カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)

  • 2901人登録
  • 3.95評価
    • (271)
    • (361)
    • (216)
    • (43)
    • (6)
  • 179レビュー
著者 : 重松清
  • 講談社 (2010年4月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766302

カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • かなり泣けます。架空の北海道の都市を舞台にしてはいるが、描かれている街はいくつかの実在のもと炭坑の街を思い浮かべさせる。はやく下巻を読まなきゃ。

  • 泣けました。

  • 楽しく幸せな人生があるからこそ、一段と悲しさと苦しさが押し寄せてくる。
    色に例えるならば「鈍色」な上巻。
    そんな鈍色の中に一筋の光明が指すことを期待しつつ下巻へ行って参ります。
    おっと、ハンカチとティッシュの準備もしとかなきゃw

  • 貸してくれた友だちが、3.4頁読んだらもう気になる、と言ったとおり、ずんずん吸い込まれました。
    「だれかにあやまり続けている人」
    「だれかに許されたがってる人」
    ここらへんのくだりが、私のツボでした。

    お母さんは強くやさしい人だったってあるけど、5年生の子どもに、ひとごろしだの許さないだの言う人は、ちっともやさしくない、強くないと、
    そこは現実的ではないよな、つらいよな、ストーリーの都合じゃないの?と、
    個人的には思いましたが。

    時間が経過すれば悲しい結末が待ってる展開を、下巻はどうもっていくのか、どういう希望が待ってるのか、
    乞うご期待ってところで、下巻読みます。

  • 長編小説。まあ、とりあえず泣かされますよね。

    北海道の炭鉱の町に生まれ育った4人。敏彦、俊介、雄司、美智子。小学4年生の秋、4人で小さな丘にのぼり星を見上げた。
    4人が39歳になったとき、「カシオペアの丘」そのとき4人で名づけた名前の遊園地は存続の危機を迎えていた。
    そして東京で家族と暮らす俊介は、肺がんを告知される。
    それをきっかけに、4人は自分たちの過去に向き合うことになる・・。

    俊介、美智子、雄司の学生時代。彼らが生まれる前に起こったこと。そして5年生のときの事故。

    私より少し上の世代の人たちの物語ですが、グッと引き寄せられるストーリー展開とテーマの重さ。
    一読の価値ありだと思います。

  • 重松清氏「カシオペアの丘で」は、綺麗な物語だった。

    上巻裏表紙の文では、"肺の悪性腫瘍"と"贖罪"という重苦しい言葉が目に飛び込んでくる。
    間違いなくその2つは主要事柄であるが、
    その悲劇性とつり合うか、それ以上の"救い"が、この作品にはある。

    悲しい場面に胸が痛くなり、涙が流れても、それは絶望的な涙ではない。
    どんなに祈っても願っても、運命にはあらがえない人間に対しての、静かな静かな涙。

    重松氏らしく、一貫して極めて現実的な物語のようにも感じる。
    しかし、過去に負った罪悪感の重さと、それを背負い続ける苦しみと、それから解放された安らかさ。
    この3つの調和と、星空の描写が美しいから、綺麗な物語と感じるのだろう。
    (あ、きれいでもキレイでもなく、綺麗)

    それから優しい。
    重松氏の作品を読んで優しさを感じたのは、実は初めてである 笑
    たとえば、ガンを煩ったシュンに向けて、奥さんのこんな言葉がある。
    「なにをしてあげれば、あなたがいちばん苦しくなくて、安らかな気持ちで人生を終わりにできるか、それだけ考えてあげる」
    冷静さに、すべてを受け入れた上での、優しい決意。
    その直前には、こんな言葉がある。

    治すことは、もう考えない。
    「できないことを必死にやろうとして、やっぱりできなくて、それで落ち込むのって、ばからしいと思わない?」
    これは、なにかに苦しんでいる人間すべてに向けてのメッセージのように思える。

    ここから物語は、「安らかな気持ちで人生を終わり」にするために、動いていく。
    実際問題、現実には、
    会いたい人に会い、言いたい言葉を言い、聞きたい言葉を聞いてから逝く、
    ということは、なかなかできないだろう。

