樹霊の塔 伊集院大介の聖域 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765282

感想・レビュー・書評

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  • 栗本薫の作品なので安心して読もうと思いました。
    主人公の少女が幸福になって終わることを願っていました。

    読み進むうちに、だんだん違和感が増してきました。
    どうして栗本薫さんは、自分の世界に閉じこもっているのだろう。

    もっと世の中に出て、大きな声で物をいった方がいいのではないかと感じました。
    生前に栗本薫さんに一言だけ言っておけばよかったという悲しみのある一冊です。

    自分の期待の甘さと、想像力の貧困に比べれば、
    栗本薫の世界観の方が大きいのは分かります。

    それでも何故、こんなに悲しい物語を書かないと行けなかったのでしょうか。
    単なる量産という枠だけでは語れないような気がします。

    墓前にお伺いを立てたいような気がします。

  • またしても…シリーズの中ではイレギュラー物…( ; ; )嫌われてるのかしら、私…

    名探偵・伊集院大介の助手・カオルが秘境の村で遭遇した事件です。伊集院大介は、終盤でようやく登場。これは、シリーズを通して読んできた人の方が楽しめるスピンオフですね( ; ; )残念な出会い方…

    ◎嵐で外部との出入りができなくなった村の中にある奇妙な塔の中で発見された首吊り死体。
    ◎旧家に響く異様な呻き声。
    ◎平家の落ちてきた村・隠れキリシタンの村の伝承。
    ◎村と女当主の異様な雰囲気に惹かれていくカオルは、無事に伊集院のもとに帰れるのか?

    うーん、おどろおどろしい、横溝ワールドの要素揃い踏みU・x・U いいよいいよー

    起こった事件を羅列すると横溝世界ですが、実際にはそれほどではありません。
    カオル視点でストーリーが語られるのですが、事件に直接対峙するわけではなく伝聞調で話が進んでいくので、カオルの危機感の薄さも手伝って緊迫感をさほど感じませんでした。

    これ、もしかしたら、カオルに同行した編集者の視点で書いた方が、もっと恐怖感を煽ったかもしれないなあ。
    でも、どうしようもなく村に惹かれるカオルの心情は興味深かったし…。
    美味しいとこ取りしたい読者の我儘は際限ないな~/(^o^)\私だけか



    小説のネタを探して、和洋の様式が混在した奇妙な秘境・松之原村を訪れたカオル。旧家・松之原家の女当主にすっかり気に入られた彼女だが、やがて迫る台風の為に村に隔絶されてしまう。
    そして、ついに殺人事件が発生し…。

  • 信仰の色濃い、閉ざされた村。受け入れる慕わしげなようすと、異物を拒み疎外するようす、馴染める者と相入れない者。ふたつが混じりあって事件が起きます。
    人のあるところには必ず欲が生まれて、欲があるところには必ず争いが起こる。
    「この世のものごとはすべてなるようになる」
    そんな風に生きられたらいいなと思いました。
    そういえば、伊集院大介の出番は少しだけでした、女神のようなまつゐ御前がとても好きです。

    伊集院大介のシリーズは人物の印象がはじめと終わりとではがらりと変わってしまうし、何もかもがしっくり落ち着くわけではないということが多いと思います。ずいぶん置いていかれる気持ちになったこともあるけれど、とても好きでどの本もふいにこれが今読みたい!となるときがある。登場人物に会いたくなるのはもちろんだけれど、薄皮一枚隔てて隣り合わせてあるような世界なのに、けして手が届かない、そのもどかしさを味わいたくなるのかもしません。

  • カオルさん!オメデトウ!
    ついに理想の男性に出会いました
    幻想的な世界観 伊集院作品の世界
    堪能してください!

  • 久しぶりに夢中になった伊集院大介シリーズ。まあ、予定調和だけれど、読者の期待にちゃんと応えるような構成。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早大卒。江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞受賞。中島梓の筆名で群像新人賞受賞。『魔界水滸伝』『グイン・サーガ』等著書多数。ミュージカルの脚本・演出等、各方面でも活躍。

「2019年 『キャバレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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