カシオペアの丘で 下 (講談社文庫)

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著者 : 重松清
  • 講談社 (2010年4月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766319

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カシオペアの丘で 下 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 後半の150ページぐらいは涙なしではよめない展開となっており、自分のなかではかなりツボだった。

  • 小説の冒頭から主人公の余命宣告。これだけでわたしのハードルが上がる。
    人の生き死が関係する話は悲しいに決まってる、と。
    読み進むうちに気づく。主人公はシュンだけではなかった。特に病状が悪化したあとの語り手がユウちゃんに代わったところが1番キた。
    四人の友情、秘められた恋心を1番痛感させられた。
    ユウちゃんはいい男だ。初登場からどんどん見違えていく(笑)
    子どもの頃のミッチョがトシよりシュンよりユウちゃんを好きだったっていうのは意外だった。

    キーワードはゆるす、ゆるされるということ。
    死生観をまじえながらも、根底にあるのはゆるされたくて苦しんでいる人の話、だった。
    ゆるせないまま人生を終えることは寂しい。トシが実母について語った言葉が胸にしみた。

    クラセンさんの言葉をもっと聞きたかった。聞かなくてもわかるけど、やっぱり聞きたかった。シュンとの対話をもっと聞きたかった。周りの憶測ではなく、彼の言葉が聞きたかった。

    ミウさんは、正直苦手だ。上巻で星を一つ減らしたのは彼女の存在がだいぶめんどくさかったからだ(笑)
    話に必要だったんだろうか?
    巡り合わせが多すぎて、ちょっと蛇足かなと思えた。川原さんの一件だけで十分重かったから、下巻でふえーんって泣き出した時には場違いな腹立たしさすら覚えてしまった…ぐぐ。

    哲生がどんどん大人になっていくシーンも切なかった。車椅子生活のトシの立ちションを手伝い、友達になるシーンが好きだ。転校先で親友を作り、父の誕生日で等身大に戻って泣きじゃくり、そして父の葬儀ではちゃんとお父さんからのバトンを受け取って母を支える、その姿が眩しかった。

    シュンの意識が混濁してくるあたりで、彼の言葉や思考が平仮名で表記され出したあたりはほんと泣きそうだった。アルジャーノンに花束を を思い出してよけい泣きそうだった。

    ガンで死ぬということ。それについてもかんがえ、家族が欲しいと急におもってしまった。家族っていい。そして友達ってやっぱりいい。
    わたしが死ぬ時どれだけ周りの人に何かを残せるか。幸せだったと思えるか。悔いのない人生を、なんて考えるのはまだ早いと思ってたけど、シュンの発病した年齢とわたしの年齢、ふたつしか違わないって気づいてひやっとした。

    ゆるせない人がわたしにもいる。
    その人はゆるされたいとは思っていないとおもうし、わたしに憎まれていることすら分かっていないとおもう。
    順当に行けば向こうが先に逝く。
    わたしはゆるす準備をしなくてはいけないな、と少し焦る。
    亡くしてからでは遅いもんなあ。

  • 泣きましたよ。泣きました。
    病院でシュンの誕生日を祝う場面では、私も一緒に泣きました。

    自分を許すこと、それがもっと早くできていれば、みんな違う人生だったのかもしれないのにな。なんて思ったりしました。

  • 途中グダグダなったけど、結局泣けるんだよな。

    重松清さんすごい。

  • 上下巻通して一気読みでした。テーマは「過去を許して受け入れる」って事かな・・・切なくて、悲しくて、そして楽しい人生。過去には戻れないもんな~。許して受け入れるしかないんだろうな。。。

  • 重松清さんの上下巻に渡る長編小説。重かったけど間違いなく傑作。
    主人公達は、40歳の男女4人。
    北海道の小都市・北都が舞台。小学4年生の彼らは「カシオペアの丘」と名付けた丘で、星座を眺めながら夢を語り合った。
    そして30年後、それぞれ別々の道を生きていた。
    ミッチョとトシは結婚して、北都に「カシオペアの丘」と名付けた閉園間近な遊園地を細々と続ける。そしてそこでとっても残忍な事件が起きてしまう。
    その事件をきっかけに、報道マンとしてユウちゃんが二人のもとへ訪れ、久々の再会を果たす。
    一方、東京で生活するシュンは、結婚して妻の恵里、小学4年生の息子・哲生と幸せに暮らしていたが、突然、肺ガンを宣告され、余命がわずかしかないことを知る・・・。
    病気で徐々に弱っていくシュンと、学生時代に密かにシュンと付き合っていた過去をトシに隠しながら、車いす生活のトシを支えるミッチョが交互に物語を語る。
    かつてのライバル同士で、昔のある事件を期に疎遠になってしまったトシとシュンも、病気をきっかけに再会を果たす
    とっても暗くて苦しかった。4人の他にも過去に傷を負う人々が沢山登場する。
    物語のテーマは、「許すことと許されること」だと思う。
    過去の罪を背負いながら長い間葛藤を続けるトシとシュンと、彼らの家族同士の因果がとても痛々しい。
    電車の中、会社の休憩時間、読みながら、泣きそうになるシーン、何度もあった。
    とくに強がりながらも哲生君が泣き出してしまうシーンがホントに胸が痛くなった。
    何故神様は罪もない良い人たちを地獄に突き落とすのだろう。。小説なのにそんなことまで思ってしまった。