    もちろんこの物語の中でも、ガン末期のシュンには、
    幼い息子をはじめ妻や両親、友人への思い、仕事への未練など、たくさんの心残りがある。

    でも、どうすれば「安らかな気持ち」になれるかを、シュン自身もどんどん見極めていく。
    「俺が帰る場所は、東京なんだ」
    僕にはわが家がある。家族がいる。恵理と哲生と三人で営んできた暮らしがある。
    僕はそこに帰らなければいけないし、やがて、いつか、そこで息を引き取ることができたら、
    俺の人生は幸せだったよ、と最後の最後に思えるような気がする。


    さて、厚手の文庫本2冊組になっているこの長編(なんと重松作品の中で最も長いお話らしい!)には、
    男女間の問題も重要な要素となってくる。
    それがまた、いい。

    元カレ(って表現はなんだか似合わないけど)との過去を懐かしむ女ミッチョは、思う。

    わたしが奇跡を信じるのなら、やっぱり、過去に戻れる奇跡が欲しい。
    でも、奇跡を与えられるのと引き替えにいまの幸せをうしなってしまうというのなら、
    わたしは、迷わない、いまを選ぶ。
    それは身勝手なことなのだろうかーー?

    この元カレと、今カレ(というか夫)が、こう話す。
    「(ミッチョは)おまえを選ばなかったんじゃなくて、俺を、選んだんだ」

    二つのうち一つを選ぶということもう一方を捨てるということだ、と説く作家もいる。
    重松氏だって昔だったら、いやいまだって、そういう現実を描くこともあるかもしれない。
    (そして、捨てたほうへの未練、捨てたことへの苦しみを嘆く作品も、小説としては味わい深い 笑)

    でもとにかく、この作品は優しい考えに満ちている。
    それから、無理のない、自然体の前向きさも、美しい。

    三十九歳は三十代の終わりだが、四十歳は四十代の始まりになる。
    なにかが始まるのっていいよな、とも思う。

    あまりにも前向きな姿勢って、まぶしすぎて照れくさくなることもあるが、
    重松氏らしい前向きさは、なんだかとてもしっくりくる。

    男と女のことに関しても、読んでいて照れてしまうような言葉なない。
    それでも、熱い想いが胸にせまる、ステキな文章が、ある。

    神さまというのは、中途半端なことしかしてくれない。
    どうして、男と女は、人生の途中で出会ってしまうのだろう。
    相手の人生の丸ごとを自分のものにすることが、どうしてできないのだろう。

    それから、とても壮大な文章。

    傷つけて、傷つけられて、悲しい思いをさせて、悲しい思いをさせられて、
    だからひとは遠い昔から星の物語を語ってきたのだろう思う。
    太陽が沈んでから空に浮かび上がる星たちに、悲しい神話をあてはめてきたのだと思う。


    最後に、わたしがもっとも惚れた文章を引用して、終わりにします。

    たとえそれが後悔や自責の念しか生まなくても、向き合わずにはいられないのが、俺は、愛なんだと、思う。

  • ガンに侵され死に向かう悲しい話だけれど、それ以上に優しい話でした。
    過去の過ちに許しを請う事は、自分自身がその過ちを許せていないと言う事に『なるほど』と思わされました。
    ただそれはとても大切な事で罪を償う事は許す者、許される者が互いに真摯でなければならないのだろう、、、。

  • 「カシオペアの丘」という北海道の遊園地と隣接する北都観音に、いろんな人たちの過去や思いや関係性がからみついていて、とても奥行きのある話だった。
    主な視点はガンを患った俊介であるが、読む人によってどの登場人物に感情移入していくかはわかれるところだと思う。
    かつての同級生たちとの別れから再会までが物語の多くを占めているが、私はかつて王と呼ばれた俊介の祖父・倉田千太郎が北都に与えてきた恩恵や非情さから、俊介がどういった人生を歩んできたかのエピソードがいちばん印象に残った。
    倉田千太郎は悪ではなく、大きすぎる正義であり、それを根底では理解しているが納得して受け入れることのできない俊介の気持ちが、読んでいて痛々しくもありグッとひきこまれる点でもあった。

    『下』では老いた千太郎と俊介がどういった最期をとげるのかに注目したい。

  • 上下ともに,感動しまくりです。なにより,重い。

    テーマがたくさん盛り込まれているけれども,「生」という星座で完結するお話なのだと思う。

    この物語は,「死」ではなく,「生」の話だと思う。

  • レビューは下巻にて

全179件中 1 - 10件を表示

重松清の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)の単行本

カシオペアの丘で 上 (講談社文庫)のKindle版

ツイートする