね。
    ハラハラドキドキしながら読み終えました。
    素晴らしい^_^

  • 池井戸さんの有名作!タイヤー!
    (半沢直樹シリーズは本もテレビも未だに読んでもおらず見ておらず)

    赤松運送
    東京ホープ銀行
    ホープ自動車

    という三つの会社が、ある事件から絡み合う。
    そして、小学校。

    これ、長瀬智也!?昔にネトフリか、アマプラで見たかもしれない…けど忘れちゃた!

    とにかく人が多いので、登場人物一覧が頁につけられてて良かった!たまにここに書いてない人も出てくるけどw

    下巻へ〜ワクワク(((o(*゚▽゚*)o)))
    ロケットも一冊積読におりますw

    • なんなんさん
      タイヤ行きましたー!!!
      下巻もあと2章です。めっちゃ面白いですよねー
      次の休日で読了します。
      ワクワク・:*+.\(( °ω° ))/.:...
      タイヤ行きましたー!!!
      下巻もあと2章です。めっちゃ面白いですよねー
      次の休日で読了します。
      ワクワク・:*+.\(( °ω° ))/.:+
      ここからが更に楽しみ!!
      2023/08/16
    • なんなんさん
      え!?リコールのモデルになってるんですか?
      知らなかった(^◇^;)
      え!?リコールのモデルになってるんですか?
      知らなかった(^◇^;)
      2023/08/16
    • 1Q84O1さん
      三菱のリコール隠しがモデルになってる作品だったはずです
      確か、あの頃三菱はあれこれと問題を起こしていたような…(・_・;)
      三菱のリコール隠しがモデルになってる作品だったはずです
      確か、あの頃三菱はあれこれと問題を起こしていたような…(・_・;)
      2023/08/16
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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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