    ユウちゃんが全体の中でもとっても良い味を出している。彼がいることで重い空気が和らぐ。
    そして、3人の男の子にモテモテなミッチョが少しうらやましいと思った。

  • ・幼馴染のミッチョ、トシ、シュン、ユウ
    ・癌になったシュンとその奥さん、息子
    ・娘を妻の浮気相手に殺された旦那
    ・トラウマから車の運転ができなくなった女性
    ・炭鉱事故で、トシのお父さんを生き埋めにする判断をしたことで、その他大勢を救ったシュンのおじいさん
    ・ミッチョとシュンの過去

    死ぬ時にこうやってたくさんの人に囲まれたい。大切な人の過去や、自分以外の人と過ごしている時間を共有することはとっても魅力的に感じるけど、難しくて悲しいこと。そんなことをしなくてもお互いを信じていられるようになるのが大人。恋人だってそう、友達だってそう。

    どんなお話にも家族愛が入ってるのが重松さんの良いところ。父親の癌を知って、一度は「パパ」から「お父さん」に呼び方を変えた息子が、父親が死ぬ間際にまた「パパ」と呼ぶところが好き。

  • メインの登場人物は少ないですが、それぞれの抱える痛みや想いを重ねながら描かれています。ある日、自分の死が分かった時、どうするのか、誰に会いたいのか、何を話すのか...。僕は笑顔でみんなに感謝の「ありがとう」を言えたら良いなと思います。しかし、まだまだそんな日のことを考えず、いろんな景色も見たいし、まだ出会っていない人と会いたいと思います。
    明日は偶然にも誕生日。決して運は良いとは思いませんが、命と日々の暮らしに感謝し、沢山の先駆者・仲間達に感謝します。

  • ※上巻と同じ内容です。

    かつて炭鉱で栄えた北海道の街、北都。夜中に家を抜け出し星を見に行った4人の少年少女は、この丘をカシオペアの丘と名付け、将来遊園地を建てることを約束する。

    そして少年たちは大人になった。


    う~ん、泣ける。特にラストちょい前の誕生パーティのシーンはたまらない。
    やっぱりこの人の連載モノはいいねぇ。

    いい作品に巡り合えた勢いでちょっと重松論を書いてみる。なんか俺エラそう(笑)


    実はこの著者、長編が苦手というか長いものを書くと必ず中盤がダレる。
    そのせいもあってデビュー後しばらくはまったく評価されていなかった。個人的にはビフォア・ランはもっと評価されてもよかったと思うけど。

    その後「見張り塔から、ずっと」等の短編集を発表して、キレのある短編を書く筆力の高い作家として認知されはじめたが、長編はというと「舞姫通信」や「四十回目のまばたき」等のやっぱり中盤がダレる作品。

    とはいえ短編のクオリティの高さと圧倒的な筆力で評価は着実に上がっていった。当時の書評や解説では、上手い上手いばっかり言われていて、内容に踏み込んだものは少なかったように思う。

    そんな中、著者が連載を持つことになる。連載時の作品名は「マジカル・ミステリー・ワゴン」。これが見事にはまる。

    連載という性質上、次回へのヒキを作らなければならず、そのヒキにより中盤がダレることがなくなった。
    元々ストーリーや設定には人を引きつけるものがあったし、ストーリーテリングでは当代随一の作家。中だるみさえしなければ面白くないはずがない。この作品は加筆、改題の後単行本化され、著者の出世作となる。改題後のタイトルは「流星ワゴン」。

    個人的には関根勤がTV番組で紹介していたことが印象深い。女子アナの好きな作家を聞かれた時の回答が、村上春樹から重松清に変わっていったのもこの頃。

    女子アナはさておき、実はいまでも重松清は長編の苦手な作家だと思っている。映画になった「疾走」も中盤はダレてしまっている。
    やはり連載→改稿→単行本化がこの人にとってはベストじゃないだろうか。


    さて、話をカシオペアの丘に戻そう。上手・下手で言えば本作は改稿は流星ワゴンより上手くできている。相当丁寧に加筆、改稿をしたのだろう、連載モノのぶつ切り感をあまり感じさせない。またストーリーの面白さ、筆力の高さについては前述の通り当代随一。
    ただしプロットに関しては流星ワゴンとの類似性を感じる、というか非常に悪い言い方をすれば二番煎じ。そのため評価は星4つ。
    いや、それでも充分面白いんだけどね。

  • 『言葉はすべて、ほんとうのことを伝えるためだけにつかいたい』私の一番胸に残った言葉。
    悲しい話は読みたくない。だけど、悲しいだけじゃない。今日から私も、空を見上げて星を見上げて、考えてしまいそう。

