空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 853
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764537

感想・レビュー・書評

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  • ザ池井戸潤といった印象。王道。正義は勝つ。
    とても読み易く面白い。
    流れが変わり始めて、形勢逆転に向かって加速していく時、とても熱くなった。

  • あとがきの解説によると、半沢直樹が世に出る前の作品なんだそうだ。読後にそれを知った。
    勧善懲悪ビジネス小説では著者の右に出るものはおらず、そんな結末だろうと高を括って安心して読もうと思っていた。ところが、だ。ジリジリ追い込まれていく赤松社長。どこに突破口があるのか気になって気になって仕方ない。わかったフリで読み始めたことを申し訳なく思いながら、下巻のページ残り僅かなところでやっとひと息つけた。

    ホープの社章に似た実在の企業の営業担当を数年務めたことがある。もう10年以上前の話だ。選民意識の強い、どこか人を小馬鹿にしたようなアイツらの顔が思い出され、当時の不愉快な気持ちまで蘇ってしまった。
    今ごろ、不幸になっているといいな笑

  • 感動した!
    最愛の妻を失いながらも、前を向いて一歩を踏み出そうとする柚木さんの姿に感動した。

  • 映画やドラマで話題になった作品なので、手を出しそびれていましたが、読み出したら止まらなかったですね。
    中小企業と財閥系巨大企業の対比を軸に、ぐいぐい引き込まれました。赤松社長を、これでもかと苦難が襲います。いや〜、中小企業の経営者って大変なんですね。

  • 面白かった!読んでいて楽しいとはこのことだと思う。登場人物達の視点で主観的な描かれ方がされているため感情移入しやすい。くだけた読みやすいことばで話が進んでいくのもまた一気読みに拍車をかける。最後の展開は予想できる話なのに、そこに行き着くまでに繰り広げられる人間関係のドラマに引き込まれてしまった。登場人物と共に一喜一憂して、読み終わったときに達成感を感じるほどである。これはくせになりそう。

  • T図書館 2006年
    2002年の実話を元に書かれている
    実際の運輸会社は倒産したそうだ

    憤りを感じたままに筆を走らせたような文章で熱量があった
    読みやすかったが非常に長かった

    全体の約9割が、赤松運輸の苦しく認められない立場の記述だった
    中小企業だから相手にしてもらえず門前払いだったり、ホープ銀行から融資と預金を相殺させられたり、週刊誌に載せるはずだったホープ自動車の記事も上からの圧力で見送りになったりした
    読んでいる私も大企業に対して、怒りが溢れるを通り越して呆れる場面がいくつもあった

    残りの1割でやっと光が見えてくる
    警察が動きホープ自動車に家宅捜索が入ったのだ
    そこから告発しようとして口止めされていたホープ自動車の沢田が、転勤した同僚から貰ったパソコンを証拠として警察に提出
    リコール隠しが発覚し赤松は報われた
    話とは言え安堵した

    池井戸氏は三菱銀行出身なので、踏み込んだ取材ができたかもしれない
    教訓として忘れないためにも、本として残すことは大事だ

  • 難局に直面したときに、人頼みにせず、自身で解決への道筋をつないでいくことの大切さを感じた小説。何事に対しても、傍観者ではなく当事者として最大限の努力をすることが、最善の結果を生み出すことになるのだろう。

  • 人は偉くなればなるほど、自分のことしか考えなくなるらしい。保身や自分の利益、損得のことで頭がいっぱい。
    子どものままの純粋な心でいろなんて言わない。きれい事だけでは世の中すまされないのも知ってる。けど、汚れすぎだろ。

    もうこんなことが二度と起こらないことを、心から祈りたい。

    けど人間はバカだから、同じ過ちを繰り返すのだろうけれど。

  • 完膚なきまでの勧善懲悪に、胸の爽快感が尋常じゃない!沈んでいく船を描き出す様が、本当に丁寧で慎重で、逆に浮かび上がる飛行船の模様も、これ以上ないほどに美しく描き出されている。それは多分、綿密な苦悩と奮闘の描写に支えられて、深く深く読んでいる者の心に染み込んでくる。途中、先の展開が気になり、微細な描写(車の部品などの専門的な箇所)を飛ばして読んでしまうほどであった。読んでもよく分からんしね。これは名作。池井戸潤の小説ってプロットが大体同じなんだけど、でもどれを読んでもワクワクする。遺伝子にそういう要素が組み込んであるのかしら。本能を刺激されるような逸品だった。

  • 面白かった!社内の派閥争いであったり、権力を振りかざした情報操作であったり、知りたくない世のドロドロのなかで、真実を見つめられる人の格好よさが際立つ。PTA会長というこれまた大変な役職から、子供やママさんの事情なども描かれているところがまたよかった。
    世論や風潮に流されず、きちんと自分の目で見て、頭で考えて、判断できる人はかっこいいなあ。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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