6時間後に君は死ぬ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766524

作品紹介・あらすじ

6時間後の死を予言された美緒。他人の未来が見えるという青年・圭史の言葉は真実なのか。美緒は半信半疑のまま、殺人者を探し出そうとするが-刻一刻と迫る運命の瞬間。血も凍るサスペンスから心温まるファンタジーまで、稀代のストーリーテラーが卓抜したアイディアで描き出す、珠玉の連作ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 展開がお見事! 心が揺さぶられる傑作っ ファンタジーミステリーの連作短編集 #6時間後に君は死ぬ

    他人の未来のビジョンが見えてしまう主人公は、ある日街を歩く女性の惨劇のシーンが見えてしまう。ヒロインも最初は懐疑的だったが、交流を深めていくうちに真実味を増していき…
    6時間後に君は死ぬ、3時間後に僕は死ぬ、他関連する4編を含む、全6編の短編集。

    ネタバレになるのであまり詳しくは書けないのですが、素敵なお話ばかりの良い作品でした。結構ありがちな設定ですが、丁寧によくかけた傑作です。メインのお話以外でも、もっと膨らませれば長編や映画でもいけるような作品ばかりでした。

    登場人物も魅力的で、主人公、ヒロインのキャラクターがすごく可愛いっ! 一生懸命な姿は胸が打たれますよ~

    そして何と言っても本作のお見事な点は、話の構成や展開。
    特に最終話「3時間後に僕は死ぬ」は素晴らしいっ シンプルかつ濃厚で、最高にバランスの取れたサスペンスミステリーだと思いました。

    個人的に一番好きなのは「ドールハウスのダンサー」
    夢を追いかける女性と華やかなでも厳しい世界。ファンタジーでそっと包まれた世界観が素敵でした。ぜひドラマで見てみたいです。

    13階段やジェノサイドなど名作を書いた高野和明さんは、短編集でも最高でした!おすすめですっ

  • 表題作とエピローグを含めた6つの連作短編集。
    未来のビジョンが見える青年と、彼に関わる女性たちの物語。

    短編集ながらも、それぞれストーリーと結末がしっかりと描かれている。特筆すべきは、どの作品にもメッセージ性があること。
    どこか懐かしく、それでいて今の自分にも向けられていて、切なくも温かい読了感が得られたことだ。

    特に「ドールハウスのダンサー」は、夢追い人だったころの自分と重ね合わせたりして。

    『「次」という言葉が、ひどく残酷に感じられた。いつまで経っても「次」がある。どんなに頑張っても「次」が未来に立ちはだかる。』

    この一文を読んで、なぜか涙腺が緩んでしまった。
    まだまだファイトだぜ。

  • タイトルが「…死ぬ」とかあるから、そんな感じかと思ってたけど、結構、ホッコリする 高野さんの短編集5作+エピローグ。
    未来のビジョンが見える圭史を中心に書かれてる。それぞれ、微妙に繋がりながら。
    自分には、未来をビジョンで見る技ないから、決まってても、決まってなくても分からんけど…
    未来は決まってる。って考えるのは嫌やな。
    事実はともかく未来は自分で切り開くものと思いたい!
    少し超能力、少しミステリー、少しホッコリな感じで、なかなか良かった!

    自分もそうやけど、人と違ったキラリと光る人でいたいと思ってしまうけど、文中にある
    「普通、というのは、多くの人がいいと思って選んだからこそ、普通になったんじゃないでしょうか」
    っのが心に残る。普通でええやん!

  • デビュー作の『13階段』を読んでから、とても気になる作家さんだった。
    本作については同じ作家さんとは思えない設定になっている。未来のビジョンが見える青年推しの内容は、期待していたものではなく、予想を悪い意味で裏切った形になった。設定をうまく活かすことが出来なかったのではないかと思う。
    短編集という形で収めることになったことにも納得。
    ちょっと期待しすぎたかな。

    読了。

  • 未来が見える青年圭史。
    6時間後の死を予告された美緒(通魔殺人)
    3時間後の自分の死を予知した圭史(退官記念会)
    未来を変える二人の行動力が凄い。
    他3編(神隠,憑依,ドールハウス)

  • 予知能力を持った青年・圭史、彼をメインとした短編集。

    『6時間後に君は死ぬ』、そして
    『3時間後に僕は死ぬ』。などなど

    不思議でふんわりしたタイムトラベル物語です。

    未来は変えられるのか?
    そして、変えられた未来に、幸せはあるのか?

    最後の1ページに、ほっこりします。
    『明日は、きっといい日だよ。』

  • 「明日は、きっといい日だよ。」未来を築いていくのは自分であり、明日はいい日だと信じて進んでいくしかない。5つの話しの全てが心温まるストーリー。未来の「ビジョン」が見える圭史、悩める女性にビジョンを話すことで、女性がその未来を受入れるか、変えたいと思うかがストーリーのトリガーとなる。未来は分からないから面白いのだという人もいるのですが、私の場合未来を知ってしまうとそこで自己成長が止まってしまうかも。でも65歳で定年になった自分と妻が元気で仲良しかどうかは是非知りたい!変わらず仲良くしているかな?

  • 何度も泣きそうになった。ほんわりとした場面から、スピーディーに畳み掛けるような場面から…高野和明さんの本は私的にド嵌りばかりだ。

  • タイトルからして
    ミステリーかホラー系かと思いきや
    ほっこり系の話。

    未来についての考え方が
    変わるかもしれない素敵な作品でした。

    個人的には
    6時間後に君は死ぬ、
    恋をしてはいけない日
    が好きやった。

    時間や未来についての考え方変わったのは
    時の魔法使い、で気づいたら涙してました。


  • 大学院で心理学を専攻する山葉圭史は、他人の非日常的な未来の「ビジョン」が見える、異能者。圭史が美緒の6時間後の死を予言する「6時間後に君は死ぬ」を始め、圭史が絡んだ6つの短編をまとめた書。

    この中では、圭史が直接には登場しない(圭史の祖母、小夜子がドールハウス作者として残した作品が登場するだけの)ファンタジー、「ドールハウスのダンサー」が一番良かった。プロのダンサーを夢見て励む美帆の未来を予測し、彼女の幸せを願って作品を残して二十年前に亡くなった小夜子。「ドールハウス・ミュージアム」の最後のゲストとして美帆の訪れを待っていた、小夜子の思いの詰まった作品たち。心温まるラストにちょっとジーンときた。

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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