ミノタウロス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766517

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったような、そうでも無いような。
    同系統の話を続けて読むきにはなれないな。

  • --- 購入理由-----
    佐藤亜紀さんの軽くなく現実味のある小説が好きで「戦争の法」「バルタザールの遍歴」を読んでます。この小説もこれらと同じような雰囲気がしたので。
    --- 読後感 ---
    面白い。やっぱりこの語り口好きです。ずっと読み続けたくなる。

  • 単行本で既読。

  • 吉川英治文学新人賞をとった作品。ロシア革命前後のウクライナを舞台に地主の次男坊ヴァシリ・ペトローヴィチが破滅への道を突き進む。時代背景に関する知識があれば面白いのかもしれないが、冗長な感じがしてあまり好みの小説ではなかった。文体も外国の作家の翻訳本を読んでいるような感じで、すっと頭に入ってこない。

  • 起伏はほとんどない淡々としたどちらかというと冷たい文章。会話文に「」とかがないので、判断に少し困ります。全体の印象としては、ある少年の転落人生。
    ほとんど主人公の主観に近い形で物語が進んでいくので、暗いお話ではあるけれど、貪欲なまでの生が生々しく伝わってきて息を呑んだ。
    勃発した戦争が、ありとあらゆる行為の善悪を奪っていく過程がなんとも言えない切なさや哀しさを感じさせられた。

  • どうも上のように本の裏表紙に”絶賛”なんて書かれると、眉に唾をつけたくなり。
    しかし、確かに日本の小説ではなかなか見かけない力強い本です。
    良い本だと思いますが、では好きかと言われれば、そうでもない。

    一つはストーリーそのものが、タイプではないこと。ピカレスクロマンでも爽快感があるのは好きですが、この主人公は悪事を行いながら、中途半端に内省している所を感じ、内に籠ってしまった感じがあるのです。
    もう一つはちょっとズルズルした感じの文体。出だしに説明がなく、どこか読み飛ばしたのかと思ったら、その後ろで追いかけるように説明が出て来るような書き方。悪くはないし、特徴と言えば特徴なのかもしれないが、違和感の方が強く感じてしまった。
    ピカレスクというより、むしろ普段考えることもない帝政時代のウクライナの歴史小説という意味で面白かったように思います。

  • 狼狽した。

    久しくこの手の本を読んでいなかった。
    物語の中盤まではひどくとっつきにくく、覚えにくい登場人物と硬い文体をうらめしく思ったものだった。
    だがしかし。
    中盤以降、主人公が外の世界へ飛び出してからは、その展開と世界の描写に息を飲んだ。どうすればこんな世界が想像できるのだろう?なぜこんな描写ができるのだろう?この作者はいったい何者なのだ。この物語に結末はつけられるのか?

    文庫版の裏表紙に「ピカレスクロマン」とあった。それがどういうものか知識も経験もなかったが、なるほどこれがそれなのか。と、妙に納得する物語であった。

    ごく時折の主人公のモノローグは胸に迫る。今でもなお、この主人公は世界のそこらじゅうにいるに違いない。

  • ウルリヒ…

  • 負のリアル。人の形の獣。

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著者プロフィール

1962年、新潟に生まれる。1991年『バルタザールの遍歴』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。2002年『天使』で芸術選奨新人賞を、2007年刊行『ミノタウロス』は吉川英治文学新人賞を受賞した。著書に『鏡の影』『モンティニーの狼男爵』『雲雀』『激しく、速やかな死』『醜聞の作法』『金の仔牛』『吸血鬼』などがある。

「2022年 『吸血鬼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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