駐在刑事 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764629

感想・レビュー・書評

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  • 笹本稜平作品にしては、小さい小説である。
    でも小さいなりに凄くいい。

    事件は駐在所が絡む程度の事件だし、主人公は中央での競争に敗れて地方に落ちた警察官僚、登場人物たちも分かりやすくデフォルメされた性格で、舞台はほぼ奥多摩の山か里起こる手の届き感。

    これ、笹本小説を期待するから拍子抜けするけど、系譜が理解できたら、楽しみ方が分かる。よーするに江戸時代小説の市井人情ものを味わうように読めば味の分かる作品集だということだ。

    山登りも重要な要素になっていて(1作なんかあこがれの北鎌尾根登るんやで、小説とはいえエエなぁ~)俺は甘めに加点します、続編も楽しみ。
    それにしても、北鎌尾根って、奥多摩雲取山ややバリエーションコース(11時間)をCT半分弱(5時間)でクリアしな行かれへんのかぁ。もっともっと鍛えないとなぁ。

  • 警察小説と山岳小説のハイブリッド。
    奥多摩の山に登り、北アルプスが好きならはまること間違いなし。
    あり程度、山の知識があるとより楽しめます。

  • 20100313 読了

    『越境捜査』で有名の笹本さんですが、もとは山岳畑の方なんですね。山の描写が素晴らしかった。山登りなんてしないわたしですが、久々に山の景色が見たくなりました。

    ストーリーも、派手さはないけれど人情味があって些細なことが胸にじんときます。むしろ『そこに住む人々と事件とが切り離せないところにある』と言うのが一番の読みどころなんだろうなぁ。


    しかし、プールに骨抜きにされた江波さんが可愛すぎる(笑)
    私的に宿屋の倅と本庁後輩の南村が良い味出してたと思います。
    加倉井は味とは言えないからな……なんだろ、賞味期限の切れた唐辛子みたいなもんか。忘れたころにぴりりっと(なんだそりゃ)



    江波さんと遼子ちゃんのその後もちょっと気になるとkぼそぼそ。

著者プロフィール

1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。主な著書に『ソロ』『K2 復活のソロ』(祥伝社文庫)他。21年逝去。

「2023年 『希望の峰 マカル―西壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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