作者不詳 ミステリ作家の読む本 (下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766227

作品紹介・あらすじ

押し寄せる『迷宮草子』の怪異!
異形の同人誌は読む者を何処へ誘う!? ホラーとミステリが融け合う三津田信三の世界が忍び寄る。

謎と怪異は、同人誌『迷宮草子』から溢れでるように――。尚も読み進める三津田と飛鳥信一郎の周囲の異変は激しさを増していく。解き明かさなければ破滅が待つ。2人は“本”の恐怖から逃れることができるのか。最終話「首の館」の扉が開く。著者の綴る異界の源がここにある。驚愕のホラー&ミステリ完結編。

感想・レビュー・書評

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  • 見世物小屋で、変な熱気にあてられながら、おぞましくも魅惑的な何かを見ている様な気分。
    酷く酔って現実なのか幻覚なのか、朦朧として判断出来ない感じ。
    三津田さん、こういう終わらせ方お好きですよね?

  • ぎゃー!怖い!
    何最後の!怖い怖い!

    ミステリの短編集を読んでいるかの様で、実は全て
    『迷宮草子』という一冊の本の中の話。

    あぁ、私も迷宮草子の物語の一部になってしまったのか。

    締めは好き嫌いが分かれそうですが、世にも奇妙な物語を見ている様な、最後の最後まで不思議な世界観に浸れたので私は好きです!

  • 新書版のとラストが違っているような?新書版が手元にないから確認できないが…。たしか「稜子…」って誰だ?みたいな終わり方だったような。まさか、迷宮草子だけあって、文章が改変されたというのか。迷宮草子の作者は…俺?

  • 一つ一つの短編の出来は良いと思う。ただ、最後のオチというか、大団円がどうにも納得できない。そもそも、なぜ、本を読むと、怪異に巻き込まれるのか。そこが、はっきりせず、すっきりしない。その点では、上巻の方が楽しめた。

    メタフィクションを理解しないと、本書は楽しめないのかな。

  • 上巻で感じた違和感にしっかり説明を付けてくれた下巻でございました。スッキリ〜!(笑)

    【刀城言耶】シリーズ、【三津田信三】シリーズ共に、二転三転するラストの真相指摘が圧巻の三津田作品ですが、今作は作中作を絡め、いつにも増してメタメタな展開が楽しめます。こういうの、評価は別れるだろうけど、私は好きなのよね〜(笑)。

    ホラー、怪談、ミステリ、これらのジャンルを見事に融合させる手腕に唸り、最後の最後で【こちらを凝視してくる】「彼」の視線とその後の余白に、ただただ痺れました…。予想してたのにね。
    本当に、三津田先生の文章には読者を引き込む力を感じるなあ、とつくづく思いながら本を閉じたのでした。…おかしいな、誰かの視線を感じるぞ…(悪ノリ



    ◉第五話「朱雀の化物」…山奥の山荘で、6人の高校生達の惨殺体が発見された。関係者が書き残したノートから、その凄惨な事件の顛末が明らかになるが…。

    ◉第六話「時計塔の謎」…幼い頃から密かに思いを寄せていた千砂が転落死した。視力に障害があった彼女は、突然晴れた陽射しに目を眩ませて手すりから身を乗り出してしまったのだろうと、警察は結論付けるが…。

    ◉第七話「首の館」…同人誌作成の為に、孤島に建てられた館に集まったWebサイト「迷宮社」のメンバー。一日目の夜が明けた早朝、一人目の犠牲者が首吊り死体となって発見される。果たして彼等を島に集めた「幹事長」の正体とは?
    最後の生存者が殺人者の手にかかり、犠牲者の首がテーブルに並べられる。全ての関係者が殺害された後、指摘されうる犯人の正体とは?

    ◉迷宮草子…迷宮草子に掲載された全七話の謎解きを覆す、衝撃の「真犯人」指摘。

    ◉作者不詳…迷宮草子に仕掛けられたトリックと、再三に渡って彼等が感じた視線の正体。

  • 終盤でそれまで積み上げられてきたほとんどのことを引っくり返して頭の中を滅茶苦茶にした後、読者をゾッと震え上がらせるような結末を差し出してくる 三津田氏の他作品にもしばしば見られる流れだが、複雑なメタ的要素を含む本作は、物語世界が現実世界にまで浸蝕してくるような感があって他よりも一際気持ち悪くて怖い気がする 勿論、物語全体の結末だけでなく作中作の謎解き部分も面白かった 特に「子喰鬼縁起」と「首の館」の練りこまれ具合に感嘆する

  • 下巻。入れ子構造を上手く使った現実と虚構の境界を溶け合わせるような凝った構成と趣向が見事です。
    作中作はどれも出来が良いですが、スプラッタホラーな「朱雀の化物」が特に印象深い。
    「迷宮草子」本体の謎解きは二転三転で頭がぐるぐる回ります。文庫版ラストは賛否両論ありますが、わたしはアリかなと。
    本作は、ミステリ面では、謎に対する解釈の信頼性や論理のあやふやさにかなり焦点を当てており、さらに、それ自体が仕掛けの一部となることで、読者を眩惑しつつ「迷宮草子」の奇妙さと怪しさを際立たせているのかなと感じました。
    またじっくり読みたい。

  • うぎゃー、そこまで怨念がこもった本なのかっ……(作中の『迷宮草子』のことですよ)
    作中作の短編ミステリは、どれもそこそこ読ませます。
    そして全体の構造が怖い。
    ラストがまた怖い。

    面白かったw

  • 作者不詳 ミステリ作家の読む本
     第5話 「朱雀の化物」
     金曜日
     土曜日(午前)
     第6話 「時計塔の謎」
     土曜日(午後)
     第7話 「首の館」
     日曜日
     「迷宮草子」
     「作者不詳」
    講談社「作者不詳 ミステリ作家の読む本」 2002年8月

    解説 笠井潔

  • 下巻のほうがホラー感強めで引き込まれた。
    朱雀の化け物面白かったです。
    最後はなるほどね〜という。
    上手い終わらせ方ってすごく難しいので、いいんじゃないでしょうか。アニメになったらワクワクするような感じがしますね。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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