  • 人をゆるす。人にゆるされる。
    すごく難しいけど、でも、ゆるしたいし、ゆるされたいと思いました。

    この本に出会えて良かったです。

  • 生きるということ、生きたということ、生きていくこと。

    ゆるすこと、ゆるされること。
    どちらも苦しいし、難しい。
    そして自分自身をゆるすこと。

    そんな様々な苦しみや葛藤の末に人間は本当に優しく、安らかな気持ちになれるのだろうか。

  • 久々に上下巻のお話を読んだ気がする。涙腺崩壊しました。上巻も下巻も泣きながら読みました。心に残る文章やすごく印象深いセリフとか、そういうのも沢山あってノートに書き留めたほど。多くは語れない。命の物語だったから。読み進めていくのがつらくて、苦しくて、切なくて、悲しくて、本当に、読んで良かったと思えるお話でした。トシ、シュン、ミッチョ、ユウちゃん、ありがとう。

  • 何度も涙

    はたしてあたしは
    すべてがほしいと思えるほど
    人を愛せるのかな

    あたしのすべてがほしいと
    思ってくれるひとと
    出会えるのかな

    しあわせだった、と

    あたしと出会えて
    しあわせだったと
    思ってくれる人はいるのかな


    じぶんをゆるすのが
    いちばんかんたんで。

    そしていちばんむずかしいんだ。

    きっと。


    あたしはどんな奇跡を
    願うのだろう?

  • 『星座なんて見分けられなくてもいい。夜空に数え切れないほどの星が光っている、それだけでいい。』

    下巻。上巻とはまたフォルムを変えてきた。細部のワンテンポ挟んだ描写が非常に綺麗。目まぐるしく動く、主観の表し方も絶妙。そして、何よりも落とし込む先が、自分にとってはツボ過ぎた。天体好きに悪い奴はいない。ニッチな領域の美徳を主張して、メジャーなものを敬遠するという趣向がないからだ。美しい星は、誰が見たって美しい。そこに、素晴らしさがあり、また、残酷さもある。生命と星空を重ね合わせることは、ロマンチックなようで、実はシビアで、ストイックな、ペシミズムだ。それを真っ向から体当たりで描けるあたり、さすがだと思う。その姿勢こそが、真の贖罪なのではないかと思ったりした。

  • 【あらすじ】
    苦しみ、傷つき、やがて輝く星になる。壮大な命の物語
    ぼくはゆるしてもらえるんでしょうか。
    ゆるされて、しぬことができるんでしょうか。

    29年ぶりに帰ったふるさとで、病魔は突然暴れ始めた。幼なじみたち、妻と息子、そして新たに出会った人々に支えられて、俊介は封印していた過去の痛みと少しずつ向きあい始める。消えてゆく命、断ち切られた命、生まれなかった命、さらにこれからも生きてゆく命が織りなす、あたたかい涙があふれる交響楽。

    【感想】

  • 1冊にまとめて欲しかった。
    上下に分かれるほどでもなくない?と思った、、
    でも、過去にいろいろあって地元に戻りたくないっていう気持ちとか
    許すってことは忘れること。っていうミウさんの言葉にはぐっときた。
    全体的に綺麗すぎた印象。こういう作家さんなのかな。
    おもしろかったけど。

  • じっくり読める本だった。

    今回に限っては、私の感想なんか要らない
    これ以上、言葉にするのは無粋。

    流星ワゴンをTvでみた時も、切ないけどそれだけじゃない感想を抱いたわ。あの感じ。

  • シュンは最期まで闘ったし
    最期まで赦されようと必死だったけど、
    ほんとに北都観音で解放されたなって思った。

    ミッチョと別れた理由は切なすぎたし
    恵理もそれに嫉妬を感じたりもしたと思うけど、そういうのもすべて乗り越えて、恵理がすごく強くなったなと思う。
    かっこよかった!

    シュンがどんどん体は弱っていくのに
    すごく精神的には強くなっている気がして
    やっぱり故郷に帰ってよかったんだなと思ったし
    でも死に場所は東京って言うのも納得。

    自分の思うとおりの死って難しいと思うけど、
    シュンは生ききって最期を迎えたなと思いました。

    途中何回も泣いてしまいました。
    辛かった

  • 涙をぬぐいながら読みました。
    読み応え充分で、心の奥にずしっとくるけど読んでよかった。としみじみ思う。好きな本です。

  • 突然ではない死や過去の事故を何度も振り返ることは悲しみを思い出すあるいは積み重ねることになるのか?炭鉱事故や子供殺害に家族(というか主人公の一人が)が癌によって死に向かっていくという複数の重いストーリーを積み重ねながら、許す、許さない、家族などを取り扱っていく作品。
    取り分け子供との関係や支えあってきた妻との関係は涙なしでは読み進めていくことはできなかった。
    その技巧に泣かされたのか、ストーリーに泣かされたのか、そこはよくわからないが、40歳の誕生日会のシーンでは号泣というか嗚咽となってしまった...

  • 泣きながら、一気に読んだ覚えがある。

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